ん~、ユニットが生きているのにねぇ…。
すでに7年が経過
私がPCで今使っているヘッドフォンは2種類ある。
一つは昨年購入したSonyのBluetoothヘッドフォンであるWH-1000XM2で、これでWireless環境を作っている。もう一つというのがSHUREのSRH940で、コイツは2011年8月に購入したもので既に7年が経過しているものである。
SHUREのSRH940は、モニターヘッドフォンとしては非常に優れた製品だと思っているし、ネットでその評価を見ても正確性の高いモニターヘッドフォンと言われている。
その音質そのものは私も好きなヘッドフォンなので、今まで買い換えることもなく来たのだが、既にヘッドバンドはボロボロになっているし、その経年劣化から限界が近いのかなぁ、と感じる事もある。
だが、それ以上に深刻な問題がSRH940で発生した。
元々SRH940は、ドライバーユニットは素晴らしいのだが、それをつなぎ止めているヘッドバンドとの接続部が弱いという問題があり、そこが壊れるというケースが多い。
私が使用しているものも、今まで問題なく稼働していたのだが、遂に本日、右のドライバーユニットを繋いでいる部分が、片側にしか回らなくなり、耳にフィットさせる為の自由度が制限されてしまう状態になってしまった。
この状態で使う事もできなくはないのだが、そもそも違和感はあるし、変に頭にフィットさせようとすると、ドライバーユニットとヘッドバンドの中間でギシギシ軋みはじめる始末。
とりあえず、この接続部にあるネジを緩めて繋ぎ目を調べて見たが、素人が修理しようとして直るような感じではなかったので、いよいよ交換を考えねばならない時期かもしれないと悟ってしまった。
機種選定
実際に買い換えるかどうかは別として、もし買い換えるなら次はどんなヘッドフォンにすべきかを考えて見た。
もちろん、候補として今までと同じSHUREのSRH940も候補の一つだが、まずは大前提から考え直す事にした。
それは「密閉型」か「開放型」か、という事である。
手元にあるもう一つのWH-1000XM2は「密閉型」なので、あえてここで同じ「密閉型」を選ばなくてもよいのでは? と思い、それなら「開放型」で良い機種は何があるだろう? といろいろ探ってみた。
定番ではあるが「開放型」でもっとも有名と思われるのは、ゼンハイザーの「HD650」ではないかと思う。昔からの定番中の定番である。
ただ…コレ、今買っても5万円くらいの価格で、安く買っても3万円台後半で買えるか?という価格で、中々手が出にくい製品でもある。
では適度な1万円台~2万円台の「開放型」の定番は? と探してみたところ、やはり引っかかったのはAKGのK700シリーズであった。
AKGのK701は「けいおん」で秋山澪が使用していたヘッドフォンとして数年前に爆発的人気ヘッドフォンになったが、K701の最大の弱点はコードが直付けだという事だった。その問題点を解決したのがK702だが、4芯ケーブルを交換可能な3芯ケーブルに交換した事で若干音質的変化が出たという話もある。
また、K701やK702の上位版と位置付けられるのがK712だが、コイツは従来のものからドライバーユニットも含めて新設計されたもので、従来機よりも太い低音が特徴。
ただ、開放型ヘッドフォンにおいて低音を強調したというのは、ほとんどの場合、吸音材の配置変更や反響音を利用して低音を強化しているので、逆に中高音を減衰させて低音よりに向けたとも言える。もちろんだからといって中高音をダメにしているとは言えないので、よりバランス取りした製品という位置付けなのかもしれないが、上位版だからといって安易にK712をより良い製品と判断するのは早計である。
AKGのK702
個人的に、今コレかな、と最終判断を下したのはAKGのK702である。
理由は、あのAKGが自社の65周年記念モデルのベースにしたのがK702であり、K702にはそれだけの価値があると判断しただろうからである。もし、K712がホントの意味でKシリーズの決定版だとしたならば、AKGは65周年記念モデルのベースはK712にしていたハズである。
しかし、実際にはK702を選択したのは、Kシリーズのクリスタルサウンドと呼ばれる煌びやかな音色を再現できる製品として、K702がベストと判断したためではなかろうか?
ま、そのアタリは賛否両論あるのだろうし、聞く音楽のジャンルにもよるだろうから、何とも言えないのだが、AKGが考える、最も素直な音質はK702だった、という事ではないかと思う。
開放型は、とにかく自然な音場をいかにして作るかが肝になるので、その作り出した自然な音場で聞こえる音をもっとも再現できる環境をK702であれば提供できる、という事なのかもしれない。
ま、価格的にもK712とK702では、K702の方が財布に優しいので、私的には有り難い話ではあるのだが。
より広い幅で
とりあえず、私としては既に密閉型のヘッドフォンを持っている、という視点で、今回は開放型を考えた。
開放型は当然だが音漏れがするので、人によっては再生環境の問題で開放型が選びにくいという人もいるだろう。
開放型ヘッドフォンの音漏れの音がどれぐらいの音かというと、その入力音の大きさにもよるが、大凡50db~最大65db程度と言われている(もちろん条件による)。
65dbともなると普通の会話よりちょっと大きな音と、実際には結構な大きさに聞こえる音量だが、通常は50db程度なので、静かなオフィスレベルの音量である。
ちなみにdb(デシベル)という単位は、相対値なので単に数字が上がったからといって、その倍率だけ音が大きくなるというものではない。
よく分からないかも知れないが、感覚的に言えば、通常使用で聞いていたとしても周囲から「何か音が鳴っているな」というレベルと考えてよいだろう。ただ、確実に音は鳴っていると認識されるレベルなので、電車の中での音漏れみたいな感じと考えればよいのかもしれない。
そうした音が周辺に鳴っていても問題がない、というのなら、開放型を選ぶ意味はあると言える。
さて…実際問題として購入しようかどうしようか…。
検討したはいいが、この判断は現状のヘッドフォン使用状況ともう少し相談してからにしよう。