誇りとか尊厳とか…そんなの皆無なんでしょうな。
チートの理由
中国で今、とあるチートガジェットが人気なのだという。
それは歩数計の歩数を不正に稼ぐことのできるガジェットで、とにかく歩かなくても歩数を稼ぎ続ける事のできるものだという。
中国では、WeChatというメッセージアプリが人気なのだが、今年春、これにフィットネス機能「WeRun」が追加された。WeRunは歩数計ツールなのだが、基本機能としては1日の歩数をカウントしてグラフ表示してくれるというツールである。
普通に使えば真っ当な歩数計ツールなのだが、中国ではこの歩数計にカウントさせる歩数をチートして稼ぐ事が当たり前に横行している。
何故そんな事が起きているかというと、WeRunの歩数ランキングで1位になると、ランキングページのカバー画像を設定できるという権利が与えられるという特典があり、この特典を得たいが為に不正が横行しているというのである。
ランキングページのカバー画像を設定できるとなると、ある意味タダでとんでもないページビューの宣伝が出来るわけで、その費用対効果は絶大なものと言える。何しろ中国ではこのアプリが人気なのだから、利用者数を考えれば、宣伝費をタダ同然で手に入れられるこの権利の魅力は非常に大きいと言える。
ブランコのようなガジェット
で、このWeRunの歩数を稼ぐチートガジェットだが、ミニブランコのような形をしていて、スマホをセットしてユラユラと動かして歩数を稼ぐという仕組みのものである。
価格的には1つ300円~1,000円程度のもので、実に安易な装置なのだが、これが中国のネットショップでバカ売れしているという。
ハンドスピナーの時もそうだが、中国では何か一つが売れ始めると、類似品も含めてバカ売れするので、市場が大きく揺れ動く。
今回のチートガジェットも、歩数を稼ぐためにいろいろと考えられたツールがいろいろとバカ売れしており、人気のものだと1ヶ月で2万台以上も売り上げているという。
こういう話を聞くと、何とも中国らしいと言えばらしいが、その志というか、誇りというか、そういうものが彼らには欠如しているのだな、と強く思うワケだが、そこまでしてランキング1位になりたいものなのかね?
もともと健康の為のツールなのに、その健康すらも捏造するという感覚が私にはどうにも理解できない。
もっとも、日本企業が同じようなツールを作るとしたら、こうした捏造に対して対策を講じるとは思う。例えば、歩数だけを見るのではなく、GPSを使ってちゃんと移動しているかどうかを確認し、そのデータをもってランキングに反映させるようにするだけで、こうした捏造には対処できるのだから。
どっちにしても、こうしたチートがまかり通る社会を当たり前に受け入れている段階で、まだまだ民度を語れる人々にはなっていないのだろうな、と思う。