キヤノンもNikonに追従してきた。
新システムで登場
キヤノンがRFマウントを採用した新型ミラーレスカメラを正式に発表した。
名称は「EOS R」で、35mm判フルサイズ相当のセンサーを搭載したミラーレスカメラになる。価格は思ったより安く、キヤノンオンラインショップ価格で237,500円(税別)。
価格的には、フルサイズミラーレスのエントリー機といった所なのかは分からないが、手の出しやすい価格に持ってきた事でSonyのα7IIIの対抗と考えているのかも知れない。新マウントのRFマウントは、内径が54mmとNikonのZシステムと1mm異なるだけでほぼ同等の内径を持ち、通信システムも新たなものとなる。従来のマウントレンズはアダプターを介して使用する事となり、その種類は4種類存在する。
搭載するイメージセンサーは有効3,030万画素のCMOSセンサーを採用し、総画素数は3,170万画素となる。光学ローパスフィルタが入るところがちょっと残念ではあるが、ISO感度はISO 100~40,000となる。
画像処理エンジンはDIGIC 8を採用し、AFはデュアルピクセルCMOS AFを搭載する。AF方式には像面位相差AFとコントラストAFを採用し、測距点はクロスキー選択時で最大5,655点となる。この測距点の選択は、背面パネルの他、メインダイヤル、クィックコントロールダイヤル、クロスキーからの操作に対応する。
シャッター速度は、1/8000~30秒で、連写速度はワンショットAFで約8コマ/秒、サーボAF使用時で約5コマ/秒になる。
背面に搭載するEVFには約369万ドットの有機ELパネルが採用され、倍率は約0.71倍、愛ポイントとして23mmとなる。
背面モニターはタッチ操作可能な3.15型210万ドットのバリアングル式となっている。
中々にして良い性能を比較的安い価格で持ってきたな、と思うが、唯一残念なのが手ブレ補正で、静止画で最大5段分の手ブレ補正を搭載するとしているが、これはレンズのジャイロセンサーに加え、カメラのCMOSセンサーの画像情報からブレ量を検出し、これらの情報を比較解析することでレンズ側で検出できなかった低周波の揺れを検知、補正する事が可能になるという補正になる。その時の補正量としてはレンズの光学ISと合わせて最大5段分という事なので、補正量としては十分だが純粋なボディ内手ブレ補正とは異なるものなる。
価格が近いNikon Z6との決定的な差としてはこの手ブレ補正の部分になるのではないかと考えられる。
ハイフレームレートの動画
このキヤノン EOS Rだが、どちらかというと静止画より動画に強いという印象がある。
前述の弱点とした手ブレ補正は動画時ではレンズ内での光学ISにより縦回転軸と横回転軸を補正し、本体内の電子ISによって、カメラの回転軸、上下左右のブレ、縦回転軸、水平回転軸を補正し、レンズがIS非搭載レンズだったとしても、カメラボディ内の電子ISがブレを補正するよう動作する。
4K・UHD画質では29.9fpsでの記録が最大になるが、フルHDでは59.94fpsでの記録が可能であり、HD画質ではハイフレームレートとして119.9fpsでの記録が可能になる。
もっとも、高級機では最近はこれぐらい出来るという機種もあると思うが、価格としてフルサイズミラーレスのエントリーレベルだという事を考えれば、頑張っている機能ではないかと思う。
ミラーレスカメラでの動画、となると、私などはパナソニックのLUMIX系を想像するが、フルサイズセンサー搭載の動画となると、やはりEOSというイメージがある。
キヤノンとしても、動画のステータスはミラーレスになっても維持したいと考える所なのではないかと思う。
ライバルも活性化
ここに来て、カメラメーカーがいろんな製品の発表を立て続けに行っている。
また、正式ではないものの、噂レベルでも新型機を投入するといった話が出ていて、オリンパスの最上位機種の投入もその一つである。
Sonyにしてもても、α7S IIIの登場が噂されていて、富士フィルムにしても、X-T3の詳細スペックの噂が出てくるなど、ここに来てラッシュ気味である。
各メーカーは高級機しか売れないという路線そのものは変わらずとも、それぞれに特化した棲み分けポイントに落ち着いた製品を投入してくるようで、それが一気に来た、そんな感じである。
また最近のトレンドはどうも動画という節がある。
動画も撮れて静止画も撮れる。
それが当たり前の製品群になっていくのかも興味深いところだが、個人的にはスチル撮影をもっと練り込んで欲しいかな、と思うメーカーもあるので、人によって好みの分かれるところなのかもしれない。
どっちにしても、今のデジカメは価格が20万円を超えてくるような価格帯のものが主流になってきているように思う。
もちろん、その下のレンジのカメラも新機種が登場してくるとは思うが、あくまでもメーカーとしては高級機路線を販売戦略の中核に据えてきている。
カメラが趣味という人にとっては、財布に厳しい時代は変わらず継続していく事になるだろう。
私もその一人ではあるが、まだ沼にはハマっていないので、今後もさじ加減は間違えないようにして行こうと思う。