3種のSKUが存在する模様。
まだ基本はNVIDIA優勢か?
AMDの次期ハイエンドグラフィックスアーキテクチャ“Vega”だが、3種類の製品を用意しているようで、Device IDが漏洩したようである。
687F:C1、687F:C2、687F:C3の3種がそのDevice IDで、それぞれ687F:C3が水冷、687F:C2が大型FAN搭載空冷、687F:C1が空冷と目されている。
もしこれらの製品がRadeon R9シリーズと同様の構成を取るならば、687F:C3がRadeon R9 Fury X相当、687F:C2がRadeon R9 Fury相当、687F:C1がRadeon R9 Nano相当になる…と考えられる。
もっとも、AMDがnanoの後継製品を出すかどうかは現時点でまだ分からないが、nanoは比較的人気製品だったため、可能性としてはあり得る話である。
気になるのはその性能だが、今の所Vegaはフルスペックで、32bit時で12.5 TFLOPS、16bit時で25 TFLOPSという性能を持つと言われている。
ただ、実際はどうなのか? という話になると、このAMDの主張を裏付けるものが見えてこないとホントのその性能はわからない。
今回話題となったは、3DMark TimeSpyのスコアで言うと、前述の3種のSKUの中で最下位のSKUであっても、GeForce GTX 1070を超えるものになりそうだという事が見えてきたということである。
絶対性能で言えば、ようやくNVIDIAと並んだか、多少超えてきたかと言えるのかもしれないが、よくよく考えて欲しいのはVegaは8GBのHBM2を搭載した性能だという事である。
今回の3種のSKU全てで8GBのHBM2を搭載しているという事らしいが、要するに広帯域メモリを使ってようやくNVIDIAにちょっとだけ性能を超えてきたというワケで、もしNVIDIAが同じようにHBM2を使用したならば、やはりNVIDIAが優勢になる、という可能性がある。
AMDが当初言っていた優位性から比べると、随分とコンパクトに話が収まってしまったな、という感じがしないでもないが、それだけNVIDIAのアーキテクチャがまだ優位にある、という事なのかもしれない。
あとは価格次第
Vegaの性能はある程度見えてきた。
となると、次に気になるのはその価格ではないだろうか?
GeForce GTX 1080が現在499ドルという価格設定になったワケだが、Vegaはそれと同じかもっと安くならないと、市場に根付くのは難しいように思う。
このGW中では、GeForce GTX 1080がGW特価で60,000円を切る価格で店頭販売されているという事実があるようだが、少なくともそれと同額、あわよくば5万円前後くらいの価格でVegaが発売されないと、結構厳しいのではないかと私は思う。何しろ1070よりは上としながらも、1080との比較においては絶対的に上とは言っていないのだから。
…まぁ、価格については多少私の希望的なところも含めてではあるが、1070の価格などを考えれば、まだ安くても不思議ではない。
第2四半期で発表する、としている事から、そろそろそういったコストの話も含めて情報が流れてくるのではないかと思う。
性能的な部分や製品が少なくとも3種類存在する、という事は間違いなさそうなので、今はその後の続報を待ちたい。
AMDには、CPUに続いてGPUでも業界を引っかき回して欲しいと思う。