Intel一強って、やっぱり(゚A゚)イクナイ
APU
既にCPUの世界ではIntelを超えられる企業は存在しなくなってしまった。
Windows95が登場する前、まだDOS/Vと呼ばれていた時代には、CPUはIntelだけでなく、他にもいくつかのメーカーがしのぎを削っていた。
結局生き残ったのは、今のIntelのAMDだったワケだが、そのAMDもAthlonの頃までは元気だったものの、IntelがCore2 Duoを出したあたりからIntelの戦略にハマリ(言い方はいろいろあるだろうが、私はIntelのビジネス戦略でAMDが追い込まれたとみている)、結果、今のIntel一強時代に突入した。
Intelはその豊富な開発資金でプロセッサの生産プロセスまで独自に進んで行き、世界一の量産微細化プロセスを確立、今や敵う者なしという状況を作り出した。
まぁ、早い話がIntelのアタマが良かった、という事でもあるわけだが、個人的にはライバルあっての開発だと思うし、競争原理のなくなった世界は進化が止まるワケで、今のCPUの世界は昔からくらべてものすごく進化の度合いが鈍化したと思っている。
…実際鈍化しているワケだが。
そんな中、AMDが打ち出してきた戦略が、最高性能を求めるスタイルではなく、より効率的に安価なコアを生産していくか? という方向性だった。そこから生まれたのがA seriesで、高性能なGPUを内蔵したCPUとGPUの融合という道だった。但し、それを実現しても、電力効率だけは未だIntelが圧倒的ではあるのだが、少なくともPCという分野に於ける生産コストと効率はA seriesに多少の軍配が上がりそうではある(…総合的にはIntelだろうけど)。
A12
そんなAPUだが、AMDは来年に向けて大幅に強化していく事を宣言している。
基本的にはZenコアという今までとは異なるAPUを投入するという方向性で、従来のBulldozer系列と比較してデコーダー、ALU、浮動小数点演算ユニット等が2倍に強化されたコアを搭載する、という方向性である。
これはこれで期待が出来るのだが、実際の登場はまだ先になる為、来年に登場、市場に出回るのはさらにその先という予定である。
ではソコまでは何ら進展はないのか? というと、そうでもない。
従来、APUはその性能に対していくつかのナンバリングが用意されていて、A6、A8、A10と搭載しているCore数やクロック数によって数字が大きいほど性能が上という製品区別をしていた。
これにとうとうA12という、今までの通例で言うならば最上級のA seriesを投入してくる。
但し、これはPRO A seriesと、ビジネス向けモデルの側面があり、一般販売されるかどうかが今後の焦点となる製品にはなるのだが、はじめてのA12という事で、今まで4Core 2moduleというのが最高性能だった所に、いよいよ6Coreが投入されるか? と期待されていた。
その詳細がこの程発表され、A seriesのプロ仕様が確定したのだが…その結果は残念ながら、周囲の期待を上回るものではなかった。
結局は製品保証拡大版
A12の正体は驚くべきものではなかった。
中身は従来のA seriesとあまり変わらない…というのが現状で、唯一の違いは24ヶ月供給、36ヶ月の製品保証、18ヶ月のイメージ固定という、ホントにビジネス方面の特徴のみを持つものであった。
前述したように、遂に6Core投入か? とまで期待されていたが、そういったものではなかったワケである。
となると、ホントに中身は従来のA10シリーズと同じで、これではコンシューマにPRO A seriesが降りてくる事はあり得ない…と考えられる。
この結果を受けて考えるに、来年のZenコアを搭載したモデルが登場するまでは現状維持…という事にならざるを得ない。
AMDはここ最近生産プロセスもIntelの後れを取るという状況が続いており、PC分野においてIntelと対等に戦えた事がない。
生産プロセスに関しては、徐々に台湾の製造メーカーなどが追い上げてきていて、16nmや14nmと追いつき始めた為今後に期待はできるが、コアの設計という段階になるとAMDががんばるしかない。
前述したように、従来のBulldozer系列で弱かった部分をテコ入れし、ユニット数を拡大する事で全体の性能の底上げをするようだが、これら改良によって、Intelコアに後れを取らないような製品にぜひとも仕上げて戴きたいものである。