Radeon RX Vega Nanoの話はどこいった?
Vega56 Nano
PowerCoolerが「Radeon RX Vega 56 Nano Edition」を発表するらしい。
これはVega56を以前発売されていた低電力タイプのNanoモデルとして商品化したものであり、純粋なNanoと呼ばれる製品ではないようだが、昔発売されていたRadeon R9 Nanoは、フルスペックのR9の低電力版という形だっただけに、今回期待されているNanoとは異なる製品という事になる。
Vegaは基本フルスペック製品としてはVega64が存在し、その一部のコアをカットしたものとしてVega56が存在する。
今回発売するとされた製品はあくまでもVega56のNano版という事なので、フルスペック版とは言えないのだが、それでも消費電力が大きいと言われるVegaとしてはようやく本格的な低電力版が登場した、と言えるかも知れない。
だが、多くの人はフルスペックのNanoを待っているのではないだろうか?一体いつ登場するのだろう?
プロセスの微細化
今回発表されたVega 56 Nano Editionは該当しないかもしれないが、Vegaよりも微細化したプロセスでVegaが製造される可能性もまたゼロではないと考えられる。
その際、いくらかの改良を行う可能性もあるのだが、プロセスの微細化を行うことによってより低消費電力化したVegaが市場に投入される可能性は以前より言われていた。
ただ最近になってそういう話が全く出てこなくなった事で、ひょっとしたら微細化する段階で問題が浮上し、商品化が困難になっている可能性もある。
特に消費電力の大きいRadeon Vegaとしては、低消費電力版の登場は期待せずにはいられない製品になる可能性もあるが、一方ライバルであるNVIDIAは新アーキテクチャを7月にも投入する可能性があると言われているだけに、AMDのこの静けさは逆に不気味なものを感じる。
AMDのGraphics部門
個人的に心配なのは、AMDのGraphics部門の今後である。
既に周知の事実だが、Intelへと技術者が流出している情報もあり、Intelが対NVIDIAとして体制を整える上でAMDの技術陣を取り込んでいる実態を考えると、残るAMDは一体どうなってしまうのか? という事が心配になってくる。
新しい人材がちゃんとAMDに入ってきているという話もあるが、陣容が薄くなっている事は間違いない。
これでNVIDIA、そして強化されたIntelと今後戦っていく事が果たしてできるのか?
今回、Radeonを選択した私としては気になる所である。
なお、AMDによるとVegaの次に来るであろうアーキテクチャはまだ先にあるようで、その前に12nmLP採用の5.5世代アーキテクチャを採用した新GPUを2018年に投入する予定としている。
但し、これはハイエンドとは言いにくいような気がする。
おそらく、既存のハイエンドであるVega10ではなく、その廉価のVega11、もしくはさらに違うものとしてVega12と呼ばれるアーキテクチャで、搭載するメモリもHBM2を使用せず、より廉価なGDDR5ないし6を採用したビデオカードが登場するのではないかという予測である。
GPUはプロセスの微細化が進んだとしても配線層の問題から簡単に微細化すれば良いという話になりにくい。焼き直しにしてもそのアタリの更新速度は非常に遅いので、私の感覚では2018年中は、でビオカードの更新はほぼないものと見ている。