起きる前は凄い事になっていたが…。
黒点爆発
9月6日、太陽に発生した大きな黒点周辺で大規模な爆発現象が起きた。この爆発の事を太陽フレアというが、この太陽フレアによって膨大な電磁波が地球に放出され、高エネルギー荷電粒子が地球に到達、その影響であらゆる電子機器に影響が出るという話で、爆発前にはちょっとした話題になった。太陽フレアが大きければ大きいほどこの影響は大きく、今回はあらゆる電子機器に影響を与え大事件になるのではないか? なんて話もあった。
そして9月8日には、実際にその電磁波が地球に降り注いだわけだが、9月8日、私は普通に生活をしていた記憶しか無い。
実際には、GPSの誤差が最大で3倍ほどに増大していたようで、通常は東西南北方向で±2m程度、上下方向で5m程度の誤差の所、9月8日には南北で±7m、東西で±3m。上下方向で±15mの誤差にまで増加していたという。
…だが、それでも私は普通に生活していたし、別段問題となるような状況に陥る事はなかった。
もちろん、世界のあらゆる地域で影響は異なるだろうが、私が見聞きしている限り、世界中で今回の太陽フレアによって大問題が発生した、という話は聞いていない。
にも関わらず、事件発生前はまるで電子機器に頼る現在の生活の壊滅的事件が起きるぐらいの話が行われていたわけだが、さて、何故そんな大それた話にまで膨れあがったのだろうか?
太陽の影響
地球に住む人間にとって太陽の影響は計り知れない。
特に四季と呼ばれる日本に住んでいるとよく分かるが、地軸がたった23.4度傾いているだけで、夏と冬の寒暖差が生まれる(実際はそれだけの影響ではないが…)。
実際、太陽から与えられる光量、熱量、放射線量で、地球上の生活環境が激変するワケで、その影響の大きさは侮れないものがあるのだが、今回の太陽フレアの影響は、そうした地球における太陽の影響を考えた際に、起こり得る影響を最大限に過大評価した結果、あのような大きな話に膨れあがったのではないだろうか?
実際は、思った程ではなかったのかもしれないが、今まであまり経験してこなかった事だけに、最大公倍数的な表現になったと考えられる。
実際、太陽フレアの大きさは通常1~10万km程度あり、その威力は水素爆弾10万~1億個相当という話を聞くと、確かにその影響は大きなものに違いない、と考えても無理のない話である。まして今回は通常の太陽フレアの1,000倍の規模になるという話であればなおのことである。
現在の人間社会は、高度に電子機器がサポートする世界だけに、そうした機器に電磁波が影響を与える事を考えると、こうした心配が大きくなるのも理解する事はできるが、あまりにも大きく騒ぎ好きたように思えてならない。
もし、実生活に影響があったよ、という人がいたら、どんな影響があったのか教えてもらいたいぐらい、私には何ら影響はなかった。
GPS以外に、どんな影響があったのだろうか?
ネットで調べて見ると、どうも発生した太陽風の影響で低緯度地域でもオーロラらしきものが観測されたらしい。実際、オーロラとは言い難くでも空が明るくなるような現象が発生し、なんと北海道でもそうした現象が観測されたという。
…結局、現時点ではそれぐらいの影響のようである。
科学的には注目される
現在の太陽は約11年周期で黒点の数や面積を増減させていて、放射活動を変動させているらしい。
このサイクルは衰退期のもので、あと10億年ほどすると太陽は燃え尽きるとも言われている。
今まで46億年ほど燃えているのだから、それと比較すれば確かに衰退期にあると言えるのかも知れないが、こうした衰退期において大規模な爆発が発生するというのは、非常に特異な出来事で、科学分野では注目すべき事だという。
科学者からすれば確かに未知の領域なので、間違いなく注目すべき事とは思うが、そもそも天文的な事象はそのほとんどが未知の領域に近いものなので、通常から外れた事が起きた場合、そのほぼ全てが注目すべき事と言える。
一応、一番大きな影響は過ぎ去ったが、11日に発生した爆発の影響が本日あたり地球に影響を及ぼしているらしい。しばらくは太陽フレアの事でいろんな情報が飛び交う事になるだろうが、状況を静観していきたい。