中身はほとんど8700Kと同じような感じ。
負荷をかけると素性がわかる?
先日、COMPUTEX TAIPEI 2018でIntelが発表した8086誕生40周年記念モデルである、Core i7-8086K Limited Edition(以下8086Kと略)がいよいよ発売となった。
店頭価格で税込51,780円前後との事で、8700Kよりは随分と高いイメージがあるが、これはもう記念モデル価格という位置づけで割り切るしかない。
ただ、性能対価格比はどうなのか?
気になるのはその部分である。
8086Kは前情報通り、シングルコアでの最大駆動クロックが5GHzになる。
ただ、もともと動作させるOSの中核的存在であるWindows10は、そもそもがマルチタスクOSであるため、シングルコアでの動作時間がどれだけあるのかという事を考えると、この5GHz駆動というのは、多少大げさなリップサービスになるのではないかと私は思っている。
実際、Intelのターボブーストの仕様を見てみると、1コア動作時は8700Kとは異なるが、2コア、4コア、6コア動作時のクロック周波数は全く同じ設定になっている。
つまり、マルチコア動作時であれば、8700Kとほぼ同格の性能という事になる。
このあたりを説明しているサイトがあるので、細かい事を知りたい人は参照してみると良いだろう。
AKIBA PC Hotline
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1126327.html
このサイトの情報によると、基本的には8700Kとほぼ互角であり、多少優位な側面がある、という事だけのようである。
ただ、これは恐らくまだマザーボードのBIOSやUEFIの作り込みの甘さから来る結果であって、ちゃんと最適化されれば、8086Kの方が高速動作するのではないかと考えられる。
消費電力は?
このような性能なので、今の所その消費電力も8700Kと大きな差はないようだ。
ただ、もともと高クロック動作に耐えられる仕様の8086Kなので、おそらく最終的には8700Kよりも消費電力は下がるものと思われる。元々「8086Kは8700Kの選別品」と噂された所以がここにある。
その言葉はおそらく事実であり、少ない消費電力でより高クロック動作するモデルが採用されている可能性は高い。
ただ、元々8700Kは個体差が大きいコアとも言われていて、オーバークロック耐性にも個体で相当なバラツキがあり、同時に消費電力も個体差によって大きく変わる傾向がある。
良好なコアを購入できていれば、8700Kでも8086K並、いやそれ以上に動作する可能性はあるし、ハズレを引いてしまったなら、8086Kに全く及ばないというコアである可能性もある。
Intelの14nm++プロセスは安定してきているという話ではあるが、それはあくまでもイールドの話であって、コア性能を細かく見ていけばまだまだ個体差が激しいという事なのだろう。
それでも安定して8086Kのような選別品が生産できるぐらいにはなっているのだろうから、8700Kでもアタリを引いた人は多いのではないかと思う。
どちらにしても、今から8700Kを購入するという人は、この記念モデルにあえて突貫するというのも悪くないと思う。
多少値は張るが、記念すべきモデルである事に違いはないので、検討してみてはどうだろう。