9月5日(現地時間)、ドイツ・ベルリンで開催されるコンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2014」に、韓国LG Electronicが興味深い製品を出展するようだ。
湾曲型モニター登場
テレビという製品では既に登場していた湾曲型パネルだが、とうとうPCモニターとして登場するようである。
アスペクト比21:9で画面が湾曲した34型IPSディスプレイ「34UC97」は、解像度3,440×1,440ドットで写真編集や映画制作などの用途を想定したモデル。
Thunderbolt端子を備えており、複数台のデイジーチェーン接続が可能。また、出力7Wのステレオスピーカーを内蔵しており、高音質化機能のMAXX AUDIOを搭載する。
業務用途として写真編集や映画制作を想定している…といいつつ、その実個人ユースで写真や映像鑑賞を目的として使用する事も視野に入れたモデルのようにも感じられる。
湾曲パネルがどのような臨場感を与えるかは、実際に湾曲パネルを使用したテレビなどを見てもらった方がわかりやすいのだが、没入感という意味では平面ディスプレイよりずっと深みにハマるものがある。
それを34型におさめてきた辺りで、東芝の40型REGZAなどのパーソナルユースを目的とした方向性に合わせてきた製品と言えるかも知れない。
私の本命はコチラ
湾曲ディスプレイの他にも、Digital Cinema Initiative(DCI)規格に準拠する製品も投入してくる。
映画制作などでの利用を想定した4Kモニター「31MU97」は、前述したようにDCI規格に準拠していて、その解像度は通常の4Kパネルを超える4,096×2,160ドットに至る。
31型というサイズでありながら、4,096×2,160ドットという解像度を持ち、その色域もAdobe RGB比99%と圧倒的な表現力を持つ。
そういうモデルであるから、当然ハードウェアキャリブレーションに対応し、キャリブレーションソフトも備える為、こちらは完全にプロ仕様を意識したモデルと言えるだろう。
個人的にはこの「31MU97」が私の本命モニターという事になるが、気になるのはその応答速度。せめてGtoGの表示が2ms程度であれば、私的には何ら問題ないのだが、IPSパネルであるため、5msくらいになるかもしれないが、正直それでも十分かもしれない。
何より4,096×2,160ドットで60fps表示可能ならそれで問題はない。というか、その性能はぜひとも持っていてもらいたいものである。
これが日本メーカーから出てくれれば…
4Kモニターはまだまだ製品群が少ない領域であり、また日本メーカーとしてコンシューマ向け製品を投入するメーカーがあまりない現状から、こうした韓国LG Electronicが展開するような製品を日本メーカーに期待するのは酷な話かもしれないが、私個人としては日本メーカーが本気を出した4Kモニターに是非とも期待したいところ。
噂のIGZO液晶を搭載したモデルも明確にIGZO液晶だと明言した製品はシャープのみが発売しただけだし、是非とも日本メーカーの底力を見てみたい気がする。
ちなみに、韓国LG Electronicはもう1機種、「24GM77」という24型の144Hz駆動に対応モニターを出展する。応答速度を1ms以下まで改善する機能を搭載しているようで、こういう分野でも日本メーカーは立ち後れている。機能として出来ないわけではなく、商売として成立しないという事かもしれないが、そんな日本製品を待ち望んでいる人は決して少なくないように思える。
ぜひとも日本メーカーには、もっとがんばってもらいたいものである。
何はともあれ、一人の消費者として見たとき、31MU97が手の届く価格帯だったら良いな、と。
そうなれば、ベストセラー4Kモニターになるのは必然だろうと思う。