新ハードの発表など、話題は豊富だった。
Xbox Oneの再整備?
Microsoftから「Xbox One S」が発表された。
E3で実際に実機が展示されたのだが、簡単に説明すると従来のXbox Oneを40%小型化し、なおかつ電源を内蔵、機能としては4Kビデオの再生とゲームのHDR対応というものである。それ以外ではストレージ容量が大型化したモデルが追加される程度である。
このストレージ容量に関しては、2TBモデルが登場しているが、これ自体に大幅な機能変化はない。
なんだ、それだけか、と思う人もいるかもしれないが、この40%の小型化によって、縦置きが可能になったのは大きい。
従来のXbox Oneは大きな電源が外付けで、しかも横置きだから占有スペースがかなり必要だったワケだが、それが改善されたというのは、Xbox Oneという存在そのものの改善に繋がる話である。
このXbox One S以外に、高性能モデルの投入の話が出ており、Project ScorpioというPCと同等のアーキテクチャを採用したXbox Oneというハードが予定されている事が発表された。
このProject Scorpioは、ある意味Xbox Oneの切り札的存在で、PS4陣営を追い越す勢いのあるものである。というのも、実は従来のXbox OneはVRへの正式対応を表明しておらず、今回のProject Scorpioで初めてVR体験についてコメントを出している。
だから今話題のVRに追従していくには、従来のXbox Oneでは難しいという事が言えるワケで、今回の発表を聞く限り、私としてはXbox Oneの再整備を行っているようにしか見えないのである。
じゃあ、今のハードを購入する(した)人はVR体験は難しいのか?
正直、私としてはよく分からないのだが、多分難しいのではないかと思っている。
なんか仕切り直しみたいで、ユーザーとしては複雑な気持ちになる話だが、こればっかりは基本はハードスペックの初期設定の問題であり、今回の進化版でMicrosoftはようやくSCEを意識できるレベルに上がってきた、という事なのかもしれない。
こういう話を聞くと、今回発表されたXbox One SはProject Scorpioの影に完全に隠れてしまった形に見えるが、その分価格的な魅力がある製品である。
そういうものだと割り切るしかないワケだが、ユーザーの底上げによる普及という意味は大きいと言える。
10月13日発売予定
PlayStation VRの日本国内発売の日程が10月13日に決定した。
価格も44,980円(税別)と決まり、PlayStation Cameraの同梱版が49,980円(税別)と決定した。
また、PS4と接続できるPlayStation Moveモーションコントローラーも発売される事となり、価格は4,980円(税別)と決まった。
これでほぼほぼPS VRに関する必要要素は揃う事になる。
また、今回の発表で対応タイトルも発表があった。ローンチだけでなく、年内に発売するタイトル含めての内容だが、ソフトだけ先行発売しPS VRへの対応は後日対応、といったソフトもある。
個人的に期待しているのは、グランツーリスモSPORTで、ハンドルコントローラーと組み合わせればほぼ実写を運転している環境が出来上がると考えられる。
また、エースコンバット7は発売日未定ながらも対応が表明されている。これも実機操縦の感覚を体験できると考えられるだけに、機体は高まる。
PS VRは、そのデバイス自体にGPUが内蔵されている事が判明していて、従来のPS4で何ら問題のないVR体験が可能になる。これだけでもXbox One系よりずっと有利と言えるが、このPS4にはもう一つ、大きな発表がE3にて行われた。
高機能版PS4
この大きな発表というのが、ハイエンドPS4の存在であり、今回公式として発売計画が存在する事が発表された。
但し、それはPS5ではないし、あくまでも現行PS4の高機能版という位置付けである事が強調された。
つまり、高機能版PS4オンリータイトルの発売はない、という事であり、あくまでもグラフィック機能が強化されたり、フレームレートが向上したりする程度のものでしかない、というのである。
もともとPlayStation Neoという仮称で噂になっていたものだが、このハイエンドPS4が現行PS4に置き換わるものではない、という事が今回正式に発表されたという事である。
ただ…これは私個人の思っている事だが、私はこのハイエンド版PS4はその後従来機種のPS4に置き換わる存在になるのではないかと思っている。
というのは、ハードウェアというのは年々高機能化して、価格は据え置きという流れになる。これは従来の歴史がそうであったからなのだが、機能が製造現行品より下回るとどうしても価格は廉価していく。そういう流れになると、その時のトレンドはより高性能な技術をベースにしたものに移行していくワケで、当然ソフトウェア開発の中心はハイエンド版を中核に展開していく事になる。その時には現状製品は低機能となり、現状開発ソフトの足枷になっていく事は明白で、最初にただのハイエンド版だと言っていた高機能版は、付加価値を与える存在から標準の存在へと変化していく。
いくら今の段階でそんな事はない、と言っていても、状況が変わっていくのである。
それが今までの歴史であり、結果である。
果たして今回SCEが言っているような枠にハイエンド版PS4が収まっているのか?
そこは私としては注意深く見ていきたい部分である。
コンシューマ機はPS3世代の頃とは様相がかなりかわりはじめた。
PCも16nmプロセスがGPUに下りてきた今、変化を見せ始めた。
従来とは異なる動きだけに、今までの常識は通用しない…そんな見えない状況の中未来を見通すのは非常に難しい。
メーカーは旧来の顧客を確保しつつ、進化を遂げる製品を受け入れていく秘策を必要としているのかも知れない。