昨年から引き続き人気衰えず。
本家よりも扱いやすい
昨年、ファミコンソフト30本を収録した「ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ」が発売され、一時品切れになるほどの人気を博したが、その勢いはまだ収まっていないように思える。
海外でも同じようにミニNESが発売され、同じように店頭から瞬殺するという状況があり、日本国内と同じ人気ぶりに、本格的にレトロゲームブームが訪れたと言える状況が続いている。
実際、ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータを分解する猛者が現れ、いざ中身を調べて見ると、使われているコアはARMコアのしかもクアッドコアだというから驚きである。
処理能力から考えても、オリジナルのファミコンの数百倍とも言える能力をもつミニファミコンだけに、これはひょっとしてスーパーファミコンの復刻版も出るのでは? と期待する人も少なくはないのではないかと思う。何を隠そう、私もその一人である。
そんな中、任天堂からではない別の企業「JNNEX」から“Retro-bit GENERATIONS”というファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイのタイトルを収録した、レトロゲーム80本が収録されたコンシューマ機が登場した。
筐体を見ると、USBポートが2つ並び、そこに付属のコントローラーを接続するようになっている。このコントローラーの仕様がどのような仕様かはわからないが、場合によっては市販のコントローラーがそのまま使えるかもしれないし、配線が解れば変換コネクタをつくる事も可能だろう。
映像出力はHDMIとコンポジットの2種類が用意されており、最近の液晶テレビにデジタル接続できるあたりは重宝しそうである。
電源はACアダプタからの供給で、本体に付属する。
そしてゲームのセーブデータは本体にも保存できれば、SDカードにも保存できるというところが有り難い。収録しているタイトルに違いはあるが、ハードウェアとしては本家よりも扱いやすいのではないかと思われる。
付属品は専用コントローラー2個、ACアダプタ、AVケーブルの3つ。HDMIケーブルは別売りだが、オススメはHDMI接続である事は言うまでもない。
魅惑のラインナップ
さて、この“Retro-bit GENERATIONS”だが、収録されているタイトルが実に魅惑的。
イメージファイト、エクセリオン、ジッピーレース、シティコネクション、SUPER R-TYPE、忍者じゃじゃ丸くん、フォーメーションZ、迷宮島、燃えろ!!プロ野球など、実に多彩で、ニンテンドーから発売した本家とはまた違った作品が名を連ねる。
個人的にはスーパーファミコンのタイトルには良作が非常に多いため、ニンテンドーも本家スーパーファミコンミニを発売するのではないかと思っているのだが、国内販売元のJNNEXからは、どうも第2弾、第3弾の“Retro-bit GENERATIONS”も近日発売予定らしい。
JNNEX
http://jnnex.co.jp/generations.html (既にリンク切れ)
本家も発売するかもしれないが、外様も発売予定となると…それこそソフト権利の争奪戦になったりしないのか? と思ったりもする。
まぁ、権利元からすれば、どの製品にも収録してくれればそれだけ権利料が入ることにはなるが、発売元や販売元からすると顧客を割る事になるため、結局は権利の争奪戦が繰り広げられる可能性はある。
ソフトパワー
そろそろ気付いているとは思うが、任天堂の強さはまさしくこのソフトの力であり、かつて圧倒的シェアを持っていたハードで発売されるソフトは、プレイヤー世代が変わってしまった今、全くの新作ソフトと同じ魅力を持っていて、それが今世代のプレイヤーには新鮮に見えるところに意味がある。
しかも昔のソフトは最近のタイトルから比べて表現力が乏しいため、あらゆるものが記号化されている。この記号化がよりゲームを際立たせる事となり、原点の面白さがあるのである。
こういうソフトパワーは何も任天堂だけの話ではない。
日本では、世界でも稀なほど多彩なソフトが作られ、販売されていた。
最終的にはエミュレーションでも何でもよいので、こうした今は朽ちてしまったソフトを現世代ハードで再現し、販売する事でゲームそのものを原点回帰させる事もできるのではないかと思う。
それこそ、X68000のソフトだって正式に発売しても良いように思うし、そこにかつてのMIDI音源のエミュレーションも加えれば、更なる魅力がついて回るように思うのだが、如何だろうか?
まぁ…PlayStationではアーケードアーカイブスシリーズで復刻しているが、Steamで販売するのもアリではないかと思うし、やり方はいろいろある。
このレトロブームはおそらくまだしばらくは続くだろうから、原点に還った面白さをもっと広く展開して欲しいと思う。