私の事ではない。世間一般の事である。
選択肢が少なくなってきた
ここ最近、自作PCユーザーを賑わせるような話題がない。
いや、あるのかも知れないが、コア中のコアなマニアにしか響かない話題ばかりで、ミドルレンジというか、そこそこ楽しめればいい、というユーザーに向けての話題が見つからない。
ハイエンドな話となれば、CPUにしろGPUにしろ、一つ話題が出ればそれなりの情報のうねりになる。しかし、ミドルレンジに属する人は、如何にローコストでハイエンドに近づくか? という事をテーマにしていたりするから、ローエンド側とハイエンド側のオイシイ部分の話題が盛り上がらないと、結局自分達のエリアの話にならなかったりする。
そして話題が減っている最大のポイントは、新製品の話が昔ほど活発に出てこないという事。
既に完成されたというか、結論ありきの製品しか出てこない。
これでは自作PCの世界が広がる事などあり得ないのではないかと思う。
外付けGPUがどんどん寂しくなる
自作PCが賑わないもう一つの理由は、外付けGPUの選択肢が減ってきているという事である。
これは種類という事だけでなく、価格レンジがかなり高い所に集中する事が多くなり、ミドルローとローエンドの価格と性能のバランスが非常に悪くなってきているからだと私は見ている。
いや、正確に言うなら、ミドルレンジやハイミドルはハイエンドの価格と差はついているものの、簡単に手の届く価格ではなくなってきている事に大きな問題があると私は思っている。
ミドルローとローエンドのGPUは、既にその存在が必要か? と言われている事がある。
それはCPU内蔵のGPU機能が進化し、ローエンドと性能差がなくなってきている事に起因する。またミドルローにしても、CPU内蔵よりも性能は上ではあるものの、その価格を出す価値があるのか? と疑問を感じる人がいる。私もその一人だが、既にこの領域の外付けGPUはその必要性が非常に難しい所にあるように思える。
また、ミドルレンジやハイミドルに関して言うと、その上のハイエンドの価格があまりにも高い所に上ってしまっていて、ミドルレンジやハイミドルの価格もそれに吊られて上昇してしまっている。
GeForce GTX 960が3万円台半ばという価格は、個人的には高いと思っていて、3万円をちょっと下回るか? ぐらいの価格設定で丁度良いように思える。
また、その上のGeForce GTX 970は4万円台なワケだが、これは上を見ると安く感じるが、パフォーマンスを見るとやはり高いように思える。上である980が6万円台とかそういう価格だから、4万円台の970が安く感じるのは、単純に相対的マジックであって、絶対的価値観とは異なるのではないだろうか?
そしてGeForce GTX 980だが…正直、私はこの性能なら5万円台…あわよくば4万円台という価格設定にして欲しいという希望がある。何故なら、登場した時点でNVIDIAはその上のコアを開発中で、しかも980では中途半端に妥協している部分があったからだ。
性能が高いという事は認めるが、すぐにでもその上位GPUが登場する事が見えている製品と考えると、価格の妥当性を疑ってしまう。まぁ…そんなのはタダの一消費者の戯言でしかないと言われればそれまでだが。
また、NVIDIAだけでなくAMDにしてもGPUに関しては同じだと私は見ている。今はワットパフォーマンスでNVIDIAに差を付けられているため、多少NVIDIAより安い製品で押している感じがあるが、全体的なバランスで言えばあまりNVIDIAとは変わらない。これでは競争になっていないと思うのは私だけだろうか?
実は…一台作りたい
私としては実の所小型PCを一台作りたいと思っている。
というのは、以前使っていた128GBのSSDが一つ余っているというのと、PS4から取り外した500GBの2.5インチHDDがあるからだ。
SSDをOS起動用として使用する事を考えると、巨大なシステムを作るという方向とは異なるだろうから、AMDのA10シリーズ等で動作するPCでも作れたらな…と思ったりする。
ただ、その際にあまり大きなシステムにしたいとも思わないため、できればマザーボードはmini-ITXで構成したいと思っている。
ところが…AMDのFM2+ソケット(AシリーズのCPUに対応したソケット)をもつmini-ITXマザーボードというのは、あまり多いとも言えず、選択肢があまりないという状態である。
調べて見ると、AsRockとGIGABYTE、MSIの3社ぐらいしか発売しておらず、その弾数も少ない。やはり小型PCという分野ではIntelコアの方が作りやすいという事なのか?
ただ、APUという選択肢でメーカー製PCがどれだけあるか? と見ると、APUこそ自作PCの世界に君臨すべき存在ではないか? と思うワケで、AMDにはもう少し頑張って欲しいと思う所でもある。
統合化が自作を廃らせる?
ここ最近、PCのあらゆるものが統合化されるようになってきた。
CPUにGPUが統合され、チップセットも昔はサウスブリッジとノースブリッジが存在していたが、それも機能的には1つになった。Intelコアであれば電圧レギュレータまでCPU内に入れてきたわけで、今後は微細化が進むにつれてもっといろんな機能を集約してくる可能性がある。
この統合化によって、より小さな、より省電力なPCが実現可能になるわけだが、同時に自由度がどんどんなくなっていく事にもなる。
ちょっと前は、IntelのHaswellコアにはソケット対応のコアの発売がなくなるかもしれないという話が出たぐらいである。
今後は自作できなくなるかもしれないという可能性は大きくなっても小さくなる事はなくなるだろう。
ますます選択肢は狭まりそうである。
そういう意味ではAMDのAシリーズは今後の要になるように思えてならない。
AMDぐらいは自作の道を残して欲しいと切実に思っている。