Intelから提唱され製品が供給されたNUCは、そのコンパクトな筐体と省電力性で人気があるが、以前のモデルはCorei3モデルとCeleronモデルの2種類しかなく、パフォーマンスという面では物足りないものがあった。
もちろん、65WクラスのACアダプタ駆動でしかも動作させられるファンにも制限があり、小さな筐体内での冷却性能を考えれば、ハイパフォーマンスに持って行く事は難しいと言えるが、昨今のUltrabookの薄さを考えれば、NUCのパフォーマンスはもっと底上げができるハズであり、結構な数の自作PCファンは、そうしたハイパフォーマンスNUCを心待ちにしていたといえる。
GIGABYTEは、このNUCというプラットフォームをIntelが提唱していた初期の頃から、Corei7搭載のNUCの存在を発表していたが、おそらくその意図は、ハイパフォーマンスを求める声を予測・反映した結果ではないかと思う。
4月12日には、そうした期待を具現化するべく、IntelからもCorei5とCorei7を搭載したモデルを投入するという発表が行われたが、今回のIntel発表モデルは初期モデルにはあったThunderbolt搭載モデルがなかったりと、Intelもその軌道を修正してきた感じがある。
また、Intel発表の2機種は、コアが違う以外にもインターフェースが異なっていたりして、使い勝手の為にコアを限定されてしまうという恐れもある。
上田新聞 Blog版
INTEL純正のミニPC NUCのCore i5/Core i7搭載モデルの製品仕様
http://nueda.main.jp/blog/archives/006661.html
上記リンクに、そのスペックが公開されているが、Corei5搭載モデルには有線Gigabit LANが備わっているがUSB3.0が1ポートしかなく、Corei7搭載モデルはUSB3.0が3ポート搭載されているものの、有線Gigabit LANがない。他にもMini DisplayPortの数が違っていたりするし、使い勝手次第で機種を特定させる必要が出てくる可能性が高い。
2種共に無線LANへの接続としてハーフmini PCIeスロットが用意されているため、どちらの機種もネットワーク機能について大きな問題があるわけではない。但し、インテル製品には無線LANは標準で搭載されないため、各国準拠の無線LANカードをユーザーが搭載する必要がある。
こうした、ユーザーサイドにある程度の判断知識などを要求するインテル製品に対し、GIGABYTE製品はそのスペックなどが至ってわかりやすく揃えられている。
発表されたスペックは実に無難なものではあるが、万人に対応できるものであり、また違いがコアのみというわかりやすさ、そしてハーフMini PCIeには標準で無線LANカードが搭載されている点も、消費者側が迷わない点で私的に高評価である。
ただ、価格でいうならばGIGABYTE製品の方が確実に割高になると予想される。どれぐらいの価格差なのかが気になるところだ。
上田新聞 Blog版
GIGABYTE版NUCことBRIXの製品仕様
http://nueda.main.jp/blog/archives/006668.html
個人的にNUCほど自宅サーバに向いているPCはない、と思っている。まぁ、その使用OSはWindows Home Server 2011という事になるだろうが。
また、サーバ用途でなくても普段軽く使用する用途でのPCとして必要十分な性能を今は持ち合わせている。そういう視点で見れば、NUCはノートPCの入力装置に馴染めない人が使用する軽量型デスクトップPCという位置づけでも活躍してくれる。Mac miniのWindows版って感じだ。
そもそも、Mac miniなんて存在がMacにはあってWindowsには正式なものがなかったという事が、まずヘンな話だ。この辺りは、Appleの方がユーザーニーズをより拾い上げていた、という事かもしれない。
Intelはこの先もこのNUCというプラットフォームを継続していくだろう。ひょっとしたらHaswell搭載型が出てきたあたりから、また様子が変わってくるかもしれない。
急ぐならこの4月末くらいに登場するIvy Bridge搭載型NUCがイチオシになるが、待てるならHaswell搭載型を待つ方が、パフォーマンス含めて理想型になるかもしれない。
今年後半まで待てるなら、Haswellの動向を見てから考えると良いだろう。