数年越しの希望がまだ叶っていない。
今一番欲しいモノ
従来から、私は先端技術(大げさな言い方だなw)に付いていこうとする習性があり、PC環境まわりもそうした傾向が強い事が自分でわかっている。
もちろん、そういう時は自分の手持ちの予算との相談だという事は十分理解していて、年々自分の希望が叶わなくなってきている事は自覚しているのだが、それでも目指したい時に対象となる製品が既に発売されているかどうかという問題は結構致命的な問題だったりする。
例えば、私が2年位前から言い続けているのが、自分が求める4K品質もしくはそれに類する解像度のディスプレイがある。
4Kという言葉が世の中に出てきたのは5年位前から世の中に浸透し始めたハズなのだが、今だに満足のいくディスプレイが発売されない(4Kテレビには良いものがあるのに…)。
理由は、4Kという解像度だけの話にHDRという色彩に関する問題が上乗せされたからだ。
HDMIのバージョンが2015年の段階で2.0a、2016年で2.0bと進む一方、それに対応するパネルが出てこないという問題が製品が出てこない問題に直結していると私は見ている。
いや、実際には発売されているのだが、価格的に手が出ないという状況といった方が良いか。
どちらにしても、民生のテレビでは大画面化が進む中でそうした新しい表現を取り込んだ製品が登場するが、PCモニタという分野には4KやHDRという技術に追従する製品が今一つ出てきていないというのが、今の現状である。
その上で昨年まではLGの「38WK95C-W」という製品が私の最良モニタとみてきているのだが、これにしても完全に私の要求を満足させている製品ではない。「38WK95C-W」は4Kモニタではないと言われるかも知れないが、4Kモニタだったら余計に望んでいる製品がないというのが現状である。
広く使うという事
このPCの世界での4K&HDRモニタがない、という問題を「?」と不思議に感じている人もいるかもしれないので、先に前提を話しておくと、私は基本的に32型の4KモニタでもPCで使用するという上においては満足できる領域にないと思っている。
考え方で変わるのだが、私はRetina品質と呼ばれる解像度で考えているのではなく、現在のWindowsが標準としている96dpiで表示させる事を考えている。
だから32型で4Kという解像度を実現してしまうと、そのドットピッチは138dpiとなり、Windowsの100%解像度品質だと文字を読んだりするのがギリギリの解像度になる。許容できるのは110dpi程度で、それ以上になると文字を読むのも辛くなる。
何故このように考えているかというと、それはもう単純にデスクトップを広く使うという目的が第一だからである。
たとえばこれが27型だと、163dpiとなりもはや文字の解読は不可能なレベルになる。
確かに全体の解像度を上げて表示面積を小さくすればより細かくなり滑らかな表示を得られるかも知れないが、それはあくまでも滑らかという意味であって、作業エリアを広く使っているという事にはならない。
Macでは、Retinaディスプレイという高解像度で従来の表示エリアを再現してフォントなどがより滑らかに綺麗に見えるという方向を訴求しているが、作業性で言えばそのなめらかさは(現時点では)不要であり、デスクトップをより広く使える方が効率がいい。
だから私としては4Kモニタが実用レベルになる表示面積は40型以上だと思っている。40型だと4K表示でちょうど110dpiになる。
3860×1600ドットという前述の「38WK95C-W」だと、その表示解像度は98dpiになり、Windowsの100%表示と互角になる計算である。
私のような考え方を持っている人が一般的であるかどうかはわからないが「4K=解像度が高くて綺麗」というメーカーの訴求の仕方では、現時点でまだビデオカードの性能が追いついていないと私は思っている。
ビデオカード性能
MacのRetinaディスプレイのように「高解像度=詳細で綺麗」という方向で、ゲームをプレイしたとする。
すると今のビデオ性能ではその表示フレームレートは一般的なビデオカードで考えても60fpsを実現するのは難しい。
それこそ、ハイエンドなビデオカード(価格的に6万円台以上)を準備しないとそこまで満足なフレームレートは得られない。しかもゲームそのものの表現品質も向上しているので、よりビデオカードの負荷は上がり続けているのが現状である。
しかし、NVIDIAは新型のRTXシリーズで従来の方向性の性能強化ではなく、レイトレーシングと深層学習を高速化するという付加価値で新製品発表を行った。つまり、今のビデオカードは残念ながら4Kという解像度を120fpsで表示させるだけの性能などは持ち合わせていないという事になる(表現品質で操作すれば可能かもしれないが…)。
もちろん、4Kを120fpsで表示させるにはディスプレイパネルの性能も必要だが、現在はまだ各所のハードウェアが性能的に追いついていない状況にあると言っていい。
であるなら、4Kという表現をもっとも効率良く、かつ実用的に利用できる方法は何か? と考えると、私は単純にデスクトップの広さという方向に訴求した方が良いと思うわけである。
PCゲームなら、4Kという広さの中にゲームをフルHDで表示させ、その中で120fpsを実現する事は今の現行性能では可能な領域にある。
PS4などはリアル4K表示の性能も持っていないので、個人的にはフルHD表示にしてHDR表示だけ出来ていれば及第点だと思っている。実際、人間の目が劇的に表現が違って見えるのは2Kから4Kへの変化ではなく、SDRからHDRへの変化である事はよく言われる事である。
AppleがMacに搭載したRetinaディスプレイによる高解像度への訴求は理解しないわけではないが、現時点ではまだ早すぎる理想にしかなっていない…と私は考えている。
広く使えて色再現性が高い
そういう意味で、私の求めるモニターが発売されているかというと、現時点ではまだ発売されていない。
残念なくらい、該当する製品がない。
40型でHDR600もしくはHDR1000(HDR10+対応でも良いが)を60fps以上で表現できるパネルを搭載し、DisplayPort1.4、HDMI2.0bのインターフェースを搭載した液晶モニタがあれば、それが現時点で最良モニタという事になるが、今の所私はそうした製品が出ていることを知らない。
私の場合、この理想のモニタが発売されても置き場所の関係から縦サイズが足りないので置く事はできないので「38WK95C-W」のように縦幅が短い横長サイズがあるとさらに理想的なのだが、それは私だけの理由であり、より一般的に考えれば40型くらいの4Kモニタが存在していれば、デスクトップを広く使っていけるモニタになる。
今年はそうした製品が発売されないかと期待しているのだが、昨年も似たような希望をもって2018年という一年を過ごしてきただけに、果たして希望道理の製品が登場するのか心配である。
…ま、それ以上に業界的にはビデオカード性能とディスプレイパネルの性能の向上が急務なのかもしれないが。
今年はそういう意味で技術のステップアップが行われる年である事を大いに期待したい。
というか、日本メーカーがもっと頑張ってくれればなぁ…。