初代PS3の利点と言えば、一つはSACDを再生できる、という事だった。
SACD(スーパーオーディオCD)は、通常のCDより遙かに高音質のディスクで、専用プレーヤーを買うとその価格は安いモノでも10数万円、高いモノならその3倍とかいう価格のプレーヤーだった。
しかし初代PS3はそのSACDの音楽データのデコードを専用ハードでなくCell Broadband Engineでソフト的にデコードする事で再生を可能にしていた。もちろんピックアップレンズはSACDに対応していないといけないため、結局この機能は初代PS3のみの機能になってしまったが、実になくなったのが惜しい機能であった。
初代PS3の2つ目の利点は、PS2のソフトを動作させるハードウェアを実装していたという事である。
これによってPS3でありながらPS2のソフトも遊ぶ事が出来たワケだが、残念ながら、これも2世代目からのPS3から機能が削除された。
これらの機能が削除された最大の理由は、PS3の販売不振によるコスト削減の為だと言える。
非常に残念な話である。
SACDの再生機能はピックアップレンズが対応していないとどうにもならないが、PS2の機能はエミュレーターでどうにかなる…という話が、PS3の第2世代が発売された頃から言われていた。
もともとPSソフトはエミュレーターで動作していた事もあり、PS2もその流れでいつか来るだろうという話である。
実際、SCEだかがPS2のソフトのエミュレーション機能だか何かの特許申請をした、とかいう話も出ていたことがあり、もう時間の問題だろうと私自身は思っていたのだが、その後数年たってもそういう話にならず、もうPS2のソフトをPS3でプレイする事は諦めていた。
しかし7月25日から、ゲームアーカイブスの一つとして“PlayStation 2アーカイブス”が始まり、ソフトをDLしてPS3上でPS2ソフトをプレイする事が可能になる事が発表された。
残念なのは、PS2のパッケージソフト資産をそのまま使えるワケではない、という事だが、それでもどうすることもできなかった今までから比べれば進化したと言わざるを得ない。
願わくば、通常のPS2ソフトが稼働するエミュレーターが提供されれば…と思うが、おそらく海賊版対策の為にそれはあり得ない話だろう。
今回発表された“PlayStation 2アーカイブス”のソフトだが、第1弾は以下タイトル。
・BIOHAZARD CODE: Veronica
完全版 (カプコン:1,200円)
・決戦 (コーエーテクモゲームス:1,500円)
・真魂斗羅 (コナミデジタルエンタテインメント:1,200
円)
・ドラゴンフォース (セガ:800円)
・SIREN (ソニー・コンピュータエンタテインメント:1,200円)
さらに第2弾以降には以下のタイトルが予定されている。
・DOA2
HARD・CORE (コーエーテクモゲームス:1,500円)
・キャッスルヴァニア (コナミデジタルエンタテインメント:1,200円)
・ダイナマイト刑事 (セガ:8月22日配信予定:800円)
・ガンスターヒーローズ~トレジャーボックス~ (セガ:9月19日配信予定:800円)
・ダーククラウド (ソニー・コンピュータエンタテインメント」1,200円)
個人的に“ダイナマイト刑事”がラインナップされているのが良い感じ。あのノリは名作と呼ぶに相応しい。
HD版にリメイクできないタイトルが、アーカイブスで復活という動きが今後見込まれるワケで、名作が多いPS2ソフト資産が形を変えて発売されるのは実に喜ばしい話である。
個人的にドラクエV、ドラクエVIIIの2作がPlayStation 2アーカイブスで復活してくれないかなぁ…と思っていたりする。
特にドラクエVIIIはそのビジュアル性能から他に移植されていないため、PS2以外では遊べなかったタイトルだ。そのまま消えて行くには惜しいタイトルではないかと思えるだけに、ぜひ復活してほしい所である。
ちなみにPS VITAに関して言うとシステムソフトウェアver1.80で初代PSのソフトはプレイ可能になるという事らしい。
それはそれで問題がないが、できればその上のPS2ソフトもPS VITAではプレイ可能にして欲しいところである。