IntelとAMDの歴史的コラボレーション、発売。
Vega搭載のIntelマシン
Kaby Lake Gと呼ばれる、Kaby Lake RefreshとRadeon Vega Mを1パッケージに統合したCPUを搭載したNUCが遂に発売となった。
米国では日本より先に発売が始まっていたが、国内ではつい先日の24日に発売が始まり、現在はCore i7-8809G搭載の「NUC8i7HVK」と、Core i7-8705G搭載の「NUC8i7HNK」の2モデルが発売されている。それぞれ価格は税込124,800円前後、税込101,480円前後と、10万円以上の価格にはなっているが、その性能を考えればこの価格は決して高いとは言えない製品と言える。但し、これらはキットなので、この価格以外にメモリとストレージの価格が上乗せされる事に注意が必要。まぁ、それらを上乗せしても価格的にはまだ安価だとは思う。
搭載可能なPCパーツであるメモリとストレージは、それぞれメモリスロットがDDR4 SO-DIMM×2(最大32GB)と、ストレージ用インターフェイスとしてM.2 SSD×2(SATA/PCIe接続)となっている。2基のM.2 SSDによるRAID 0/1構成にも対応するから、案外と高性能機に仕上げる事も可能ではないかと思う。
他、インターフェイスとしてはMini DisplayPort 1.2、HDMI 2.0a、Thunderbolt 3、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetooth 4.2、USB 3.1 Type-C、USB 3.0、SDカードスロットを搭載しており、これ単体で完成された機能を持ち合わせていると言える。
気になる性能は?
Intel純正とは言え、こうしたNUCとなると、気になるのはその性能。
具体的にKaby Lake Gがどの程度のCPU能力とGPU能力を持ち合わせているか? という所は、ほとんどの人が気にするところではないかと思う。
その気になる所をいろいろと紹介している動画があるので紹介したい。
これを見る限り、GPUとしてはGeForce GTX 1050Tiよりは上位の性能を持ち、1060に近い性能を発揮するといえそうだ。またCPU性能としては、Intelの6コアモデルには劣るものの、順当に4コアモデルと同等の性能を持ち合わせているようなので、性能的価格で言えばやはり安い構成と言える。
ちなみにこの動画で紹介している「Kaby Lake G」の説明は一部間違っている。正式にはCPUとGPUを繋げるバスはPCI Expressで繋げられており、GPUとHBM2の接続がEMIBというのが本当のところ。ま、 テクニカルな人は気にする部分ではあるが、そうでなければあまり気にならない話ではあるが、真実としては間違っている事は言っておく。
プラットフォーム
先日、Sonyの偉い人が「PS4は最終局面にきた」みたいな発言をした。
要するに、そろそろPS5(仮)が視野に入ってきているという事を暗に示した発言なワケだが、そう考えるとコンシューマ機はどうしても世代交代の時期を気にしなければならない足枷が常について回る事になる。
ところが…この足枷が存在しないプラットフォームが一つある。
それがWindows PCであり、ゲームという事であれば、プラットフォームとしてSteamを使用しているものについては、純粋にハードウェアの性能としての限界はあるが、プラットフォーム自体に変更が起きないというメリットがある。
今回のHADES CANYONを搭載したIntel NUCは、パーツ交換によるグレードアップはあまり見込めないという弱点はあるものの、プラットフォームが変わったから動作させられないという枷は存在しない。実際動作させてみたら重すぎてゲームにならない…という事はあるかもしれないが、動かす事ができないという事はないわけである。
最近はPS4ソフトと同時にSteam版が発売されるケースが多くなってきたが、PlayStationプラットフォームがx86コアで構成されている関係から、今後このようなスタイルが増えてくる事は間違いない。
なので、ちょっと無理をしてあえてPlayStationプラットフォームではなく、Windowsでゲームをプレイするという手もアリなのかもしれない、と最近感じている。
メーカーが全ての面倒を見てくれるPlayStationプラットフォームよりもユーザーの知識が必要という問題はあるものの、自由度がその分高いというメリットもあるので、選択肢としては有だと思う。
最近のPCはやりたい事に対しての要求性能は昔ほどシビアではなくなってきているように思う。それだけCPUやGPUの性能が上がっていて、ハイエンドを求めなければソコソコ動作してしまうという状況だ。
それだけに、あえて自由度の高いWindowsへと移行してしまうという道もあるのではないかと思う。その道としてHADES CANYONという製品はかなり魅力的なのではないかと思う。