先日、iKeda Productでネット購入したAmp Base IIが到着した。
化粧箱には“iKeda Product”のロゴが入り、中は型抜きしたダンボール型に製品が収められていた。一介の製造業のブランド戦略といっても、この辺りは抜かりがない。
製品構成はこんな感じ。本体のアルミベースにアクリルボンネット。右手前に見えにくいが背面プレートと左側にゴム足と調節ツマミ、そして固定用のネジ類。これが全てである。
これらとstereo 2013年1月号の付録であるUSB DAC基板を合わせると…
こんな感じになる。これにボンネットを固定するのだが、ここで前回と異なる仕様に出会う。前回のAmp Baseはアクリルボンネットをただ載せるだけで終わっていたが、今回は穴に通して六角ネジで固定する。こうする事でボンネットが固定できる。ちょっとした工夫である。完成写真は先日のBlogにも載せたので割愛する。
このAmp Base IIの出来映えだが、実に良く出来ている…というか、企画段階からよく考えられていると言える。
おそらくボンネットを固定するためのネジ止め部などは雑誌社とLUXMAN、そのして池田工業がそれぞれ打合せした結果から出た結論なのだと思う。共同企画は伊達じゃない。
同じ製造業に勤める者として、こういう企画が出来る事が羨ましくてしかたがない。
実は…私自身会社側にこうした企画モノを提案していたりする。ま、もともと私は企画屋だし…。
だが、残念ながら会社側はそれを未だ受け入れてくれていない。
市場開拓の難しさもあるが、何より私に他にもやらねばならない事を要求しているからだ。それもやらなきゃならない事はわかりきっている。だが、製造業が危険な状態にある今、ニッチな要求を持つ個人に対して商品展開していく事の重要性は、小さなメーカーが大きなメーカーになる為のステップである。
そのステップを踏めない以上、会社が大きくなる事は難しいし、ブランド戦略など出来ようハズもない。
もともと私は企画会社にいたから、その重要性を数年にかけて経営者に訴え続けているが、未だそれは通らずにいる。残念でしかたがない。
何はともあれ、池田工業のiKeda Productは少なくとも私を2回に渡り満足させた。
しかも決して安い金額ではない価格で、だ。
付加価値ある商品展開は、今後の製造業を支えていく一つの方向性だと私は思っている。
ちなみに…本日iKeda ProductのHPを見てみたら、案の定本製品は在庫切れだった。
おそらく初回に200~300個は作ったと思われるが、仮に200個製造で1,640,000円の売上、300個製造なら2,460,000万の売上になる。
会社の臨時収入としては結構大きなものだ。
そういう意味で、今回の製品も雑誌社と製造業の見事なコラボと言えるだろう。