ATOK 2018のパッケージ版は存在しない事に。
これも時代の変化か
ジャストシステムから一太郎 2018の発表が行われた。もちろん同時に新しいATOKも発表されたのだが、私のように一太郎は使わず、ATOKだけ使っているという人も多いのではないかと思う。
私のように、毎年ATOKをパッケージ版で更新するのを辞め、サブスクリプションのATOK Passportにとっとと移行してしまった人には何の影響もないが、ATOKを2年周期、3年周期で更新していた人からすると、今回のATOKの話はある意味衝撃的だったかもしれない。
その衝撃的な話というのが、ATOK 2018のパッケージ販売は行われない、という事。
今後、ATOKはATOK Passportでの提供となり、ATOK for Windows(Tech ver.31)を2018年2月1日から提供開始とするらしい。
…つまり、ATOK 2018という名称でもなくなる、という事なのかもしれない。
広辞苑 第七版
広辞苑とは言わずと知れた国語辞典のメジャー辞典で、既に国語辞典の領域を超え、百科辞典の領域に踏み込んだ60年以上の歴史を持つ辞典である。
この広辞苑の第六版が今から10年前に改訂されたわけだが、2018年1月12日に10年ぶりに改訂、第七版として発売される。
岩波書店 広辞苑 第七版
http://kojien.iwanami.co.jp/
私は、この広辞苑の第六版をATOKの辞書としてCD-ROM版を持っていて、それをPCに入れて使用している。
文字入力をする際に、その文字の意味が適切かどうか迷った時などは、この広辞苑辞書データが非常に役立つのだが、今回発表された来年の新ATOK 2018(便宜上こちらの方が書きやすいのでこのように呼称する)では、プレミアム版ユーザーはこの広辞苑第七版を利用する事ができるようになる。
入力中の文字列に対しては「電子辞書検索機能」として、入力確定後の文字列に対しては「ATOKイミクル機能」として利用出来る。
広辞苑は辞書の本自体も9,000円(提供期限までは完成記念特別価格で8,500円)と結構な額になり、CD-ROM版も似たような価格設定だったと思うが、ATOK Passport プレミアム版では月額514円(税込)で利用可能になる。
まぁ…プレミアム版でないベーシック版の価格は月額309円(税込)なので、現状がベーシック版の人が広辞苑の為にプレミアム版にする意味があるか? と問われればその人次第という言い方になるが、元々プレミアム版ユーザーであれば、追加投資なく広辞苑第七版を利用できるのは大きいかも知れない。
ちなみに私はこの広辞苑以外にも角川類語辞典を使用している。モノを書くときは、結構役立つのだよ…。
パッケージ版の行方
問題はこのようなサブスクリプション版への移行に対してパッケージ版を使用していた人である。
2年毎、3年毎に更新していた人からすると、大幅な増額となってしまう今後のATOKだが、とりあえずATOK 2017のパッケージ版販売は継続するようである。
ただ、ATOK 2017はディープラーニング機能としてオンライン機能を持つATOKだが、電子辞書機能として広辞苑第七版は多分使えないと思う。
事実上値上げじゃないか、と反発する人もいるかもしれないが、全くその通りで、恐らく私としてはJustsystemの売上の為にATOK Passportに一本化したのではないかと思っている。
最近では、いろんなものがサブスクリプション化していて、確実に収益を上げている。そうした背景から、ATOKという日本語を扱う人であれば便利になる機能にそれだけの付加価値がある、と考えれば、今回のサブスクリプション化は避けて通れなかった道ではないかと思っている。
もしATOKのサブスクリプション化に納得できないというのであれば、Google日本語入力へと移行するのも手である。Google日本語入力も、ある意味ディープラーニングによるWeb情報の利用で入力補佐をしているので、イマドキの言葉を使う意味では利用価値の高い機能だと思う。
だが、それではATOKとは全く異なる!…というのであれば、今回の流れを受け止めるか、或いはATOK 2017をとりあえずしばらく使ってみるか、この二択にしかならない。
消費者サイドとしては安く使いたいという気持ちは私も理解するが、そもそもこのATOKという機能を開発する会社が立ちゆかなくなり、存続出来なくなる事の方が被害が大きい。それこそ選択肢なくしてGoogle日本語行きである。
そのアタリで納得するしかないと思うが…あとは使う側の考え方一つである。