インプレスジャパンが4月6日に“ハンダ付けなしで誰でもできる! USB DACキットではじめる高音質PCオーディオ”という書籍付きUSB DACキットを発売する。価格は5,985円になる。
このUSB DAC“DVK-UDA01”は、高級・高画質ビデオカードでかつてはハイエンド志向の自作PCユーザーなら間違いなく注目していた、カノープス(現グラスバレー)で、その高級ビデオカードの設計を手がけていた中田潤氏が設計したもの。
氏へインプレスジャパンが要望したのは「PCオーディオ初心者が安心して購入できる低価格と、PC内蔵音源との違いが確かに分かる高音質」という事のようで、これに応える為に氏は以下の基本コンセプトを打ち出した。
・低価格、高音質を実現するためのシンプル設計
・キットとすることで、ケースを省く、コンデンサ交換などの自作的な楽しみを付加する
・各種の測定結果を公表し、性能を裏づけする
・開発過程をオープンにすることで、PCオーディオの基本についてユーザーのみなさんに
知っていただく
・製品価格は5,000円台が上限
これらのコンセプトから作られたものがコレ。
このキットで一番の特徴は、ハンダ付けなしで音を調節できる所にあると思う。
画像にも真ん中手前に14ピンのソケットにコンデンサと抵抗が2つずつ刺さっているのが見えると思うが、これがその調整部分。ここで出音の調整が出来るという事である。
また、基板にいくつか空きパターンがある。例えば左手前の緑色LEDの後側に2穴の丸い空きパターンが3つある(見た目には2つしか見えない)が、ここは電源系コンデンサの空きパター
ンで、別売り部品になるが330uF/6.3V程度のコンデンサ容量を増やす事が出来るようになっている(これはハンダ付けは必要)し、他にも奥側中央に
3穴ある四角い空きパターンがあるが、ここには別売り部品を使って光出力端子を増設できるようになっている(これもハンダ付け必要)。
み
適度な自作要素を取り入れつつ、安価にUSB DACが欲しいという人には最適な一品ではないかと思う。
私的に残念かな? と思ったのはアンプを兼ねていない事。あくまでもUSB DACなのでデジタルの音をアナログにするのが役目の部分。つまり、サウンドカードと根本的に変わらない。ただ、PCの内蔵オーディオよりも音は高音質になるし、ノイズの明らかに少ない音を得られるというメリットはある。あとはこのUSB DACにパワーアンプ付きのスピーカーを繋いだり、他機器のアンプへデジタル/アナログ出力したりすれば、高音質なサウンドを得られるワケである。
私は2月にstereo 2012年1月号付属のLXA-OT1というアンプを入手したが、これと組み合わせて使う分には面白いアイテムかもしれない。
他にも自作アンプキットなどと組み合わせても面白い。市販されている完成品アンプではなかなか手を入れられない、といった需要にも、キットなら独自に手を入れられる為、そうした自作オーディオの入口として考えれば、今回の“DVK-UDA01”はPCオーディオの間口を随分と広げてくれるキットではないかと思う。
でも私の場合はDr.DAC2がある為、あまりこのキットを買う事に意味はないワケだが…でもこういうキットとアンプがあれば、Dr.DAC2のようなある程度の金額のかかるものは不要になる。
今からUSB DACを考えようとか、そこから自作PCオーディオに入ろうとかいう人には最適な一品となるのではないかと思う。