Wii Uの不調が続いている任天堂だが、ここにきてニンテンドー3DSの新型を発表した。
本体からして結構な違いがある
新型の名称は「New ニンテンドー3DS」「New ニンテンドー3DS LL」(以下、New3DS、New3DSLLと略)で、実に捻りのない普通の名称である。
名称には捻りがないが、新製品の見た目や中身は結構捻りのある内容に進化している。
まず、その筐体カラーリングだが、まずはNew3DSがホワイトとブラック、New3DSLLはメタリックブルーとメタリックブラックの各2色のバリエーションで登場する。
問題はこの本体色ではなく、ボタンのカラーリングがわかりやすくなったと言うこと。
New3DSのホワイトがもっともわかりやすいが、ABXYのカラーリングがスーパーファミコンのボタンと同じ色に変えられている。正直、この変更点は今回の製品の中でもっとも特徴的でなぜ今までそうしなかったのか疑問なほど良い改善点ではないかと私は思っている。
また、New3DSのみの機能として、外装を自分好みのものにカスタマイズできるようになった。カスタマイズ用のプレートが1,000円で用意され、本体と同時に約30種ほどが発売される。年内には50種類程度に増えるようだが、この機能によって自分の好みの外観に仕上げる事ができる。
この機能、どうしてNew3DSLLには用意してくれなかったのだろうか? という疑問がどうしても私には残るのだが…おそらくNew3DSとNew3DSLLの差別化をより明確化したかったのではないかと考える。
見た目の違いで言えば、他にもNew3DSは画面サイズが旧3DSより面積比で約1.2倍に拡大され、3.88インチに大型化した。残念ながらNew3DSLLは旧機種と同じ画面サイズのままである。
またゲームカードスロットが本体背面から前側面に、電源ボタンも同じく前側面へと移動した。
機能的な違いをちっょと説明
今回の新機種は搭載しているCPUが高速化したようで、バックグラウンドで動作する基本機能などが高速処理できるようになったようだ。例えばダウンロード時間が高速化したりする。これは単純に快適化した、と感じられる違いである。
また、立体視にもテコ入れが成されていて、3Dブレ防止機能が搭載された。
そもそも3DSの立体視は本体を顔の正面に持ってくる必要があった。これは液晶の視差を利用しているから当然の事なのだが、今回の新機種ではプレイヤーの顔を内蔵カメラが認識し、視線の角度が変わった事を検出すると、液晶の視差を変化させて斜めから見ても立体視に見えるようにした。この機能が3Dブレ防止機能である。
他、室内の明るさを自動検出し、液晶の明るさを変化させる事によって眩しすぎる状態を回避したりもできるようになった。これは単純に省電力化にも繋がっており、今回の新機種は旧機種に対して多少稼働時間が長くなっている。
そのほか、今回の新機種にはNFC機能が内蔵され、NFCタグ内蔵フィギュアに本体だけで対応できたり、SUICAによる決済も可能なる見込みのようだ(現在検討中との事だが「できる」とNintendo 3DS Direct」では伝えている)。
それと、SDカードによるメモリーカードはSDカードからmicroSDカードへと変わり、スロットは本体裏面のバッテリーカバーを外して装着するようになった。手軽にアクセスできなくなったが、メモリーカードはWi-Fiを使って外部PCとやり取りできるようになったため、データアクセスは旧機種よりやりやすくなったと言える。
拡張スライドパッド不要
旧3DSでは、拡張スライドパッドという右アナログスティックと拡張ボタンを追加する周辺機器が存在していたが、今度の新型はその機能をすべて本体内に搭載している。
まず、ABXYボタンの左上に新たにCスティックと呼ばれるアナログスティックが追加された。要するにこれが拡張スライドパッドのスライドパッド機能を果たす。意外に小さなボタンのような形状だが、どういった使い勝手となるかは実体験してみるしかないだろう。
また、ZL/ZRボタンも本体上側面に追加で装備されている。これで拡張スライドパッドの機能はすべて本体内に納めた事になる。
従来は拡張スライドパッドを使ってモンハンなどをプレイしていたが、この新機種では本体のサイズのままプレイが可能になり、今後登場するいくつかの新作は既に対応しているようだ。あのドラゴンクエストXオンラインも視点移動機能としてCスティックが使えるようになる。
個人的に思うこと
今回の新機種の情報をいろいろ纏めてみると、欲しいと思わせる内容がNew3DSの方が多く、New3DSLLがちょっと残念な機種に見えてきて仕方が無い。
確かに大画面は魅力的で、どちらかというとその大画面は絶対的に欲しい特徴なのだが、本体のカラーリング、着せ替え機能はNew3DSのみの特徴で、これがとても魅力的に思える。
特にカラーリングで、スーパーファミコンと同じABXYボタンは、私の中ではかなり魅力的に思える変更点である。
New3DSLLも、ABXYボタンにプリントされた文字はスーパーファミコンと同じカラーリングなのだが、目立たないのが問題。同じように着せ替え機能にも対応しないのは目立たない要因の一つになる。
シックに見せる目的でNew3DSLLをこのようにデザインしたのだろうが、もともと3DSのような本体をシックに見せる必要があるのかどうかを考えれば、もっとカジュアル志向にする方がユーザー受けしそうな気がする。
価格については、New3DSが16,000円(税別)、New3DSLLが18,800円(税別)と旧機種とあまり変わらない設定になっているのは好ましいのだが、実はコレ、充電器が含まれた価格ではない。旧機種のアダプターがそのまま使用できる為、新たに3DSを購入する人は別途アダプターを購入する必要がある。これは…DSから3DSへ移行した時もそうだったと思う。
最終的に私がもしこの新機種を購入するとしたら、何をセレクトするか? というと…やはりNew3DSLLのメタリックブラックになるだろうか?
一応、モンハン限定モデルも出る様だが、個人的にはモバイルゲーム機でそういう限定モノはいらない。
着せ替え機能やカラーリングではNew3DSの方が圧倒的に好みだが、やはり大画面は捨てきれないし、操作する上で本体が大きい方がプレイしやすいというのもある。
着せ替え機能がなくとも、New3DSのカラーリングをしたNew3DSLLが存在していれば一番良い良いのだが。
欲しいソフトがあれば購入を検討したいところだが…正直今更感も拭えないところ。
セガ3D復刻プロジェクトの第3期が始まり、パワードリフトが登場するなら考えてもいいかな? という感じ。
パワードリフトは激しい操作になるだろうから、立体視問題が激しく出そうだから、今回の新機種は最適かもしれない。