EIZOからおもしろい液晶モニターが発売になる。
真四角なパネル
EIZOが2015年1~3月に発売を予定している液晶モニター「FlexScan EV2730Q」はアスペクト比が1:1で解像度が1,920×1,920ドットという26.5型という特徴を持っている。
こういう真四角な液晶というのは、従来は特定の業界向けには存在していたが、民生で販売されるのはおそらくはじめての事だろうと思われる。
22型ワイドモニターと同等の横幅でフルHDモニターよりも縦方向情報が78%増加するというのが特徴になるのだが、これによって縦方向にスクロールしなければならない場面でのスクロール行為がぐっと減る事になる。
使用されているパネルはIPSパネルで、最大表示色数は1,677万色。そのほか、詳細な仕様は現在開発中という事でまだ不明である。
インターフェースとしてはDisplayPort、DVI-D(HDCP対応)、USB 2.0 Hubによる2ポート、1W+1Wステレオスピーカー、ヘッドフォン出力を備えている。
付属スタンドは上35度/下5度のチルトスタンドで、左右344度のスイベルが可能。また101mmの高さ調節機能を搭載している。
個人的に思うのは、縦の表示能力が格段に上がっているため、フルHDモニターとの置き換えで言えば非常に有用と思うが、これなら4Kモニターを購入した方がいい、という言い方も出来てしまうのが、この「FlexScan EV2730Q」の最大の問題だ。
なので、本モニターはフルHDというモニターサイズとの比較で使いやすくなる人を対象としているようなモニターと言える。
これでマルチモニターは意味があるか?
一番気になるのは、この「FlexScan EV2730Q」を単体で使用する時よりも、マルチモニターとして使用する時のメリットである。
例えば、この「FlexScan EV2730Q」を2枚使うのはあまり意味がないとして、3枚をマルチモニターとして使用するという用法に意味があるのかを考えてみる。
要するに、横幅としてはフルHDモニターを3枚横並びにして使用する、という事と同義になるわけだが、この「FlexScan EV2730Q」の場合は縦方向が1,920ドットある、という事になる。
つまり、3枚をマルチモニター化するとその表示エリアは5,760×1,920ドットという事になり、これだと4Kモニターを超える横幅を持つ事になる。
横幅を十分使いたい人であれば、こういう用途はアリかもしれない。
…まぁ、EIZOのモニターなので価格的に3枚横並びという事が苦しいという人は多いかも知れない。
そろそろ揃っても良い頃?
私が考える理想のモニターは、映像補正技術を搭載した4Kモニターであり、それで最低でも60fpsの性能を持ったものである。それでさらに価格が安ければ良いのだが、やはり大きなパネルは製造の歩留りが良くないのか価格があまり安くならない。
また、映像補正技術を開発するメーカーもそんなに多くないというのが現状で、これらの条件を満たす製品はPCモニターよりも家電の液晶テレビの領域になる様相を見せている。
しかし、家電とPCとで接続規格が統一できていないため、Display Port端子やHDMI端子と機器のバージョンの不一致がそれぞれ見られるのが今の状態である。
PCのビデオカード端子に搭載されているHDMI端子がせめてver2.0になっていれば、家電のテレビをPCモニターとして使用する事もできるのだが、今はそれが出来ないのが悩みどころである。
この辺りの問題が解決すれば、テレビとPCモニターとの垣根がなくなるのだが…やはり統一は難しい者なのだろうか?
どちらにしても、来年半ばくらいまでにはいろいろなメーカーから4Kクラスのモニターがまだまだ出てくるのではないかと見ている。
その中に理想のモニターが含まれている事を今は祈りたい。