Nikon1 V2が発表になった。
スペックだけ見ると、V1の頃の問題点も解決されている部分もあり、魅力的なカメラになったと思う。撮像素子も1型を継承しつつ1,015万画素から1,425万画素へと拡大し、それに合わせて新画像処理エンジン「EXPEED 3A」を搭載、最高感度はISO3200からISO6400に向上し、ISO-AUTO制御値の表示も可能と、センサー部分だけでも実に魅力的と言える。
また、V1で不評だった操作性にも手を入れていて、モードセレクターがダイヤルになっていたりする辺りも納得できる部分。ありとあらゆる部分が、いわゆるコンパクトデジタルの延長から、より一眼レフに近づいた…そんな感じに仕上がっている。
が…私的には納得いかない部分が実に多い。
何が納得いかないかというと…これなら何もミラーレスを買う必要がない、という事である。
この上から見た形状でもわかるように、ミラーレスの良さである、コンパクトに出し入れしてサッと撮影できる手軽さからかけ離れてしまった。
コレなら、デジタル一眼レフのエントリー機を持っているのと大差ないと言える。
確かにカジュアルに特化した使い方で攻めるならNikon1 J2を選べばいい、という話なのかもしれないが、J2の性能では満足できないからこそのV2なのであり、V1、J1の頃の関係とV2、J2の頃の関係は明らかに異なってしまった。
性能だけで見れば確かに納得できるカメラになったとは言えるが、存在意義が今一つ微妙になってしまったように思えてならない。
私的にはV2もV1のようなスタイルを維持して欲しかった。
その上でより高性能・高機能の方向に振って欲しかった。
ストレート…と言えるかどうかはわからないが、スマートなスタイルに高性能と高機能を併せ持ち、スタイリッシュに高品質に撮影する…というスタイルを取って欲しかった。
確かにNikon1 V2は進化したし、高性能化したが、私として何とも残念なカメラになってしまった。
こうなると、併売されるNikon1 V1を私は選んでしまいそうである。
性能的に落ちてしまうが、日常用途を考えればV1の方が遙かに使い勝手が良いと言える。
もし、V1のボディにV2のセンサーを組み込んだV1.5…みたいなのを発売してくれれば、私は迷わずそちらを選ぶだろう。
というか、ぜひV1.5を出してください、ハイ…。
私みたいに考える人、他にいないものだろうか?
ミラーレスの良さを考えると、何となくV2は違う方向に突然変異してしまった気がしてならない。正常進化したV2を期待したかった人もいる、と信じたいところである。