来月の2月26日(水)に、DigiFi No.13が発売になる。
DigiFiと言えば、今までにOlasonicブランドの東和電子製のUSB DACが付録となった事があるが、今回のNo.13もOlasonic製のデジタルパワーアンプが付録として付いてくる。
基板設計は基本的にNo.7と同じ
DigiFi No.7の付録だったパワーアンプは、Olasonic謹製のSuper Charged Drive System(SCDS)という、電力をあまり使わない時にチャージしておき必要な時に大電力を放出するという仕組みを搭載したものだった。
これによって、USBバスパワーではあったものの、パンチのある音を出す事のできるものだったのだが、このパワーアンプにはボリュームが付いていなかったり、動作しているのかどうかを判別する為にLEDなどが付いていなかったなど、ちょっとした残念な部分も見受けられた。
今回のNo.13の付録であるパワーアンプは、基本的にNo.7の時の基板設計と同じものを採用しつつ、SCDS用電源コンデンサーの大容量化、最新型デジタルパワーアンプ用ICの搭載、そしてそのクロックアップを施し、さらにボリュームを追加したモデルになった。
Stereo 2014年1月号の付録であるLUXMAN製LXA-OT3と同じコンセプト…と言ってしまえばそれまでだが、パーツなどを強化する事で前モデルを超える製品にするパターンで、より付録の価値を上げた感じである。
パッシブスピーカーを持っている人なら、すんなりと使うことができる製品だが、RCAピンジャックで接続するようなアクティブスピーカー(というかアクティブスピーカー持ってたらアンプいらないかもしれないが…)の場合、直接はこの付録アンプと接続できない為、パッシブスピーカーを持っている人なら、一見の価値ありのデジタルパワーアンプである。
LXA-OT3とどっちが良い?
Stereo 2014年1月号の付録だったLXA-OT3を今も使い続けているが、実に安定した音で特に困ることもなく使えている。DigiFi No.7の音もそれに勝るとも劣らない音は出すのだが、この二つにおいて決定的な差がひとつある。
それはLXA-OT3はオペアンプの交換ができるという事。DigiFi No.7と基本的には同じであるDigiFi No.13は、このオペアンプの交換が元から考慮されていない。だから『音を楽しむ』という観点でいうなら、LXA-OT3の方が向いているという事になる。
音そのものの差というのは、実に計りにくく、好みの問題でしかないところもあるため、どっちが良いというのは言いにくいが、LXA-OT3はコンデンサの交換などは比較的簡単にできると言えるかも知れない。前機種であるLXA-OT1でも、コンデンサの交換等をしている人も多く、基盤設計そのものが同じという事を考えれば、LXA-OT3もそうしたカスタマイズはしやすいと考えられる。
だが、DigiFi No.7はOlasonic謹製のSuper Charged Drive Systemがあるため、おいそれと触れない…というか、触りにくさはある。この差は、カスタマイズするかしないかの差でもあるため、元々あるものをそのまま使うというのなら好みの音で決めれば良いが、カスタマイズを前提とするなら、LXA-OT3を選ぶ方がよいのかもしれない。
アンプ付録の雑誌の今後
Stereo誌にしても、DigiFi誌にしてもそうだが、アンプを付録とするパターンもそろそろ限界に来ているかな? という気はする。価格的にもっと絞り込んで良いものを作るという方向性はあるかもしれないが、ここ数年同じ事をしているわけで、そろそろ新しい基軸が欲しいところだ。
もっと簡単にカスタマイズできるアンプの設計をして『音を楽しむ』という方向をより強くしていくとか、いっその事アンプから離れて、別の機材を低価格で付録にするとか、何か新しい道を模索しないと、ユーザーは離れてしまうように思える。
というのも、たたでさえポータプルアンプなどがかなり安く売られる時代である。何か特徴的な顧客囲い込みを行わないと、魅力そのものが失われてしまう。
自作、という所を前面に押し出したいのだろうが、それでも難易度の高い自作は敬遠されてしまうわけで、そのアタリの両立が難しいというのはわかる。そこを踏まえた上で、特徴を出せるかが、付録勝負の難しいところかもしれない。
とりあえず、DigiFi No.13を買おうかどうしようか、悩んでいる。
4,200円という価格は絶対価格としては安いとは言えない(相対価格として安いとは思うが)。
まだ発売日までには時間があるため、ゆっくりと悩んでいこうと思う。