ロシアからスペックに関するリーク情報。
16コア/32スレッド?
ロシアのとあるショップがAMDのZen2世代と言われているRyzen 3000シリーズのスペックを掲載したようであるとの話が海外のサイトに掲載された。
VideoCardz
http://bit.ly/2GWo0mn
そもそも、これがどこからかリークされた情報なのか、それとも単にでっち上げた情報なのかも定かではないが、CES 2019のキーノートでZen2に関する発表があるだろうという話もあり、時期的にもこういう話が出てきた可能性もある。
この話によると、Ryzen 3000シリーズはその構成が従来と変更されるような形になりそうで、従来は「Ryzen7」「Ryzen5」「Ryzen3」と3種類の構成だったものが3000シリーズからはこれに「Ryzen9」が加わるというのである。
しかも、これらクラス分けの内容も異なり、従来は「Ryzen7=8コア16スレッド」「Ryzen5=6コア12スレッド or 4コア8スレッド+GPU」「Ryzen3=4コア4スレッド or +GPU」という構成だったものが、3000シリーズは「Ryzen9=16コア32スレッド」「Ryzen7=12コア24スレッド」「Ryzen5=8コア16スレッド」「Ryzen3=6コア12スレッド」とコア数とスレッド数がそれぞれ増加する構成を執るというのである。
コア数が増えるのでTDPも僅かながら上昇傾向にはあるが、それも驚く程の上昇幅ではなく「Ryzen9」で125W及び「Ryzen7」でも最大105W(動作クロックによっては95W、65Wもある)と、イマドキであれば許容できる範囲内である。
あくまでも噂であり、また出所も不明な話であるので、信憑性は高くはないのだが、Intelの命名規則と通じるところもあり、妙にリアリティのある話である。
IPCも上昇する?
昨年11月、Zen2に関するある情報が話題になった。
それは海外メディアで「Zen2はZenから29%もIPCが上昇する」というものであった。
この情報のソースはAMDの内部テストでのAMD側のコメントで、これによるとZen2のサイクルあたりの命令数はDKERN + RSAで4.53 IPCと測定された、というところから来ている。
Zenの時ではサイクルあたりの命令数はDKERN + RSAで3.5 IPCだったため、単純に「4.53(Zen 2) ÷ 3.5(Zen 1) = 1.29」と計算した結果、29%上昇、としたようである。
もちろん、数値的には確かに129%なのかもしれないが、この結果はあくまでも内部テストの結果であり、好条件が揃った上での数値とみることができる。
なので信憑性は確かに低いのだが、もともとAMDはZen2ではZenよりもIPCを上昇させるべく新しいアーキテクチャを開発しているという話でもあったので、間違いなくIPCは上昇するだろうと考えられる。
仮に平均でZen比10%向上したとしても、Intelと対抗していく上では十分戦っていけるので、Zen2は搭載するコア数で総合的にIntelを上回ってくる可能性がある。
おそらく、このRyzen 3000シリーズが投入されると、Intelも否応無しに搭載コア数を増やさないと対抗していけなくなる事は疑いようがない。
気になるI/O
ただ、個人的に気になるのはこうしたCPUの性能だけでなく、I/Oまわりも気になる所ではある。
最近、M.2 SSDの接続方式にPCI Express x4が使われる事が多くなってきたが、同時に複数のM.2 SSDを使用するとすぐにPCI Expressのチャネル数が足りなくなる傾向が見えている。
もちろんIntelでいうところのエンスージアストであるCoreXや、AMDで言う所のThreadripperなどであれば、そうしたPCI Expressのチャネル数もある程度は強化されているのだが、ハイエンドより格下になるミドルハイやミドルレンジクラスだと、ビデオカードの帯域を確保した後にM.2 SSDに確保できるチャネル数はどうしても限られてしまう。
マザーボードによってはSATAと排他的に利用する形で搭載数を増やしているものもあるが、どこまでがCPU直結のチャネルでどこからがチップセットからのチャネルなのかが非常に分かりにくく、この部分の改善も個人的には何とかしてもらいたい部分ではある。
マルチコア化が進んでいる今、全体的にI/OまわりがCPUの外に出されるスタイルが今後進んで行くという話もあるが、それならそれで全体のI/Oをもっとわかりやすい形にしてくれたり、或いはもっと気にしなくても良いぐらい増やしてくれればと思う(まぁ、増やすのは現実的に難しいとは思うが)。
最近は、CPUの演算速度よりもこうしたI/Oまわりのアクセス速度が処理全体のボトルネックになりつつあるので、PC全体の性能の底上げが重要になってくるように思える。
CPU開発戦争も過激化してくるが、同時にチップセット周りの戦いも重要だというところを見ていく必要があるのではないかと思う。
昨日のGPUの話もそうだが、2019年は微細化プロセス開発が一段落した製品が本格的に市場に出回る年でもあるので、ハードウェアの性能の底上げが期待できる年になりそうである。