明日、購入したN BOX Customがいよいよ納車になる。
雨漏り問題や錆問題などネットでいろいろな問題が取り上げられてはいるが、雨漏りは既にメーカー側で対策部品が供給され、錆問題はメーカー側としては問題なしという結論に至っており、中には釈然としない人もいるだろうが、それでも売れ続けている所から見ると、そうした問題を個人がどう捉えるか? で一つの決着が付いている感じがある。
雨漏り問題は既に対策部品が出ているため、私の納車時期なら対策されている事は分かっているのだが、問題は錆問題。ただ、この錆問題はN BOXでなくても実は起きている事であり、気にしなければしないで問題もないのかもしれないが、私は一応下回りに防錆処理をお願いする事にした。だから明日の納車はその防錆処理後の状態で納車される。
ハッキリ言って気休めだろうなぁ…と思うのだが、その気休めが重要なのである。
N BOXの話はまた明日にするとして、今回私がちょっと気になったのがスズキの新型ワゴンRの事。
8月10日にスズキが発表した情報によると、9月に発売される新型ワゴンRは軽自動車で初となる3つの低燃費化技術を採用するようだ。
その結果、燃費は同じ自然吸気エンジン搭載車(FF)のMRワゴン
エコの燃費27.2km/L(JC08モード)を抜き、軽ワゴン系トップとなる28.8km/Lを達成する。またターボエンジン搭載車(FF)も軽ワゴン系トップの26.8km/Lを実現したという。
ターボエンジンで26.8km/Lはある意味驚異的だ。ワゴンRはハイトール系ではないとしても、ミライースのような乗用車タイプと言うには車体が大きすぎる。その大きな車体でこれだけの燃費を稼げるというのは、実に見事なものである。
Car Watch
スズキ、9月発売の新型「ワゴンR」に3つの低燃費化技術を採用し全車免税に
これだけの燃費を達成できたのは、前述した通り3つの低燃費技術を搭載したからだ。
一つは“ENE-CHARGE(エネチャージ)”と呼ばれる技術で、これは減速時のエネルギーで発電・充電し、走行時の発電に使用する燃料を低減する技術で、通常の鉛バッテリーの他に高効率リチウムイオンバッテリーと高出力オルタネーターを使い、減速回生エネルギーを活用する技術である。
車に使用される電力を鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーで区分けし、それぞれのバッテリー残量が少なくなってきたとき、減速回生エネルギーによって高効率充電する。必要のないときはオルタネーターによる発電を行わない=エンジン負荷が小さくなるため、効率のよい加速が可能となる。オルタネーター自体も一般的な軽自動車と比較して2倍近い発電能力を持っているという事だから、電力関係で言えば実に効率のよいシステムが搭載されている事になる。
二つ目は13km/h以下でエンジンを停止し、燃料カット領域を拡大するという“新アイドリングストップシステム”を搭載しているという事。
エンジンは止まっている時は燃料は使わない。当たり前の話だがこのエンジンが止まっている時間を拡大する事で低燃費を実現している。
従来では9km/h以下でエンジンを停止させていたところを13km/hにしたというだけでもエンジンが止まっている時間が長くなる事は容易に想像できるのだが、これは一つ問題を残す。というのは、13km/hくらいだと完全に止まりきる前のタイミングでエンジンが止まる。そうすると、止まる直前で信号が青になったりすると、その時にはエンジンが止まっている…なんて事も往々にしてあり得る事だ。
なので今回のシステムでは“エンジン回転が完全に停止する前でも再始動が行えるスターターモーターを採用”している。これで惰性で走っている間にエンジンが止まっていたとしても、そこから加速する場合もセルは簡単に回ってくれる。
三つ目はアイドリングストップした後の技術。
通常、アイドリングストップしている間の空調というのは、送風が行われているだけでエアコンそのものは止まっている。夏場だと信号待ちくらいの時間ではそんなでもないが、室内の温度が上昇していくのが分かるだろう。
今回のシステム“ECO-COOL(エコクール)”では、蓄冷材を採用してエンジン停止中でも冷風を送ることでその問題を解決した。こうする事で、アイドリングストップ時間の拡大が可能になる。
冷媒の気化によって冷却を行うエアコン部品のエバポレーターに蓄冷材を内蔵し、通常走行している間にその蓄冷材を凍らせ、アイドリングストップした時は、その蓄冷材を通して送風を冷風にする。この蓄冷材は固体から液体になるまでの時間が1分という事だから、最低でも1分は冷風を送ることができる。もちろん、液体になったからといってすぐに冷風にならなくなる、という事はないから、信号待ちくらいの間では通常の送風よりはずっと涼しい風が来ることになる。この“ECO-COOL(エコクール)”の採用でアイドリングストップ時間は約2倍に延長できるらしい。
このシステム、気になるのは冬場なのだが…冬場は他の車と同じレベル、と考えた方がいいのだろうか?
この新型のシステム、おそらくワゴンRだけでなく他のスズキの軽自動車にも採用していく事になる。
つまり、私が購入したN BOXのライバルと言われているパレットの次期車にも搭載してくるだろう。そうなれば、燃費競争でHONDAはまた他社に水をあけられる事になる。
ただ、ダイハツのイーステクノロジーもそうだが、燃費は確かにHONDAよりはいいのだが、パワーは断然HONDAが上回っている。街乗りをいかに快適にするか? という部分で言えば、私の場合はHONDAのようにパワーが欲しい所。パワーがある分、燃費が悪いのはむしろ当然の事であり、逆にそのパワーがあっても、近しい燃費を得られるのであれば、私はそちらの方を選ぶだろう。
こうした技術は後発の方が良いモノが出てくるのは当たり前。
ただ、今の軽自動車のエンジン性能は、トータルで言えばほぼ横一直線になってしまっている。問題はその味付けの好みがどうなのか? という所ではないかと思う。
ハイトール系でいえば、燃費最重視という人はイーステクノロジーを搭載したダイハツタントもしくは今後出てくるだろう低燃費パレットが良いだろうし、パワーを求めるならN BOXがよいだろう。N BOXの場合は、そのバリエーションにN BOX+なんてのもあるため、使い方でそちらを選ぶ人も出てくるだろう。
ただ、ハイパワーを求める場合ターボエンジンにした方がパワーは稼げるのかもしれないが、個人的にはターボよりもスーパーチャージャーにした方が燃費も稼げるのではないかと思う。ターボの場合はエンジンが止まりオイルポンプも同時に止まってもターボフィンが回り続ける事で加熱してしまう事から、アイドリングストップができない。しかしスーパーチャージャーならエンジン回転と連動したフィンが回って過給する為、エンジンが止まればフィンも止まる事からアイドリングストップが可能になる(ハズ)。
であるなら、環境性能底上げの為に、スーパーチャージャーという手が活きてくるのではないかと思われる。ただ…過給圧はどうがんばってもターボの方が上であるため、問題はその過給によるパワー上昇が見合うだけのものになるか? という所に問題は帰結する。
ま、私が思いつくぐらいの事だから、メーカーも認識しているとは思うのだが…ひょっとしたらもう結論が出ていて、スーパーチャージャーは意味がない、という事になっているのかも知れない。
何はともあれ、エコカーに対する技術開発はまだまだ進んでいくだろう。
私からすると、VAMOSからN BOX Customに換える事で、4速ATからCVTに変わるだけでもかなりの燃費上昇になるだろうから、その部分で期待したいところである。