世の中にはイロイロ試す人がいるものだ。
ポメラでLinux起動
キングジムから発売されているポメラDM200でLinuxを動作させた人がいる。
EKESETE.netと呼ばれる個人のブログの中の人だが、実は私はそれほど驚いてはいない。
というのも、もともとポメラDM200はLinuxが動作しても不思議ではないスペックを持っていたからだ。
CPUにはRockchip RK3128というクァッドコアのARM Cortex-A7MP仕様が搭載されているし、512MBのDRAMメモリ、4GBの不揮発性メモリなどが搭載されている事を考えれば、Linuxが動作しても何ら不思議ではない。
しかし、実際にはそんなに簡単にLinuxが動作するはずもなく、誰もがDM200でLinuxを走らせる事ができるとも言えない。何かしらの抜け道を見つけ、起動させる為の方法を見つけない限り、ポメラでLinuxが走るようになる訳がない。
そういう意味では、確かにEKESETE.netと呼ばれる個人のブログの中の人は凄い事をしたのではないかと思う。
ただ、こうした事は多分に人柱要素が多い為、人柱覚悟でこうした実験をした事そのものはとても価値のある事だと思う。
impress PC Watch やじうまWatch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1071013.html
ARM
こうして考えて見ると、ホントにARMコアが搭載されているデバイスが多い事を思い知る。
スマホ関係はほぼARMだし、ニンテンドー3DSもARMである。探せばもっといろんなARMデバイスが見つかるだろう。
そのARMをSoftBankが買収したワケだが、SoftBankは来たる未来の為に買収したと言われている。省電力でも動作するARMを利用して、IoT分野に利用するつもりらしい。
その為に、大元のARMを買うとか、スケールがデカすぎる話だが、このARMの買収は今までのSoftBankの買収とは事情がちょっと異なる。
SoftBankが過去ケータイ事業に入る為にJ-Phone(Vodafone)を買収した時も、その内情は売上が落ち込み事業継続が厳しいという会社をSoftBankが買収、そこから売上を伸ばしてきた。そして米国スプリントを買収した時もスプリント自体の売上が伸びず、厳しい経営状態の所をSoftBankが買収、そこで経営改革を行って売上を伸ばすという展開だった。
つまり、SoftBankは従来そうした経営的に厳しい企業を買収して市場を開拓してきたが、ARMの買収だけは従来の図式に当てはまらない。そもそもARMそのものの売上は決して低くはなかったのだ。
だからSoftBankはARMを買収した後、ARMの業績を劇的に伸ばすという事は従来の企業のようには進まないと考えられる。果たしてSoftBankはARMを買収した事で、そのARMという企業の価値をどのように拡張していくのか、気になる所である。
でも、ARMはもともとAcorn Computers、Apple、VLSI Technologyの3社によるベンチャー企業から始まった企業なワケだが、Apple資本の会社をSoftBankが買収という形になったのは、何か因縁めいたものを感じるのは私の気のせいだろうか。