縦解像度がもっと高ければ…。
QLED
Samsungが6月に発表した49型ウルトラワイド曲面液晶ディスプレイ「CHG90」が、業界ではじめてDisplayHDR 600準拠の認定を受けたと発表した。DisplayHDRは、VESAが策定するオープン規格で、HDRにおける輝度やコントラスト比などを厳密に規定している規格になる。
「CHG90」が搭載するパネルは、QLED量子ドットテクノロジーを採用したもので、一般的にはOLED(有機EL)パネルよりも今後普及していくと言われているパネルになる。「CHG90」は、このQLEDパネルを1800Rで湾曲させた曲面ディスプレイを採用していて、アスペクト比32:9という、一般的なウルトラワイド液晶の21:9を遙かに超える横長比率のディスプレイとなっている。解像度は3,840×1,080ドットで、リフレッシュレートは144Hz、応答速度1msと非常に高速な描画が可能で、AMDのFreeSync2をサポートしている。
パネルはQLEDらしく高ダイナミックレンジで、sRGBで125%、DCI-P3で95%の広色域表示に対応している。
搭載するインターフェースはHDMI×2、DisplayPort×1、ミニDisplayPort×1、オーディオ入力×1、ヘッドフォンジャック×1、USBハブ機能を持つ。
また、これだけ横長比率である事を利用した、ピクチャーバイピクチャー機能を搭載し、2つの入力信号を同時に表示させる事が可能になっている。ま、フルHDをそのまんま2画面繋いだだけの解像度があるため、意外とピクチャーバイピクチャー機能は使いやすいと言えるかも知れない。
縦解像度が…
個人的に、この「CHG90」のコンセプトは嫌いではない。
4Kモニターを私が使わない最大の理由は、通常のWindowsの画面を広く使うという目的と今の4Kモニターは異なるベクトルを持っているように感じているからで、もし4Kという高解像度をデスクトップの広さとして使う場合、多分40型近いパネルの大きさがないと使いづらいと感じているからである。
それならば、34型クラスでウルトラワイド液晶とした方が、純粋に広いデスクトップとして利用できる…これが私が導き出した結論である。
ただ「CHG90」の場合、横幅は4Kモニタと同一の3,840ドットあるものの、縦幅がフルHDと同等の1,080ドットしかないので、今一つ縦幅に狭さを感じる。
これがせめて縦幅1,440ドット、もしくは1,600ドットくらいあれば、かなり使い勝手の良いディスプレイになったのではないかと思っている。
ただ…この「CHG90」の横幅が現実的に4Kモニタと同じである事を考えると、そのまま縦幅を2,160ドットにすると55型クラスの4Kモニタになると思われるので、現実的に現時点でのサイズでもかなり大きなモニタであり、これを買うなら40型クラスの4Kモニタを買った方がいいかも…とも言えるかも知れない。
サイズ面ではそうしたマイナス要素があるが「CHG90」のポイントは、まずもってQLEDパネルを採用している事であり、今後、もっといろんなバリエーションでQLEDパネルのモニタが登場する事を期待したい。