実に7年ぶりの更新。
乱視軸
私は学生の頃から眼鏡を使用している。
左目がとてつもなく視力が悪く、近視でありながら乱視も結構酷いという事で、眼鏡なしの生活はあり得ないのが日常になっている。
コンタクトレンズの使用も考えた事はあるのだが、どうしても眼の中に何かを入れるという行為そのものが受入れられず、ずっと眼鏡にしている。
コンタクトレンズの方が、度の進みが遅いと言われているので、本当はコンタクトレンズの方が良いのだろうと思うのだが、こればっかりは自分の許容感情の問題なので致し方ない話である。
そんな私が今使っている眼鏡は、7年前に作ったものである。
7年前、突然眼の調子が悪くなり、マトモに眼鏡を掛けても真っ直ぐに見えなくなるという大問題に見舞われた。つまり、眼鏡を斜めに傾けて強引にかけるぐらいでないと、見ているものが真っ直ぐにならないという、実に恐ろしい体験だった。
その際、近所の眼鏡チェーン店で眼の検査をしつつ新調したのが、今使用している眼鏡である。
PCの画面を長時間見るという事から、その時からブルーライトカットのコーティングを入れたりしたのだが、そもそも真っ直ぐに見えないという理由は、乱視軸の角度が変わってしまった事が原因らしい。
今まで、深く眼鏡の事など考える事はなかったのだが、この真っ直ぐに見えないという常軌を逸した経験が、私の眼鏡に対する考え方を大きく変えた。
その時作った眼鏡のレンズが、もうコーティングが剥がれてしまったりして、あまり眼にも良くない状態になっている事に前々から気付いていたのだが、流石にもう更新時期かと思ったので、今回思い切って買替える事にした。
何故思い切るのか?
最近、韓国資本のめがねチェーン店などの進出で、眼鏡の単価がグッと下がった傾向がある。もちろん、この格安眼鏡の存在はそれはそれで全くもって問題はないのだが、執拗なまでに「見る」という行為を突き詰めていこうと思ったら、残念ながら格安眼鏡では最終的に自分にあった眼鏡は探しづらい。
私の目の要求がそうした格安眼鏡で合致してくれれば、私も予算を使わずに済むのだが、前回の真っ直ぐにモノが見えないという経験から、格安眼鏡チェーン店から私を遠ざけた。
よって、私が眼鏡を買替えようとしたならば、5万円くらいは覚悟しなければならない。
もちろん、これはフレームにもある程度予算を突っ込んでの話で、もしフレームは1万円以内と決めてしまえば3万円台で収まる場合もある。このあたりは、使用するレンズとの組合せの問題なので、5万円というのは一定の基準値みたいなものである。
で、実際に店頭に出向いたのだが…予想以上に価格が張ってしまった。
理由は、年齢による眼の変化である。
レンズはニコン製
今回、店頭で眼の検査をしてハッキリ分かった事は、右眼の視力が結構弱ってきているという事である。
今まで左眼の方が圧倒的に悪く、右眼で左眼を庇っているというケースが多かったのだが、その余波が来ているらしく、右眼の視力が後退してしまっていた。
しかも乱視が僅かながらに強くなったようでそれらの補正も必要になり、今までよりはレンズに拘った方が良い流れになった。
さらに追い打ちを掛けるように、被写体の距離によって眼の疲れを軽減させた方が良いという判断も載り、所謂遠近両用レンズが良いという話に進んだ。
そこでそれらの機能を盛り込んだレンズを選ぶわけだが、今回はニコン・エシロール製のレンズを選択した。もう一つ下のランクにHOLTのレンズがあったのだが、ココはあえてニコンレンズを目指すことにした。
こうなると、当初の予算額を超えてくるのは当たり前の話で、最終的な値段は6万円をちょっと超えるものになった。
…ま、仕方ないと言えば仕方のない話ではあるのだが。
レンズメーカー
正直、眼鏡に興味がなければ全くわからないというのが眼鏡のレンズメーカーである。
前述のニコン・エシロールは日本のニコンとフランスのエシロール・インターナショナルが50:50の出資比率で設立した企業で、ニコンブランドのレンズを世界展開する為に設立された企業になる。
また、同じく前述したHOLTという会社は、正式名称がHOLTジャパンといい、HOYAがタイに設立したレンズ工場である「HOYA LENS THAILAND LTD.」の100%出資日本法人である。HOYAのレンズ技術で成り立っているのは言う迄も無いが、その工場設備の規模は世界最大級で安いレンズから超高級レンズまで取り扱う企業である。
他にも、東海光学、アサヒオプティカル、昭和光学、セイコーオプティカルプロダクツ、オプトネクサスといったメーカーがあるが、名前を聞けば「聞いた事あるかも…」となるが、実際にはほとんど知らないというメーカーばかりではないかと思う。
最近はプラスチックレンズが主流だが、その素材は結構いろいろあり、ADC、ウレタン系樹脂、メタクリレート、ジアリルカーボネート、ポリメチルメタクリレート、チオオウレタン系樹脂、エビスルティド系樹脂、ポリカーボネート、ウレタンルメタクリレート、エポキシメタクリレート、ジアリルフタレート等、実に様々な素材が存在する。
素材によって、屈折率を高くできるものがあったり、薄くできるものがあったり、傷に強かったりと特性があるのだが、まぁ、こんな知識は普通は持ち合わせていないのが常であり、私だって調べたから今書けるというものである。
いろんなメーカーがしのぎを削ってレンズを設計しているのだから、そんなのが格安になるとは考えにくい。ある程度名のあるメーカー製レンズであれば、それなりの価格にはなるというものである。
安いに越したことはない
だが、もちろん価格は安い方が消費者としては有り難いのは言う迄も無い。
眼鏡に6万円も使うとなると、年間1万円以上を眼鏡に投資するという事にもなるわけで、思った以上に負担の大きな買い物と言える。
コレがもし2万円くらいの予算で眼鏡を作れたとしたら、年額4,000円の負担となり、維持費が全く異なる事になる。
だが、これもレンズに強い拘りがあるからで、眼の為には仕方のない投資と言わざるを得ないのかもしれない。
とにかく眼にあった、優しいレンズを使わないと、後々尾を引くことになる。取り返しの付かない状態にするよりは、多少高くてもも良いレンズで負担を減らす方が、最終的に得策だったりするので、どこかで諦められるラインを引いた方が良いのかも知れない。
というわけで、今回は6万ちょっとの価格でそのラインを引いた。
これ以上、高くならない事を祈りたい。