国内エレクトロニクスショーが幕張メッセで開催中。
27型8K HDRディスプレイ
そのCEATEC JAPAN 2016のシャープブースで、27型8KのHDRディスプレイが展示されている。
仕様は解像度が7,680×4,320ドットで画素密度は326ppi、リフレッシュレートは120Hzで、輝度は1,000cd平方m、駆動方式はIPSというディスプレイで、要するに以前AppleがiPhoneで実現した網膜ディスプレイをPCに持ち込んだような性能を持つディスプレイに仕上がっている。
現状、これだけの解像度とリフレッシュレートを単一で伝送するケーブルが存在しないため、この展示機は複数のケーブルで接続されているようだが、これが近未来のディスプレイである事は間違いないと思う。
PC Watch イベントレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1023147.html
この展示機はシャープお得意のIGZOディスプレイとの事だが、スマホの世界では現在有機ELディスプレイの方向に向かっている。
有機ELディスプレイの方が薄くできるというメリットがあるという事と、最終的な電力低下が望めるという事で、そちらにアップルも注目しているという話のようだが、シャープはあくまでもIGZOディスプレイで勝負を続けるという事なのだろうか?
まぁ、こちらにも技術的優位な部分もあるのだろうから、その強みを活かしていくのは悪い事ではないが、有機ELディスプレイでもIGZO技術は活用できるわけで、早い所そちらにシフトしてしまった方が世界と戦う上では有利なような気がするのだが…。
四角である事を捨てた液晶
シャープの液晶技術は、既に液晶を四角という形から開放しているが、今回のCEATECでもその展示が行われているようである。
車載用として検討されている円形の液晶や、角が丸く処理されたスマホ用液晶、あと最近注目を浴びているVRヘッドセット用液晶など、液晶もすでにその形を四角という枠から外れていく事を想定した展示が行われている。
確かに形をいろいろと変えられる事で、そのプロダクトの許される枠一杯に液晶表示が可能というのは、訴求力があるように思う。
特にVRヘッドセットなどは、視界をどれだけ広くとれるかという所が一つのポイントでもあり、その没入感はかなり変わってくるように思う。
個人的には、この四角い形を捨てた液晶と、今度は凹凸を持たせられる液晶という技術が重なり合ったときに、大きな変化が訪れるように思っている。
たとえば車で言うなら、ハンドル周りのインパネ全体が液晶になり、あたかも車の前面全てを見ながら運転できるとか…ま、これはこれで今度は運転に恐怖を感じるようになるかもしれないが、少なくともアラウンドビューという技術と、これら形に捕らわれない液晶が重なると、まるでボディを透過した環境で運転できるようになるのではないかと思っている。
もちろん、これらは何も車に限った話ではなく、いろんな所で活用できるだろうし、スマホに転用すれば、全面液晶のモデルも登場しかねないワケで、考えればまだまだイロイロ出てきそうな話である。
液晶もまだまだ先はわからない。
有機ELパネルとの技術的差異が今後どうなるかというのも気になるが、まだまだ革新していく余地のある話だけに、今後も面白いプロダクトが登場する事を期待していきたい。