やはりVegaに期待したい。
その前にRX 500シリーズ
3月頭から、PC関係の話題として常にその前が登場しているRyzenだが、私としてはそのRyzenの次に来るモノを今から待ち望んでいる。
RyzenはCPUだから、ちょっとベクトルが違うと言われてしまうかも知れないが、やはり次はGPU、しかもNVIDIAの最高峰と渡り合えるだけのハイスペックな仕様になると言われているVegaが気になる所である。
しかし、今出ている噂では4月18日にRadeon RX 500シリーズが登場すると言われている。残念ながら、コイツはVegaシリーズのコアではなく、現世代コアのPolarisアーキテクチャのGPUであり、基本的には現行のRX 480や470の周波数を引き上げたもの、と言われている。
能力的には、RX 480はGeForce GTX 970と同等程度だったため、それよりも周波数が引き上がっている分、RX 580はGeForce GTX 980に並ぶぐらいになったか、という程度だと思う。
だが、GeForce GTX 980は既に前世代コアであるため、現世代のコアでいえばGeForce GTX 1060程度、或いはそれ以上になれば御の字という性能ではないかと予測される。
おそらく、部分的には1060を超えるかも知れないが、全体的にはまだ1060を超えられない…RX 580はそのレンジに収まるGPUではないかと考えられる。
Vegaの推定スペック
3月に、VegaのES品ではないかと思われるGPUが出回っている事が噂された。
OpenCLとCUDAによるGPGPUの性能指標となる「CompBench」というベンチマークに「AMD 687F:C1」という名がランクインしていたのである。
その性能は、GeForce GTX 1080に迫るものであり、GPGPUの性能でいえば1080と980Tiの間に収まる性能である(1070はシェーダプロセッサが少ないためGPGPUでは伸び悩む)。
となると、予想されるのはこの「AMD 687F:C1」はAMD RX Vegaではないか? となる。
もともと、NVIDIAほどの最上位コアを作るよりは、その下のコアをデュアルで搭載して性能達成する方が低コストだという流れがAMDにはある。そう考えれば、「AMD 687F:C1」がVegaである可能性は十二分にある。
仮にこの「AMD 687F:C1」がVegaだとするなら、性能的には最終的チューンなどを経て1080と同等性能という所だろうか。
問題は、その時の価格である。
1080は価格改定で499ドルという価格が現在の価格になるが、Vegaはこの価格より安くならないと広まらないと私は予想する。というのは、残念だがRadeonは一般的にGeForceよりも性能が伸び悩む傾向がある。これはソフトウェアのチューンがNVIDIAほど進んでいないからである。性能が下回るのに同価格で買うという人はいない。となると、やはりAMDは価格で勝負してくる事になる可能性がある。
もしその流れなら…私的には大歓迎なのだが…。
Radeonに注目する理由
私が今回Radeonに注目している理由は、私が次にメインPCとして組むとした場合、Ryzenを中核としたPCにしたいと考えているから…という理由だけではない。
先日、Xbox One Sの次にくるProject Scorpioの話をしたと思うが、そのProject ScorpioがWindowsコンソールの立ち位置に来るとしたら、AMD系コア(CPUやGPUすべて)がプログラム的処理に優位になる可能性がある、と考えているからだ。
もっとも、DirectX 12となると既にNVIDIAでも対応しているものであるから、Radeonが優位になるとは言えない話ではあるが、ゲームベンダは常にオーバーヘッドの小さいAPIを望んでいて、AMDはそもそもその先駆けとも言えるMantleというAPIを生み出した経緯がある(現在はVulkanが登場したため開発を辞めてしまっている)。
それらに全て対応しているのはRadeonであり、常にRadeonは性能的に化ける可能性を秘めている。このチャンスは今後どのような変化を辿っていくかはまだ分らないが、現時点でNVIDIAのそれぞれのGPUに性能で並んでいるとするなら、Radeonはそのチャンスが巡ってきた時に大きな飛躍をする事になる。
また、もう一つは映像関係でRadeonはドライバレベルでフレーム補完を持っているというのも、私的には欲しい機能の一つであり、それはRadeonでなければ現在は達成できない機能である。
この事から、RadeonでPCを組みたいと思っていたところ、Ryzenが加わり、今正にその流れに来ているというわけである。
ここまでAMDに傾倒できるタイミングというのは、そうそうないのではないかと思う。
あとは価格的な問題だけだが、もしRX Vegaの価格がどうしても高すぎる、という話になれば、仮に価格的RX 580が異常に安く提供されるような状態になったなら、このRX 580をCrossFire Xで接続して高性能化する、という手もある。
RX 480なら既に2万円台で購入できる事から、比較的安価でCrossFire Xの環境が作れる事から、考え方はいろいろあると言える。
Vegaの動向を気にしつつ、この先のプランをいろいろと考えていきたい。