20万円近くするビデオカードに問題。
問題はメモリか?
NVIDIAが発売したGeForce RTX 2080Tiに問題が発生している事が複数報告されている。数日、或いは数時間の使用でグラフィックカードに起因するOSのブルースクリーンが発生するなど、いろいろな報告が出されているようである。
本件に関して、NVIDIAが11月14日に同社のフォーラムにて事情を説明している。
どうも、GeForce RTX 2080Ti Founders Editionの初期のボードの一部において、製品テストをすり抜けて、それが元で顧客に問題が発生している、との事である。NVIDIAは問題が発生した顧客に対し、救済策を準備しているそうだが、その原因までは明確には語られていない。
しかしながら、この報告事例をいろいろ見ていくと、どうもメモリが原因でOSに致命的な問題が発生、強制終了してししまうらしい(もちろんメモリだけが問題かどうかは定かではない)。但し、さらに深刻な問題として、基盤から発火という問題も報告されているため、システムの問題だけに留まらない、ある意味重大な問題が顕在している事になる。
搭載しているメモリといえば、GDDR6になるわけだが、メモリの製造上の問題なのか、それともメモリと基板そのものの配線に問題があるのか、或いはその他のコンポーネントの問題なのか、その原因はいろいろと類推する事はできるが、ハッキリしないというのが今のところの状態である。
最終的な対応はどうなるのか?
NVIDIAのハードウェア的な問題は、過去にも存在していた。
私が覚えている一番近しいものとしては、GeForce GTX 970において、VRAMが4GB搭載されていても実際には3GBで一区切りがあり、そこからアクセス帯域が絞られた形で残り1GBを認識していたという事もあった。
その時の対応としては、ドライバで多少改善はさせたのかもしれないがそれ以上の対応はなく、GTX970はそういうGPUカードだ、という結論に至ったに過ぎなかった。
今回のRTX 2080Tiに関しては、消費電力の大きさからくる熱問題や耐消費電力問題なので、ドライバで動作制御を行って過激な動作をさせないようにするという対応で済ませてしまいそうな雰囲気が感じられる。
前述ではメモリに問題が…とは書いたが、それもメモリ単体が悪いのではなく、メモリを実装した後のコンポーネントの問題であれば、それはむしろNVIDIAの設計の問題という事になる。
こういうお茶の濁し方で良いのか? とも思うが、これがもし自動車産業であれば、即刻リコール対象となり、回収、修理といった手順が採られるはずである。
しかし、残念な事にGPUではそうした対応が取られる事はまずない。発火して火災に繋がる可能性があったとしても、である。
個人的にはこうした対応である事がまず間違っているように思うのだが、今回は最終的にどういった対応となるのか?
ぜひ明確な原因を公開し、適切な対応をお願いしたいものである。
20万円近くも出してこんな製品掴まされたなら、そりゃ納得できる話じゃないと思う…。