お盆前に発売となったIntelのSkylakeだが、実はマザーボードごと乗り換えたい。
新しいアーキテクチャ
U3415W、GeForce GTX 970とこの夏は結構な買い物をしてしまったため、最終的には乗り換える事ができなかったワケだが、実はIntelのSkylakeに乗り換えたいという気持ちがあったりする。
まぁ、ほとんどの人であれば、Ivy Bridgeの性能があればまだ乗り換える必要などない、と言うかも知れないが、ココが元パワーユーザーの性というべきか、新しいアーキテクチャというだけで乗り換えたいという気持ちがあったりするのである。
そもそも、今回導入したU3415WでフルHDを超える解像度を得た事で、GeForce GTX 970が必要となり、しかもオークションの不手際で同じビデオカードを2枚入手する事になった時点で、連動してマザーボードをmicro ATXからATXに切り替え、SLI接続したいという流れになった事も、Skylakeへと切り替えたいと考える要素の一つなのだが、とにかく環境を変えたいという気持ちがある事が、新アーキテクチャへの渇望となっている事は、もはや言う迄も無い事である。
ではSkylakeは具体的に何がどう変わったのか?
ちょっと自分の思考の整理も含めて書き出してみたい。まずそのスペックからだが、Corei7である6700Kは遂に標準クロックで4GHzに突入した。オーバークロック時で4.2GHzになるわけだが、物理&論理含めた8スレッド動作で4GHzでの駆動というのは、ある意味それだけで性能的に優位にあると言える。
また、メモリもDDR4に対応するようになり、全ての面で新技術を接続できるスペックを持つ。
また、今回初のチップセットであるIntel 100シリーズは、USB3.0の接続数も増加し、チップセットとしても優秀である。
完全に省電力という方向性に固執していたHaswellから比べると、実にハイスペックに感じる内容である。
Haswellから後退した技術
だが、実は今回のSkylakeでは、Haswellより後退した技術もある。
それが電圧レギュレータの内蔵を辞めた、という所である。
Haswell世代になった時、Intelは電圧レギュレータをもCPUに内蔵していく方向性を打ち出していた。
しかし、それがその後のBroadwell世代になると、部分的に電圧レギュレータの機能を外付けするようになり、そしてSkylakeではさらにその方向性を強めた。
これは、電圧レギュレータを内蔵する事によってクロックを向上させる事が困難になったという意味であり、モバイルの一部プロセッサでは今後も内蔵していくが、デスクトップに採用するようなコアでは、電圧レギュレータの扱いを以前のIvy Bridge等と同レベルにまで後退させていくようだ。
一部モバイルプロセッサではそのパッケージの小ささの利点を採って、電圧レギュレータを内蔵化したプロセッサを作って行くようだが、基本的にデスクトップのようなハイエンドクラスの半導体では電圧レギュレータは外付けにしていくようである。
各社からハイエンド中心に製品が発売開始
ギガバイトやASUSTek、AsRockなどから、Z170チップセット(Intel 100シリーズ)搭載のマザーボードが発売されたが、そのほとんどはハイエンド仕様やゲーミングマザーだったりとかなり高級感溢れるラインナップだった。
もちろん、これらは需要があるからこそ発売されたワケだが、どれも価格がワリと高い製品ばかりであった。
一番高いものになると7万円近いマザーボードという、ちょっと信じがたい製品もあり、安くても2万円台半ばというラインナップである。
昔から比べると随分と値段が上がってきたなぁ、と感じるのだが、機能等を考えれば、確かに昔から比べれば対性能比で安くなっていると言える。まぁ…あくまでも機能を比較しての話である。
しかし、絶対価格が上がっている事に違いはなく、非常に買いにくくなった面もある。
昔なら、ちょっとしたCPUとマザーボードなら、合計でも20,000円でソコソコの製品が揃ったものだが、今ではちょっとしたハイレベル製品で揃えようものなら、CPUで5万円、マザーボードで3万円なんてのが当たり前になりつつある。
実に買いにくい時代になったものである。
そんなワケなので、私としてもおいそれとプラットフォームの変更ができない。
今日の記事のタイトルのように、乗り換えたいと思っていても、そうそう乗り換えられない事情は、このコストに起因するのである。
だからこそ次が気になる
ではSkylakeの次となると、何になるのか?
Skylakeは14nmプロセスによる新アーキテクチャを投入した新シリーズだが、次はいつものIntelなら次の10nmプロセスへと進む事になるのだが、どうも新プロセスへの移行は更なる次の世代になるようである。
一応、当初はSkylakeの次はCannon lakeという10nmプロセスコアへと進む予定だった(といってもIntelは公式に10nmと言った事はない)のだが、Cannon lakeの前にKaby lakeというコアが登場する予定になった。
このKaby lakeはSkylakeと同じ14nmプロセスで製造されるコアで、基本的にSkylakeとほぼ同じパッケージになる。
唯一の違いは、一部の構成で採用されるGT4(GPU)は128MB×2で合計256MBのeDRAMを搭載するとの事だから、SkylakeのよりGPU強化型、という感じになる。
つまり、私のように最初からディスクリートGPUを使用する事を前提にしている人からすると、2017年くらいまでは何も変わらないアーキテクチャで推移するといえる。
であるならば…私は結構気長に乗り換えを検討できる、という事になる。
時期を見て、安い価格になる頃に、一気に乗り換える事を考えれば良いと言えるかも知れない。
どっちにしても、今一枚余らせているGeForce GTX 970を何とかしないとなぁ、とは思っている為、今年の冬あたりに一部構成をアップデート…というのが順当な答えになるかもしれない。
CPUとマザーボード、メモリとケースくらいは新しくする必要はあるかもしれないが、それで一体いくらになるやら…。
高騰化している現状を考えると、これだけでも結構な価格になりそうで、イヤな予感しかしないのは、現状の自作PCの流れを考えれば必然であり、いかに賢く買い物をするか? という事を常日頃から考えておく必要があるなといったところだろう。