提督の決断で遊びたい…。
歴史的問題に抵触?
光栄の名作ソフトとして私が常に最上位に考えているソフトに「提督の決断」シリーズがある。
太平洋戦争を題材にしたシミュレーションゲームで、基本としては日本と米国との戦い、シリーズによってはコレにドイツと英国が加わる事になる。
しかし、この「提督の決断」シリーズは、4作目を最後にその後続編が作られていない。
おそらくその理由は、1996年に中国内で当時の首相橋本龍太郎氏の靖国参拝などが原因で「日本の右傾化」に対する抗議活動が活発化し、それに関連する形で光栄の中国子会社が中国語版を制作していた「提督の決断III」が中国国内で問題となり、中国人社員4名がこれを口実にサボタージュによる労働争議を起こし、この事で中国当局が「日本の軍国主義を美化する」ソフトを当局に無断で制作していたとして光栄に罰金刑を処した事が原因だろうと考えられる。ちなみにその時以来、光栄から「提督の決断」シリーズの新作が発売されていない。
実際、Windows版として最後に発売された「提督の決断IV」は2001年に発売され、その翌年2002年にはPS2版「提督の決断IV」が発売、その2年後の2004年にPS2版およびWindows版の廉価版であるBest版が発売されたのを最後に、タイトルそのものが発売されていない。
まぁ、光栄としても国際問題に抵触する事を恐れて、その後の新作は制作していないのだろうが、米国などは太平洋戦争を題材としたウォーゲームなど当たり前だし、それはヨーロッパ戦線でも同じだが、中国などのアジア諸国からすると、一方的に侵攻してきた日本が戦犯ゲームを制作しているという視点でしか見ていないだろうから、度し難い、という事なのかもしれない。
…ゲームなんだけど、このあたりもやはり配慮すべきという事なのだろうか。
で、それでもやはり当時の艦隊戦とか、或いは航空戦力含めたウォーゲームというのは、歴史のIFの部分に当たるわけで、それを仮想的にゲームとして遊びたいという欲求もあったりする。
もしこの欲求そのものを否定するしかないのだとしたら、世の中の娯楽の多くを自主規制するしかなくなるのだが、海戦が好きな私としては、ゲームくらい遊びたいなぁ…と思うワケである。
Windows10では動作しない
で、当時、私はこの提督の決断IVを購入、実際にプレイしていたのだが、このソフトを今でも手元に持っている。
新作が出ないので、ISO化してずっと持っているのだが、インストールそのものはWindows10にも出来たりする。
ところが実際にインストールしてみると、全くプレイできない。そもそも起動しないのである。
まぁ、使用しているDirectXの問題や、解像度の問題など、いろんな所で今の技術とかみ合わない部分があるのだろうが、Windows10の互換モードを使ったとしても、全くプレイできる気配がない。
ではどうやってプレイするか?
最初に行き着いたのは「WindowsXP専用のスタンドアローンPCを作るか?」というもの。
これはこれで一つの答えなのだが、キーボードやマウスといったインターフェースを他PCと共有化させる事が煩わしいなど、面倒な事も多いし、PCそのもののメンテナンス行為を物理的に増やさねばならないという問題もあり、できればこの方法は採りたくない。
で、次に考えたのが、仮想PCを作ってその中でWindowsXPをインストールする、というものである。
現在VMWareの個人的に使用するライセンスは無料で利用できる事から、今のWindows10のシステムの中に、VMWareを利用して仮想PCを構築し、その中にWindowsXPをインストールしてしまうという方法を考えた。イメージとしてはこんな感じ。
ただ、この方法に問題がないわけではない。
それは、仮想PCなのでDirectXが管理するデバイスをどこまでエミュレーションできているのかが分からないという事である。
なので、WindowsXPをインストールする事はできても、提督の決断IVをインストールしていざプレイしようとしてみたら、デバイスが繋がっていないとしてプレイできない可能性がある。
どちらにしても、決定打に欠ける話ではあるが、失敗しても痛くないのは、やはりVMWareでの仮想PC構築だろうか。
Windows7でもいいかもしれない
VMWareで稼働させるとするならば、WindowsXPでなくWindows7でもいいかもしれない。
もっとも、提督の決断IVを動かすとなると、Windows7でもアヤシイので、安心確実なのはWindowsXPを選択するのが正しいのだが、仮想環境を複数作れるならWindowsXPとWindows7を作ってしまって、Windows7で稼働していたソフトをもVMWareで動作させてしまうという手もある。
各OSのインストールディスクは当然必要だし、インストールする為のプロダクトキーももちろん必要だが、私のWindows7の場合、無料期間中にWindows10へとアップデートした経緯があるので、そのままのプロダクトキーを使えるかわからなかったのだが、Microsoftの公式サイトではWindows7のISOデータをダウンロードできるページがあり、そこでOSのパッケージに記載されているプロダクトキーを入力すると、イメージデータをダウンロードする事ができた。ダウンロードできたという事は、おそらくプロダクトキーそのものは生きていると思われる。
とりあえず、VMWareという選択肢はアリかもしれないと思っているので、今度実際に試してみるのも良いかもしれないと思っている。
WindowsXPに関してはSP3のディスクイメージが手元にある(当然プロダクトキーもある)し、Windows7に関しても上記リンクからイメージデータを入手できたので、VMWareで仮想PCを作成する事は可能だろうと思う。
仮想PCに64bit OSをインストールする際には、BIOS/UEFI上でIntel VT-xをONにしてやらないと起動できないという問題があるので、そのあたりはBIOS/UEFIの設定を触ってやる必要はあるかもしれないが、BIOS/UEFIの設定を触れる人であれば、このアタリは全く問題ではないだろう。
今度時間のあるときに試してみようと思う。