Intelの困難は続く…。
さらに安く
Ryzenが価格改定となる。
北森瓦版
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価格改定は、一部のThreadripperとRyzen7、5の全シリーズ、Ryzen3シリーズの1300X以外が対象で、上位製品ほど値下げ幅が大きい。
Threadripperで唯一価格が下がったのは1900Xで、549ドルから449ドルに値下げされた。
他では1800Xが499ドルから349ドルへと値下げされ、いよいよミドルレンジ最高峰がもっと手の届きやすい価格帯へと移行する。
驚異的なのは、動作クロック以外の性能が1800Xと全く同じである1700が299ドルと、300ドルを下回るという事。
実際、Ryzen7 1700は人気モデルで発売後品薄が続いたモデルで、オーバークロック前提で使用する人であれば、非常に魅力的な個体となる。それが300ドルを下回るとなると、対抗するIntel製品もかなり苦戦を強いられる事が予想される。
こうなると、いくらIntel製品の方が性能が上回るとしたとしても、コストパフォーマンスで不利になる。
しかも、Intel CPUは先日、CPUの投機実行機能に関する脆弱性があるという問題が露呈した。この脆弱性に対応するため、マイクロコードレベルの修正を実施するというが、ちこうした場合の性能低下はもはやどうする事もできない。
専門家からすると、こうした小さなプログラムの修正実行では影響はあまりない、としていたとしても、余計な演算や処理をさせている事に変わりはないので、パフォーマンスの低下が起きている事実は変わらない。
そうなると、やはりユーザー心理としてはRyzenの方がいいかな? と考えてしまうのではないだろうか?
新製品投入
Ryzenはさらに新製品を2つ、投入する。
Ryzen5 2400GとRyzen3 2200Gで、ともにGPUを内蔵したAPUになる。
Ryzen5 2400Gは4コア8スレッドCPUにVega11(704sp)を1パッケージにしたもので、それが169ドルという破格で提供される。また、Ryzen3 2200Gは4コア4スレッドCPUにVega8(512sp)を1パッケージにしたもので、99ドルで提供される。
通常の使用方法であれば、Ryzen3 2200Gでも困るような性能ではないが、何と言ってもRyzen5 2400Gの価格が圧倒的に魅力的である。先日、IntelがKaby LakeとRadeonを組み合わせた、Kaby Lake-G、つまりCore i7 8809GとCore i7 870xGシリーズを発表したが、これらは価格的にもさらにずっと上を狙って行く製品といえるし、お手軽かと言われれば結構微妙な製品であった(もちろん魅力的な製品ではあるが)。
Ryzen5 2400Gはそれよりも性能は下回るかもしれないが、価格としてはさらにずっと下で導入できるコアと思われる為、導入価格の安さはかなり武器になるのではないかと思われる。
次世代が進まないIntel?
RyzenはZen+を採用した次なるRyzen2000シリーズを2018年に投入する事を既に発表しているが、Intelは虎の子の10nmプロセスにおいて未だに明確な予定が見えてきていない。
その為、Ice Lakeは2019年にズレ込む事が予想され、Canon Lakeも明確になっていないという状況にある。
ソレに比べ、AMDはRyzenの方向性を明確に打ち出したため、パッと見るとAMDの方が好調に見えるところがある。
だが、私はだからといってIntelが現在AMDに押されていると言い切るつもりはない。
これはいつものIntelの方向性とAMDの方向性の違いでもある。
AMDは、計画等を明確に打ち出しても、その計画が今まで計画通りに進んだ事はあまりない。Ryzenなどは相当に遅れたし、GPUに関してはVegaで歩留りの問題が響いている。
Intelはというと、計画がコロコロ変わる事は確かにあるが、打ち出してくる計画は比較的履行されるケースが多い。別の言い方をすると、非常に慎重に計画を打ち出し、明確な情報を可能な限り出してくる。
なので、Intelの見えない未来は、AMDと比較しても極端に悪い話というワケでなく、正確性を欠く話はできない、という現れである可能性がある。
ただ、世間的に言えばAMDのような見せ方の方がウケは良い。
この違いを、受け止める側がどう捉えるか、で評価が割れる。
この記事のタイトルはいかにも非Intelのようなタイトルにしているが、私個人としてはAMDとは攻め方が異なっているだけ、ぐらいで考えている。
ただ、直近に登場するであろう製品を見比べたとき、AMDに有利な状況が揃っているという事実はあるように見える。
私は既に新PCへと移行したので、ここ直近のハードウェア変遷は自身に影響はないと見ている。
しかし、かつての私の様にアップグレードを続けてきて、ここらへんで乗り換え…という人は、さらなる混迷の時代に突入するのではないかと思う。
選択肢が増えた、という言い方もできるかもしれないが、それら選択肢の登場時期が見えてこないというのは、実にもどかしく、また判断に迷う一因になる。
覚悟を決めるなら、早い方がいい。
まるでかつての私に言っているような気分である。