20年ぶりのフルモデルチェンジ。
絶対的信頼感
ジムニーという車に関して、私はこの車を超える走破能力を持つ車を知らない。
いや、実際にはあるのかも知れないが、手軽に入手できる車としてこれだけの走破能力を持っている車は他にないと思っている。
以前、私の前々前々職くらいの話なのだが、雨が降った後の山のぬかるみの中を次々とスタックしていくパジェロやランクルの中を、唯一ぐいぐい上って行く一台の車。それがジムニーだった。
車格で言えばパジェロやランクルの方がずっと上になる。何しろ、ジムニーは軽自動車であり、他はディーゼルでも2Lを超えるエンジンを搭載する大型車だからだ。
それでも、その一番小さなジムニーを超える走破能力を見せる車が他になかったのである。
ジムニーが驚異的な走破能力を持つ最大の理由は、その車重の軽さにあり、また装備しているタイヤ幅の狭さにある。
一般的に、タイヤ幅は広い方がグリップが良いように思うかも知れないが、前進する力を効率良く伝達するという目的の場合、タイヤの接地面の形は走行方向に対して縦長の方が駆動力を伝えやすい。つまり、タイヤ径が大きく、タイヤ幅が狭いという形が、もっとも駆動力を伝えるに適したタイヤという事になる。
ジムニーは車格を考えても、そうしたタイヤを装備している唯一の車といっても良い車で、それ故に驚異的な走破能力を持つに至っている。
そうした実際の走破を見ている事もあって、私のジムニーに対する信頼感は絶対的なものである。これは事実を目の当たりにした事のある者にしかわからない話である。
無骨な姿
20年ぶりにモデルチェンジしたジムニーは、実に無骨な姿へと変わった。
いや、大昔のジムニーの方が無骨と言えば無骨なデザインなのだが、先代のジムニーがあまりにもマイルドなデザインになってしまったが故に、今回の新型は現代のテイストを組み込みつつも、その無骨さを取り戻したように思える。
現代の車らしくないその角張った姿に戻ったジムニーは、個人的にはコレこそがジムニーというスタイルになったと思う。今回は軽自動車のジムニーと小型自動車のジムニーシエラの2シリーズの展開となる。
軽自動車の方は向かしながらの0.66リッターターボエンジンを搭載し、小型自動車のシエラは1.5リッターの自然吸気エンジンを搭載する。他、副変速機を備えるパートタイム4WDを採用していて、運転支援機能となるスズキセーフティサポートをグレード別に標準装備またはオプション設定としている。
ちなみに軽自動車のジムニーは日本国内専売モデルとなり、小型自動車のシエラはグローバル展開モデルとなっている。また、装備品の違いによって、ジムニーには3モデル、シエラには2モデルのグレードが設定される。
次のメインカーとして
私は今初代のN BOXに乗っているが、そろそろ購入から6年が経過しようとしている。
まだまだ乗れるという感じがあるので、乗り換えとかは考えていないが、もし次の乗り換えを検討する場合には、このジムニーを検討しても良いかな、と思う時がある。
何より、5速MT車としての選択肢が標準で用意されていて、これだけの走破能力を持っているというだけでも、性能的には文句の付けようがないものがある。
ただ、ジムニーは基本的に単機能の車というイメージがついて回る。
N BOXは生活用途をいろいろと検討した結果搭載された機能や装備が多数搭載されている。もちろんジムニーにもそうした機能や装備は検討して搭載されてはいるが、ここは車の性格などもあって、N BOXの方が通常生活には使いやすい仕様になっている。
この両者を比較すると、どうしても私はジムニーは元々の仕様が4×4という特性から、単機能の車というイメージがついて回る。そうした用途の車と割り切って使っていけるなら、ジムニーは良い車だと思う。
いや、実際には単機能ではないので、もっと使いやすい車だとは思う。
あとは…スピードメーターとタコメーターがちゃんと分離しているというインパネも私的には点数の高い部分である。
最近は…タコメーターがない車も多いのが、残念でならないので、ある意味ジムニーは貴重な車とも言えるのかも知れない。