台湾のDigiTimesがサプライチェーンからの情報としてAppleの次期iPadの発表が9月であり、次期iPad miniに関しては発売時期が遅れる可能性があると報じた。
新型iPadは既に生産の準備を終えているようで、今後仕様が変更される可能性は低いようだ。また、これまでのリーク情報通り、iPad miniのようなスリムなベゼルデザインを採用しコンパクトサイズに変更されるようで、バックライトに使用されているLEDバーを現行の2本から1本に減らしているという。この事でバッテリーの持ち時間を向上させるつもりなのだろう。
現在のAndroidタブレットでは、IGZO液晶の採用なども進んでいるようで、実に多彩な製品が登場している。
特に省電力化は液晶の消費電力を抑える事で大きく進化する為、AppleとしてはIGZO液晶かそれに変わる省電力型液晶を搭載しないと、Androidタブレットに対抗する事が難しくなる。
また、Appleが宣伝して広めたRetinaディスプレイも、AndroidタブレットはiPadより進化が進み、7インチでフルHDや、10.1インチでフルHD超のものが登場し始めている。
新型iPadはおそらくRetinaディスプレイというスペックは変えてこないと思われるが、今やそれでは優位性は語れない。であるならば省電力化するのが一番効果的ではあるが、そのあたりをどのように捉えているのかが気になる所である。
次期iPadはまだスペックが想像できる範疇にあるが、問題は次期iPad miniである。
7インチクラスのタブレットはAndroidタブレットでも進化が早く、Retinaディスプレイのような高精細液晶を搭載したモデルが次々と登場している。
しかし現在のiPad miniはRetinaディスプレイではなく、iPad2と同程度の解像度でしかない。
それ故に消費電力も少なくて済んでいるところもあるのだが、ライバルとの差別化を考えれば、Retinaディスプレイへの移行は必須も考えられる。
が、現時点でAppleはiPad miniへのRetinaディスプレイ搭載可否を決めかねているらしい。もし搭載するとしたならば、発売時期は年末からそれ以降に延びる事は間違いない。
決めかねている最大の理由は、おそらく操作性ではないかと思われる。2048×1536ピクセルという解像度を7.9インチに表示する事で、操作性に問題が出る事を懸念していると考えられる。
Appleは必ずしも最高性能を搭載するとは限らない。
性能を高める事より、バッテリーの持ち時間を延ばしたいと考えるなら、Appleはバッテリーの持ち時間を選択する場合もある。これは過去からのApple製品を見ていればよく分かる事である。
だから、逆を言えばバッテリーの持ち時間よりも操作性や演算能力を必要と考えれば、バッテリーの持ち時間を削る場合もあるし、バッテリー容量を増やして重量増という選択肢をする可能性もある。それこそケースバイケースだ。
ただ、iPad miniの使われ方や特性を考えれば、バッテリー容量を増加させる事は考えにくい。まず何より持ち運ぶ事を重視するだろうし、快適な操作性やバッテリーの持ち時間は最適なバランスを採ってくるだろうと思われる。
それを考慮するならば、やはりiPad miniのRetinaディスプレイ搭載はAppleとしては悩みどころになるハズだ。もしRetinaディスプレイをIGZO液晶で対応して省電力化が可能ならば、余計に悩みどころになるだろう。
個人的な希望で言えば、iPad miniにRetinaディスプレイを搭載して欲しいところ。そしてAppleらしく、表示倍率を上げてどちらでも使えるようなハイブリッド仕様にしてくれる事を期待したい。その為に発売時期が延びるのであれば、誰も文句は言わないと思うのだが…。
何はともあれ、何か事を起こす度に話題になるAppleは、メーカーととして流石だと思う。
ただ、ここまで書いて思ったのは、Appleの製品情報が発売前にここまで簡単に漏れるものなのだろうか? という事。
以前なら、発売前にこれだけの情報が流れたなら、Appleもそれなりの措置を講じて、それなりのペナルティへと繋がる話になるのだが…。
時代と共にAppleの販売戦略というのも変わってきた、という事なのだろうか?