音楽之友社が発行しているstereo誌。毎年年初と夏に付録付きの号が出るが、今年の夏は2wayスピーカーが付くようだ。
専用エンクロージャーも…
昨年はスキャンスピークの8cmスピーカーが付録だったが、今年はフォステクスの8cmウーファーと2cmドームトゥイーターが2組が付録とされたstereo 8月号。同時にエンクロージャーキットが付録となるムックも発売されるが、とうとう付録スピーカーもフルレンジ一発から2wayへと変化してきた。
いよいよ以て音楽雑誌業界の付録もエスカレートしてきたな、という感じではあるが、今回の2wayスピーカーは、専用のエンクロージャーがフォステクスからも発売されるという、ホントに組立という部分以外は完全メーカー品となるような動きを見せている。
ニーズがあるから始まったであろうこの付録企画も、ココまで来るとほぼ製品になる付録という、付録の域を超えた展開なワケだが、これはもちろん音楽之友社だけの話ではない。
以前にもBlogの記事にしたが、DigiFiも3号連続でハイレゾ対応のDACやアンプを付録として展開する。ちょうど8月に発売するDigiFi No.15にはハイレゾ対応のOlasonic製DACが付いてくる。これも時代の流れからハイレゾ対応になった…という事かもしれないが、案外、他雑誌との差別化の流れでハイレゾ対応になった可能性も否定できない。
今回はパス
stereo 8月号だが、今回は私は購入をパスする事にした。
もともと2wayスピーカーはあまり好きではない、というのがその理由。音の広がりよりも定位を採るのが私の主義、といえば聞こえがいいが、私の住環境では2wayの意味があまりないからである。
それに以前購入し組み立てたスキャンスピーク製8cmスピーカーも、まだ活用するところまで行っていない。もともとJVC製の9cmウッドコーンスピーカーが手元にあるからだが、このスキャンスピーク製8cmスピーカーもバックロードホーン型のエンクロージャを使っていて、使えば良い音が出る事は確認済み。なので、これ以上スピーカーを増やすのも意味がないため、パスする事とした。
だが、私と違い、現時点でスピーカーが欲しい、という人は、今回のフォステクスの2wayスピーカーに手を出すというのもアリだと思う。
スピーカーというものがどのような構造になっているのか? という事を知る上でも良い経験になるし、どこをどうすると音が変わるのか? という事も漠然とではあるが理解できるようになる。スピーカーは箱で鳴らす…という言葉の意味が理解できるようになる為には、そうしたスピーカーそのものがどういう構造なのかを理解できないとわからない事だ。
2wayスピーカーは、その内部でネットワークを使って入力された情報の高音と低音を分離しているが、そのネットワークに使用するコンデンサを変えるだけでも音が変わる。
こうした仕組み部分を理解しつつ、実際にスピーカーを手に入れるという意味で、stereo 8月号の付録は面白いものだし、意味があるものだ。
なので、スピーカーが欲しいという人にはお薦めできる一品。ぜひ内部構造を理解しつつ、楽しんでもらいたい。