予定では来年夏頃にRTMが登場するWindows10だが、扱いが大きく変わるようである。
無償化
一番大きな変更はアップグレードポリシーが変わるという事。今まではWindows Updateで細かいアップデートは月毎にアップデートできたが、Windows10からはメジャーアップデートに相当する新機能もWindows Updateのような仕組みで更新されるようになる。もちろん無償で、である。
感覚的に言えば、Android OSやiOSのようになる、と考えれば良いだろう。
また、Windows10自身もWindows7以降のユーザーには1年間は無償アップグレードされるという事で、Windows7以降を所有している人は新たにOSを買う必要がない。
そういう意味では新OSの導入の敷居は、今まで以上に低いのではないかと思われるが、どうして1年間という期間限定なのかというと、これはPCベンダーに対する配慮と考えられる。メーカー製PCのサポートの関係で、よく分からない消費者がメーカーに頼るケースに対し、永年無償としてしまうとメーカーが永年対応しなければならないため、1年間という期間を設けたものと思われる。
統合化
今回のWindows10は、8型モニター以上のデスクトップ版と8型モニター未満のWindows10 for Phones & Tablets(以下モバイル版と略)が存在する。つまり、デスクトップとモバイルで2つのバージョンが存在する、という事になる。但し、基本となる部分は同じものになるのではないかと思われる。感覚的にはMac OSとiOSといった感じ、と私は解釈している。
以前からこのような形態をMicrosoftも望んでいた節はあるが、中々足並みが揃っていない、という感じだったと私は思っている。ここに来てようやくその動きが明確化する、という事なのだろう。
さらに面白いのはXbox Oneとの連携である。
Xbox Liveに対応した新アプリが用意され、Xbox OneのゲームをWindows10ではストリーミングプレイができるようになる。
つまり、PS4のリモートプレイがXperia Z3シリーズで可能になっているような事が、Xbox OneとWindows10搭載のPC(タブレットでも可能と思われる)でも可能になる、という事である。
これ自体は、実はそう難しい技術ではなく、単に受け手、つまりWindows10側PCがWi-Fiでストリーミング再生しつつ入力信号を送信できれば問題なくできる事であり、Windows10ではOSレベルでそのストリーミング再生と入力信号の送信が可能だという事である。
これでXbox Oneにテコ入れしたい、というMicrosoftの思惑が見え見えではあるが、この動きによって、PS4の独り勝ち状態が幾分か緩和され、Xbox Oneにも光の兆しが見えてくるのではないだろうか。
とりあえず待つ
私としては、Windows10はクライアントを一つ買いたいと思っている。
つまり、Windows Updateで手に入れるのではなく、素の状態からインストール可能なクライアントを一つ持っておきたい、と考えているのである。
もし、Windows UpdateでWindows10のクライアントがゼロインストール可能な状態で手に入るのであれば新規購入はしないが、そうでなければ何かあったときにクリーンインストールできる状態を持っておきたいのである。
それに、一つ気になる事もある。
WindowsというOSは、少なくとも2つのグレードが存在する。それはHomeと呼ばれるグレードと、Professionalと呼ばれるグレードである。
Windows10はWindows7以降には無償提供されるというが、提供されるグレードは元のインストールOSに準じるのか、それともそうではないのかが不明である。
もう少し情報が下りてくるまでには時間がかかるのだろうが、こうしたグレード問題はAndroidやiOSには存在しないだけに気になる所である。
早くても来年夏。それまでは待つしかない話だが、それでもWindows10の話がこんなにも取り上げられるのは、偏にWindows8系が不評だという事に原因があるのではないかと思う。
Vistaに続いて不遇なOSだ…。