コレは一気にクリアした方がよかったかも。
久々に良作に出会った気分
以前、Steamで「428~封鎖された渋谷で~」を購入したとBlogで書いた。
ちょっとだけプレイしてその事を書いたが、実はその後プレイする事がなく、ずっと放置していた。
しかし、いくら何でもずっと放置というワケにも行かないし、気にはなっていたので、土曜の休みに一気にやる事を決めてプレイを再開した。前回、1時間単位で各主人公シナリオを区切って、全ての主人公のシナリオの始まりを合せている事に苦言を呈した記事を書いたが、プレイしていくとその意味がちょっと理解できた。
確かにこれでは1人の主人公だけ話を進めても意味がないな、と。
そう考えれば、確かに1時間で区切るという方法は最適解なのかもしれないが、ものすごい中途半端なところで区切られる事も多く、何故ここで区切るか? と思うシーンもいくつかある。これもシステムとして致し方なし、というのであれば、あえて「1時間」という制約に拘る必要はなかったのではないかとすら思う。
ミスが少ない?
どっぷりと時間を掛けてプレイしたという事もあり、自分としてはかなりのめり込んでプレイできた為、シナリオの面白さにぐっと引き込まれてしまい、辞め時がなかなか見つからない。これは想像以上の誤算である。
正直、実写グラフィックではドラマ仕立てに見えてしまう為、よりイメージが鮮明になり、シナリオの中身と演技との差が気になってしまうかな、とも思ったが、思った以上にその差は気にならない。役者の良さが光っていたという事か。
特にギャグ系のキャラクターはキャスティングが難しかったのではないかと思うが、見事にハマッていると思う。
私のお気に入りキャラは「御法川」で、正直、こんなライターがいたらタダの無謀としか思えない。だが、そのむちゃくちゃなキャラクターを見事に演じている役者「北上史欧」氏は元・芸人志望で吉本に所属していた事もあるというのだから、何となく納得である。
のめり込んでプレイできたのはいいのだが、選択肢的に私はあまりミスがなかったようで、最終的に真エンディングに向かうまでにバッドエンド数が30程度。
クリアした後で知ったのだが、どうもこの見たバッドエンド数が50以上にならないと、白い栞がもらえないらしく、ボーナスシナリオ1である「鈴音編」が開示されないという事態に。
…ミスがあまりないというのも問題のようで orz
ちなみにボーナスシナリオ2の「カナン編」も選択肢がよかったのか、最終的に黒い栞は入手でき、そちらは開示された。
そこまでは進めたが、問題はバッドエンドを回収するという事。
選択肢をちまちま変えながらリプレイするわけだが、その選択肢を選んだらすぐにバッドエンドになるなら良いのだが、他主人公の選択肢と絡んでいたりすると、それだけで回収は大変な事に。
面白さの裏側にこのような大変さがあるとは…(-_-;)
ADV
正直、アドベンチャーゲームというジャンルは時代と共に進化してきたという気持ちがある反面、現時点では停滞してしまっていると思っている。
私が今回プレイした「428~封鎖された渋谷で」に関しても、そのオリジナルは2008年12月に発売されたWii版にあるので、既に10年以上前の作品になる。
売上でみれば、Wii版は7.5万本売れたが、その後発売されたPS3版で3.4万本、PS4版に至っては2,000本しか売れていない。
今、日本ではスマホゲームが主力という流れがあるのは理解するが、これでは新作を出そうという気にもならないのではないかと思う。
純粋にいろんな視点からストーリーを追っていくという面白い内容は、制作する側からするととても大変な作業になるが、その大変な作業の結果としての販売本数がコレでは、こうした面白いものを作ろうとは思えないわけで、個人的にはとても残念な世の中の流れになってしまったな、と感じる。
恐らく、作り手としては作りたいという人もいるだろう。しかし、結果として本数が伸びない、或いは提供数が伸びないというのが見えてしまっていては、企業としては制作にゴーサインは出せないだろう。
というか、そうした流れにあると、アドベンチャーゲーム自体が、今後伸びていかないように思う。
個人的にはとても残念だと思うし、おそらくこの先が見えない流れはゲーム業界全体の流れなんだろうなと思うと、今後のこの業界がとても心配になる。
そういいつつ、電源無しゲームがちょっとした人気になったりもするので、結局はありふれた情報の中でどれだけ存在感を見せられるか、というのが、売れる売れないの一つの方向性なのかな、とも思う。
情報過多なのが決して良いとは思えない理由がこういう所にある。実に現代は複雑な状況だと思う。
とにかく、この「428~封鎖された渋谷で~」のようなタイトルが今後出てくる事を祈りつつ、ゲームという娯楽が衰退しない事を期待したい。