毎年この日になると、ネットが騒がしくなる。
ただ騒がしいのではなく、そこにセンスが渦巻いていて、見ている者をニヤリとさせる。
もちろん、本気で信じる人もいるため、全ての人がそのセンスにニヤリとするワケではないのだが、それでもこの日は一種“お祭り”のような喧騒を日本のネット界に与える。
エイプリルフール。
4月バカと呼ばれるこのお祭りは、如何にしてバカを装い、他人をバカにするかというお祭りである。
昨年、Googleはいくつかの仕掛けを自サイトに埋め込んだ。Googleマップがドラ○エ風のマップになったり、Google日本語入力がモールス信号対応になったりという、実に手の込んだバカを演出した。
今年は…やはりGoogleマップに宝探しが用意され、Google日本語入力にもパタパタバージョンなる、指一本で日本語入力ができるという仕掛けを用意した。人的資源を相当に投下したバカである。
Googleマップ(サイト右上に「宝探し」というリンクがある)
https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl
Google日本語入力パタパタバージョン
http://www.google.co.jp/ime/patapata/
さくらインターネットは昨年“とある科学の超電磁砲”ネタでサイトを賑わした。
今年は…やはり同じ“とある科学の超電磁砲”ネタであったが、今年は昨年よりグレードアップ。専用サイトも用意され、新しいサービスとして“とある科学の電脳要塞(データセンター)”というホスティングサービスの展開を見せた。
とある科学の電脳要塞(データセンター)
http://sakuraha-ai.sakura.ne.jp/2013/ (現在リンク切れ)
このサイト、設備照会などもキッチリ作られていて、実にソレらしく作られている。さらにサービスなのか、ギャラリーには壁紙まで用意されている。ネタの為に予算を投下し、版権を購入したのだろう。まさしくバカである。
あと、私的に定番となっている、impressの窓の杜もネタ投下している。
窓の社(やしろ)と題されたネタサイトは、私が知る限り、このようなエイプリールフールネタのかなり古参な部類に入る。今年はWindows8のMetro UIを模したスタイルで作られている。
窓の社(やしろ)
http://www.forest.impress.co.jp/yashiro/2013/
こうしたネタサイトは、おそらくその全てを一人が探す事など不可能に近いほどの数がある。
Gigazineでは、このエイプリルフールネタのまとめを行っている。
Gigazine エイプリルフールに便乗しているサイトまとめ2013年度版
http://gigazine.net/news/20130401-aprilfool/ (現在はリンク切れ)
中には度肝を抜かれるネタもあったりする。ぜひその目で確かめてもらいたい。
こうしたエイプリルフールネタによるサイト変更は、単純に言えば話題性の獲得に他ならない。
つまり、サイトで注目を浴びるネタを展開し、宣伝してしまおうという事である。
そう考えれば、Googleが人的資源を投下してネタに走るのもうなずける。ソレ一つ一つが宣伝であり、遠回りかもしれないが売上に繋がる部分があるわけである。
さくらインターネットに関しても同様だ。多数あるサーバホスティングサービスの中で、広く宣伝できるチャンスがエイプリルフールのこの日なのである。話題を取った者勝ちのお祭りである。
また、企業として消費者に「冗談がわかる企業」という印象も与えることができる。多分、驚くほど悪い印象がないのが、日本のエイプリルフールネタである。
さて…海外では今日という日はどんな日になるのだろうか?