今まで二の足を踏んでいた機能を使ってみる。
まずはSUICAから
iPhone Xを購入して3ヶ月目に突入し、使い方そのものは既に慣れてきた感じはあるのだが、未だつ買っていなかった機能(アプリ)がある。
それがWalletで、以前使っていたiPhone6 PlusではSUICAが未対応だった事から、全くWalletというアプリを使っていなかった。
Walletそのものは、クレジットカードなどを登録して支払いに使用する機能は有していない。その機能はApple Payであり、Walletというアプリとはまた異なるものである。
ではWalletというアプリは一体何をするものなのかというと、飛行機の搭乗券や映画館の入場券、クーポン、ポイントカードなどのカードやパス類を纏めるアプリで、このアプリだけで支払いまで出来るというものではない。
なので、Walletというアプリは基本単体では動作しない。必ず、対になる専用アプリと紐付ける事になり、Wallet対応アプリと同時に利用する事になる。
このWalletのアプリで支払いまで行うとなると、そこにApple Payという機能を付加して使用する事になる。
通常、このApple Payで支払いする時は、支払時にTouch IDやFace IDの認証を必要とする。が、今は交通系カードの場合にこの認証をせずとも支払いができるものがある。それがSUICAであり、実はSUICAはかなり特別な仕様になっている。
もともとSUICAは「FeliCa」と呼ばれる技術のカードなのだが、このFeliCaの認証速度は世界的にも最速と言われている0.1秒で処理を行う。一方、世界的に普及しているNFC(近距離無線通信規格)はType A/Bと呼ばれるもので、こちらは最大0.5秒で処理を行う。新宿駅の改札で一人あたり0.5秒という時間を費やしていると、とてもではないが利用者を処理しきれない事になる。SUICAはもともと要求仕様が高いのである。
Appleは、このSUICAを受け入れる事でiPhoneでモバイルSuicaを利用できるようにした。これは日本のスマートフォンの約6割がiPhoneだという普及から考えて、Appleすらも譲らざるを得ない結果として、iPhoneにFeliCaチップを内蔵する事にしたという事情がある。
iPhone7から搭載されたこのFeliCaチップは、まさにこのモバイルSuicaのためだけに搭載されたと言っても過言ではない。
なので、iPhone Xに乗り換えた際には、いつかこのWalletでSUICAを使えるようにしようと思っていたのだが、ここにきてようやく登録する運びとなった。
チャージはどうする?
で、早速WalletにSUICAを登録してみた。私が持っているSUICAカードは、単純に交通で使用する機能しか有していない普通のSUICAカードなので、その情報をまるごとiPhone Xに取り込む事になるのだが、驚いたのは取り込んだ後にこのプラスチックのカードは廃棄可能と言われた事である。
しかも、iPhone Xに取り込んだ途端にSUICAのカード番号が変更になっており、同時にモバイルSuicaのアプリのインストールを促された。
おそらく、このモバイルSUICAのアプリで、SUICAにチャージする事を想定しているのだろうが、これ、絶対にモバイルSuicaのアプリからでないとチャージできないのだろうか?
試してはいないが、基本的にはモバイルSuicaのアプリからでなくとも、Apple Payでのチャージは可能なハズである。
ただ、問題はモバイルSuicaのアプリがApple Payでの決済の時に割り込んで来るのかどうかは、実際にやってみないとわからない。結局は実践しないとわからないというのは、コノ手のサービスの基本みたいなものである。
実際にやってみた
というワケで、WalletにiD対応のdカードと、Quick Pay対応のYahoo!JAPANカードを登録して、実際にモバイルSuicaの設定をせずにWalletに登録したSUICAにチャージしてみた。
通常であれば、モバイルSuicaのアプリ上でチャージするのだろうが、今回はモバイルSuicaの設定は一切やらず、Walletに登録したカード上で支払いができるかをテストした。
まず、WalletからSUICAを選択し、そこで「i」のマークをタップする。するとそこに各種情報が表示されるが、その中に「チャージ」という項目があるので、そこに入っていく。
すると金額を入力する事ができるので、チャージしたい金額を入力し、右上の「チャージ」をタップする。すると、そこからTouch IDもしくはFace IDの認証シークエンスに入るのだが、その認証を完了させる前であれば、登録したカードの切替ができる。
Walletに登録したApple Pay対応のカードを選択し、認証させるとそこで決済が完了した。
つまり、モバイルSuicaの設定などなくとも、Walletの中でApple Payによる決済でチャージはできるという事である。
正直、この状態だとモバイルSuicaアプリは何の為にインストールされたのかが全く分からないアプリになってしまっているのだが、おそらくは他のWallet対応アプリも似たような末路を辿るのではないかと思う。
恐ろしいまでに簡単に決済できてしまうWalletアプリとApple Payだが、iPhoneがあれば財布が必要なくなるという利便性は捨てがたいものがある。
逆に使いすぎてしまいそうな不安はあるものの、咄嗟に必要な決済をその場で出来てしまったりするのは、実にスピーディで扱いやすい。
とにかく現金主義の日本では海外ほどの一般性を得られない可能性はあるものの、少なくともSUICAの使い勝手は間違いないので、今後は積極的に使っていきたいところである。