ようやく正式名称が発表。
C/N:Summit Ridge
コードネームSummit Ridgeと呼ばれる、AMD次期主力CPUのデスクトップモデルの正式名称が“RYZEN”(ライゼンと読むらしい)と発表された。以前から噂されていたように、今回2017年第1四半期に登場するRYZENは、最上位モデルが8コア16スレッドという製品になり、その動作クロックは現時点で3.4GHz以上、L2とL3キャッシュを合わせると20MBにも及ぶキャッシュメモリを搭載する製品となる。
もちろん、これが最上位モデルであるから、そこから下にいろいろなモデルが投入される事になるのだが、現時点ではまだその詳細はわからない。
ただ、このRYZENと呼ばれるCPUは、従来のCPUよりもより高度な制御を行って、より効率的な処理を可能とするCPUになるという。
その基本的な技術はSenseMI Technologyと呼ばれる5つの要素技術に裏付けられていて、このSenseMI Technologyは合計数百個とも言われる電圧・電流、そして温度の各種センサーをプロセッサ内に搭載し、そのデータからリアルタイムに各種に適応させる内部操作処理を行う技術を指す。
Intelのコアでも似たような処理はしているかもしれないが、センサーによって得た情報からクロックをブーストさせたり、より低電力でパフォーマンスを向上させたりといった事をきめ細かく制御して実行していくという。
これがライバルでは100MHz単位での制御であるところ、RYZENでは25MHz単位で制御していくとの事で、より実行レベルでワットパフォーマンスを稼ぎに行くCPUになっているようである。
価格はどうなる?
以前からの噂では、ノーマルのSummit Ridgeは300ドルちょっとぐらいの価格に落ち着くような感じだったが、まだ具体的な所は見えていない。
ただ、より高クロックで動作させられる個体に関しては500ドル程度の価格になる事は明言していたわけで、この辺りにズレはないのではないかと予測する。
ただ、今回ハッキリわかった事は「TDP 140WのCore i7-6900Kと同等の性能を、TDP 95Wで実現している」という事。
つまり、Intelの価格と並ぶようならRYZENの最上位モデルはかなり高価なCPUになる。しかし、AMDは価格で勝負するような事も言っていたりするので、もしこれが40,000円弱くらいの価格でCore i7-6900Kと同等の性能を実現したりするようなら、業界的には一気に価格破壊である。
しかも、ライバルとなるIntelのKabylakeは、現時点でSkylakeとはクロック差しか性能差がない事がある程度見えている(搭載するテクノリジーが同じ)し、何よりIntelのハイエンドコアはモノによって世代が最新より一つ手前だったりもする。特にサーバ関係のコアは世代が最新でない事がほとんどなので、AMDからすればそこも一つのアドバンテージになる。
複数の方向性から考えてもAMD有利な状況であり、ライバルが停滞している今こそ絶好のチャンスである。
ハイエンドからミドルハイまでのシェアを奪えるかどうかは、あとは価格だけ、といった所ではないかと思う。
個人的には、お手頃価格でCore i7-6850Kと同等程度のコアが発売されれば良いなぁ…と思っているのだが。
果たしてどうなる事やら。