メモの為のハードウェア「Boogie Board」がBluetooth通信可能となって再び登場した。
単機能ハードが進化
Boogie Boardが最初に紹介された時、単にメモを取るだけのハードウェアだった。
書いて消して書いて消して。ホントにただそれだけの機能しかなく、メモをPDF化して貯めておくなんて事もできなかった。
それがいろいろな要望からPDF化してPCに取り込めるという機能を搭載し、メモという単機能から一歩拡大した製品となった。
また、当初はバッテリーの交換も考慮されないものでもあった。Boogie Boardはその性質上、パネルに記載された情報を消去する時のみ電力を使用するため、バッテリー交換なしでも5年以上の使用が可能という製品だった。
しかし、大部分の人は使い捨てという感じの製品という感覚を嫌ったのだろうと思うが、バッテリー交換ができるようにして欲しいという要望からか、次の製品からはバッテリー交換可能なタイプとなった。
個人的には、このバッテリー交換可能になった時点で、このBoogie Boardは完成された一つのデバイスだと私は思うのだが、人の欲求は更なる上を求め、今回発表された新型「Boogie Board SYNC9.7」はBluetoothによるスマートフォンやパソコンとの連携機能が搭載され、メモ内容の同期が出来たり、或いはPCであればペンタブレットのように使う事もできるようだ。
また、プロジェクターでメモの内容を投影してホワイトボードのように使ったりする事もできるようで、できる事がかなり幅広くなっている。
この時点でメモデバイス、という感じではなくなっているように思うのだが…。
わかりやすい単機能デバイス
Boogie Boardは個人的にはいろいろな使い方ができる必要はないデバイスではないかと思ったりする。単純にメモを残す為のデバイスとして存在するという事でも良いように思う。
私が初代のBoogie Boardに問題を呈すなら、バッテリー交換問題だけがその枠に収まるものと思っていて、その使用目的などを考えれば、純粋にメモを残してそれを消してまた書くという繰り返しができればそれでよいのではないかと思うのである。
単機能の良さというのは、純粋にわかりやすいという事であり、使い方を迷わないという事である。そしてその扱い方が直感的であればより良いわけで、そういう意味では、初代Boogie Boardはそのコンセプトが完全にフィードバックされたものであった。
しかし、気づけばメモをPDF化可能になっていたり、PCに転送できるようになっていたり、Bluetoothでスマホと連携したりと、本来の機能以外に多機能化している。
これでは、その本来の使い勝手を犠牲にしてしまっているように思えてならない。
原点に還る製品があっても良いと思う
私は、このBoogie Boardは単純なメモ取りデバイスに戻った方が良いと思っている。
使うかどうか解らない機能を詰め込んでしまうより、単純なメモに回帰する…その方が使い勝手が良いように思う。
というのは、私自身、メモとして残す文面があまりないからだ。メモの数が少ないのではなく、残すメモがない、という事である。
よく仕事場の机にメモが置かれていたりするが、そういったメモで残さなければならないものがまずない。もし残さなければならないものがあったとするならば、それは所謂メモという形で提供されていないのだ。
だから短期情報のメモという扱いなら、わざわざPDFにして残したりしないし、ファイリングもしない。
だから今回の「Boogie Board SYNC 9.7」のような通信機能を持っているようなデバイスはまず必要ないし、使うなら短期情報として必要となるメモのみという事になる。
おそらくこういう人は多いのではないかと思う。
であるなら、単機能電子メモデバイスであれば活用できるだろうし、それで紙の節約になるのならそれが一番良いように思う。
それと、もしPC等でメモ云々という話をするのであれば、私はまずPCがタッチパネルとなり、画面に直接書き込める形にして残す方が現実的だと思っている。
折角、今MicrosoftがモダンUIというタッチパネル前提のOSへと向かっているのだから、あえてそれと競合するようなデバイスを普及する必要はないと思う。
ま、Boogie Board自体の販売に関して言えば、メモ機能のみに特化した前バージョンの製品などもまだ扱っているだろうから、最新機種を否定するつもりもない。
ただ、私としてはフォーカスする部分が異なっているように思えるだけの事である。
紙デバイスよりも電子デバイスでエコ活動しようという人は、この製品もその候補になりうるものである。
検討してみてはどうだろうか?