今日、前から観たいと思っていたヤマト2199を観た。
残念ながら、観たいと思っていたにもかかわらず、第1話を見落としてしまい、結果第2話からの視聴となったワケだが、幸いなことに第1話ではヤマトはまだ進水(?)していなかったようで、第2話でいよいよヤマト発進となったようである。
ちょっと話が逸れるが、調べていて気になったことがある。
Wikipediaによると、ヤマトが最初にテレビで放送されたのは1974年10月6日とある。
ところが公式サイトを見ると、テレビ地上波放送は33年ぶりと書いてある。
計算…合わなくないか?
最初の1974年に放送されたものはテレビ地上波放送でなかった?
時代を考えるとそんな事はないと思うのだが…何をもって33年ぶりなのかが気になる所である。
ま、そんな大人の事情はどうでもいいとして、もっとも気にしなければならないのはその作品の作りである。
PVである程度観ていたため、そのクォリティの高さはそんなに心配していなかったのだが、実際に観て感じたのは、とんでもねぇよ、ハンパねぇという事である。
ま、デジタル制作になった事で、手書きセルではできなかった表現がそんなに手を入れずに出来る様になったという利点があるにしても、制作陣に何かしら熱意を感じる出来の良さである。
さすがに30年も前の技術で描かれたものと今とでは雲泥の差がある事は間違いないのだが、問題はその構成と音楽。これは今も昔も技術の差というものがそんなにない。完全に作り手のセンスの問題であり、この問題はマンガの世界でも同じような事が言える。昔のマンガの方が面白く感じると言われる事があるが、それは作家としてのセンスの問題であるところが大きい為である。
そして音楽。平成という時代と真逆位置にあるような音楽だが、現代のテイストを受け入れて劇中に使われると、これがまた良い音楽すぎて、オリジナルのセンスの良さを改めて再確認できてしまう。恐るべし宮川泰。ま、今回の2199の音楽も宮川彬良(宮川泰の息子)が担当しているため、そのテイストはそのまま生き続いていると言える。
しかし…この作り、多分今の世代には受け入れがたいように思えてならない。
このヤマトをテレビで放送したとしても、そのターゲット層は何となく40台前後になるように思えてならない。
今のアニメの大部分は、どんなにマジメな作品出会ったとしても、その中にギャグ要素が必ず含まれている。ストーリーとしてどこかで笑わせるという事はもちろんアリだが、ヤマトはその笑わせるポイントが今世代アニメと明らかに異なっている。
今世代の人達に受け入れられるか、ちょっと疑問に思うのだが、ハマる人は間違いなくハマる作品である事はわかりきっている。
何しろ今のアニメブームを最初に作ったと言っても過言ではない作品なのだから。
ただ、私は今世代の人達にこのヤマトという作品に出てくる沖田艦長の生き様をぜひ観てもらいたいと思っている。
この人の壮絶な覚悟は、現代人には足りない要素だと思う。かくいう私にも欠けている。
多数の部下を死なせてしまったという自責の念は、責任という名になり重くのし掛かってきているハズである。しかし沖田艦長はその責任を果たすべく、重い自責の念を背負いながらも目的達成のためにただひたすら前を見ていく。この生き様は、今の世代には絶対的に欠けている要素だと思う。
情熱とかいう言葉に置き換える人もいるかもしれないが、これはもう情熱という言葉で片付けられる話ではない。自分の判断一つで、地球の滅亡が起こり得るのである。並の覚悟でできる事ではない。
劇中、他の提督が沖田艦長の体を心配して代わろうと言ってくるが、それすらも押しのけ、自らに課した使命を受け入れるその姿は、私からすれば尋常ではない生き様であり、憧れでもある。
そういう、現代とは逆行する生き様を今放送する事の意味は大きいのではないかと思う。
一人でも多くの人が、この沖田艦長の生き様に感銘を受けてくれれば…と、他人事ながら思ったりする。
いや、私はもう感銘は受けていて、私自身が覚悟を決めるだけの事なのだが…。
どちらにしても、昨今の生ぬるい作品とは真逆路線のアニメである。
暑苦しいとか堅苦しいとか、そういう端的な目でなく、ストーリーの中に埋め込まれている人の想いという所に視点をおいて観て欲しい作品である。
宇宙戦艦ヤマト2199 公式サイト
http://yamato2199.net/