国内オーディオメーカーのオンキヨーが、業績修正を発表した。
商品が売れない…
オンキヨーは、2014年3月期の連結経常損益を従来予想の5億円の黒字から、4.7億円の赤字(前期は3.8億円の黒字)に下方修正し、一転して赤字の見通しとなった事を発表した。
何故こんな赤字へと転落したのか? という事に関して、オンキヨー側は「欧米における販売の不振にともなって、売上高については業績予想を下回る見込みとなりました。 また、旧製品の在庫処分により販売価格が低下する一方、販売経費の増大等により、営業利益、 経常利益、当期純利益とも前回予想を下回る見込みとなりました」と語っている。
このオンキヨーの原因分析をマトモに受け止めれば、要するに新製品があまり売れず、旧製品の在庫処分で値下げしたもので売上を確保し、それでも営業経費は増大の一途をたどり、結果全ての利益が前回予想を下回った、という事になる。
誰がどう考えてもダメな路線まっしぐらな内容である。
もちろん、ちゃんとした会社だから、何故新製品が売れないのか? といった分析はしているだろうが、顧客ニーズに合わせた製品をリリースできていないというのが一番の問題だろうと言える。
どんな路線で行くのか?
オンキヨーはその昔PCをsotech(ソーテック)ブランドで販売していたが、結果として展開を終了した経緯がある。
その時はオーディオPCという立ち位置を確立しようとしていたかのように見えたが、結果周囲の価格競争に巻き込まれ、低価格路線でいくのか、それともPCオーディオの路線でいくのかが明確に出来ず、収束していった。
PC事業に関して言えば、オンキヨーのメインとなる事業ではなかった事もあって結果的に収束しても再編は簡単だったかもしれないが、今回はメインとなる事業であるオーディオ事業での問題だけに、同じ轍を踏む訳にはいかないだろう。
今の状況を打開するためには、何故新製品が売れないのか? という原因の分析をいち早く行い、ユーザーニーズがどの方向に向かっているのかをより明確にした上で、市場で自社がどのポイントに立つべきかを再検討しなければならないだろう。
ポイントは、他社と同じ立ち位置ではダメだという事で、オンキヨーがSonyと同じ位置に立っても危機を脱する事は難しいだろう。
オーディオ関係は、格安路線がある一方、根強い高級路線があり、その高級路線は非常にアナログ的な製品を好む傾向にある。ところが、その傾向は最近ちょっと違った方向を見せ始めていて、ハイレゾ音楽と高級路線の組み合わせで各社がいろいろな知恵を絞っているところがある。
そうした市場の中でオンキヨーが目指すところがドコなのか?
まずは立ち位置を確認し、そこから商品開発をして行くことで、今の状況を脱する事もできるかもしれない。
老舗ブランドだけに、まだまだ頑張って欲しいところであるが、まずはオンキヨー自身が自らのブランドを分析し、市場を分析し、狙うポイントを明確にするところから再出発すべきではないだろうか。
ま、私がそう考えるくらいだから、既にオンキヨー内でそうした動きはあるだろう。今しばらく、その対策を見守る事としよう。