AMDよ、早く追いついてくれ…。
12nm LPの第2世代Ryzen
AMDが第2世代のRyzenとRadeon VegaをGlobalFoundriesの12nm LP FinFETプロセスで製造するようだ。
12nm LP FinFETは、GlobalFoundriesが14nm LPPを基本としてシュリンクしたプロセスのようで、おそらく14nmプロセスを光学的にシュリンクしたものと考えられる。
この12nm LP FinFET化で、16nm FinFETと比較してトランジスタの15%の高密度化、10%の性能向上を見込んでいるようだが、正直、こういうのは実際に通電させてみない事にはわからない。
何故なら、最近はシュリンクしたとしても単純に省電力化できるわけではなく、逆に使われる電力が集中する事による部分的な高熱化を想定する必要があり、必ずしも高性能化に直結するとは限らない。
単純にこのプロセスを使用する事で既存のRyzenが10%高性能化したとすれば、ひょっとしたら現時点でのシングルコア性能はIntelコアに追いつくかもしれないが、それこそ実際にベンチマークで図ってみないことにはわからない話である。
Radeon Vegaシリーズの場合は、元々があまり発熱しないと言われているGPUでもあった為、シュリンクによる省電力化で場合によってはパフォーマンスアップするかもしれない。まぁ、それでもここ最近のアタリGPUと言われているNVIDIAのPascalコアと勝負して、マトモに勝てるとは思えないが。
問題は登場時期
この12nm LP FinFET化による新世代Ryzenだが、現時点では2018年上半期に登場する、と言われている。
だが…上半期というのは、1月1日~6月30日までの半年を言うので、期間としての幅は恐ろしく長い。
私のようにメインPC入れ替えを視野に入れている者が、年末から新年にかけてそのタイミングを見計らっているとした場合、2018年上半期に登場するから、と言われても、それが1月の事なら購入を視野に入れられるが、6月になるとなれば、購入を躊躇う可能性もある。
せめて四半期の数え方で登場時期を説明してくれればいいのだが、上半期という話はちょっと幅がありすぎて…判断が付かない。
私としては、IntelのCoffee Lake-Sの8コア版が2018年初めに登場するという噂を信じて考えるに、このCoffee Lake-Sの8コア版と12nm版Ryzenのどちらが早いかが、AMDに移行するかIntelに残留するかの一つの山場になるように思っている。
…まぁ、価格がいくらになるかも問題ではあるが、Intelがメインストリームで8コアを出してくれば、当然その価格はRyzen7と同等になるだろうから、8コアだからバカ高すぎる、といった事は今後のIntelでは考えにくいのではないかと思っている(流石に10コア以上になると高くはなるだろうが…)。
また、それと同時にRadeon RX Vegaが12nm化してくれればさらに良い。
9月下旬に既存のRadeon RX Vegaシリーズのベンダーデザイン製品が出回る、という話があったが、それが出荷遅延等の問題で10月中旬にズレ込むという話が出ている。
出荷遅延が出ている最大の理由は、イールドの低さによるもので、歩留りがとにかく悪いのが問題。12nm化によってイールド向上を狙っている側面もあるため、AMD側としては早々に12nmへ移行したいという思惑があるはずだ。
というわけで、希望的観測だが、2018年の2月くらいには12nm化の話が現実になってくれるといいな、と思っている。また同時にCoffee Lake-Sの8コアが同時期ならなおのこと良い。それで比較検討する幅が生まれる。ま、私の希望だけの話だが。
AMD Radeonを選ぶ理由
さて…以前からこのBlogで書いている事なので、今更という話でもあるのだが、私自身の備忘録を兼ねてあえて再び書く事にするが、私が今回Radeon RX Vega系のディスクリートGPUを導入したい最大の理由は「Fluid Motion」という機能を使いたいが故である。
「Fluid Motion」は、動画再生支援機能の事で、秒間24フレームや30フレームの動画をRadeonの処理を使って秒間60フレームにする機能の事である。
ソフトウェアで補完するものもあるが、Radeonはこれをドライバレベルで実装していて、PowerDVDなどの市販ソフトで利用可能にしている。
ただ、これが有料ソフトだけの対応という事ではなく、無料プラグインソフトでその機能を使えるようにする事もでき「Media Player Classic」でそのプラグインを使う事で、秒間60フレーム再生が可能になる。
PCでよく動画を観る人であれば、この機能があるというだけでも相当なメリットがあるハズで、この「Fluid Motion」は「Media Player Classic」にYouTubeのURLを入力して再生しても機能する。
何故かNVIDIA製GPUにはこの機能は提供されておらず、現状ではRadeon一択の機能である事から、この為だけにRadeonを選択する人もいる。
今回、私としてもこの機能が目当てで従来NVIDIAを使い続けてきたところからRadeonに変更しようとしているのである。
ただ、以前から言っているように、NVIDIAのPascalコアはGPUとしては非常に優れた性能を持っていて、高性能省電力を地で行くGPUなだけに、動画補完機能をどうしても必要としない場合は、Pascal系コアを選択するという手もある。
…ま、普通はNVIDIAのPascal系コアを選んでおけば間違いはないだろう。
とにかく、限られた情報の中から半年後くらいの予定を組み立てては崩しての繰り返しである。
考えている内が華、という事もあるかもしれないが、そろそろ形にしたい所でもある。