4キャリアに5G帯が割り当てられた。
第5世代
第4世代が使われるようになってまだ数年ではあるが、無線通信技術の発達は驚くべき進化を遂げ、遂に第5世代の周波数帯域がNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルに割り当てられた。
世界的には通信も始まろうかという第5世代だが、日本では第一希望の周波数帯が競合していた関係から、その比較審査などを実施していた関係で多少出遅れた感じはある。
実際には、3.7GHz帯で100MHz幅、28GHz帯では400MHz幅で、各社に割り当てられる事になるが、具体的にはNTTドコモには3.7GHz帯と4.5GHz帯、28GHz帯でそれぞれ1枠、KDDIには3.7GHz帯で2枠と28GHz帯で1枠、ソフトバンクと楽天モバイルは3.7GHz帯で各1枠と28GHz帯で各1枠が割り当てられた。
これらの帯域で実際にサービスが実施されるのは、ほぼ2020年に入ってからと言われており、それまでは実験に使われる事が想定される。
認定から⑤年後までの全国を対象とした5G基盤展開率は、NTTドコモが97%、KDDIが93.2%、ソフトバンクが64%、楽天モバイルが56.1%と、以前の人口カバー率に代わる新たな指標で各社の計画が既に出されている。この計画に沿った形で、今回の割り当てが決められたようである。
5Gで何ができる?
第5世代通信が可能になったら、何が変わるのだろうか?
まず一番大きく変わるのは、その通信速度である。
従来のLTEでは、理論上の最大値でも1Gbpsという速度が限界だったが、5Gになるとこれが最低値として1Gbpsから始まり、最大値で50Gbpsと言われている。
つまり、従来の50倍以上の速度で通信が可能になるわけで、ココまで来ると有線通信が全く不要になるのではないかとすら、言われるレベルになる。
ただ、無線通信はいろんな障害を受けるので、常に理論値で通信できるわけではない為、実用上は10Gbps前後ではないかと予想される。但し、これも時間と共に安定していくだろうから、徐々に速度改善は行われるだろう。
また、繋げられる機器の数も爆発的に増えると言われている。
所謂「IoT」と呼ばれるモノのインターネットが実現する、あらゆるモノが通信する時代に適合させる通信規格であり、多数の通信機器が混在していても、混線する事なく通信ができるようになる。
これに「低遅延」(時として超低遅延と言われる)という特性が合わさるので、リモートコントロールなどでも活用幅が広がる。例えば、自動運転の操作において、急ブレーキが必要な場合であっても、外部から急ブレーキの信号を送っても間に合うという事である。
また、IoTでの活用となると、他にもいろんな事が考えられるのだが、今まではそのアイディアがあっても実際の通信と乖離したものにしかならなかったが、5Gになればそれが現実になるワケである。
そういう意味で、今はただの高速低遅延通信という枠組みでしかないかも知れないが、今後どのようなサービスが可能になるかは、まだまだ未知数と言える。
有線通信のメリット
ここまで無線通信が速くなると、有線通信の強みが見えてこなくなるのだが、それても有線通信はなくならないだろうし、実際には有効に働く。
まず有線通信はほぼ絶対的な通信を可能にする。無線より圧倒的にノイズに強く、安定した通信が可能という点において、無線を超える。
また、通信速度にしても有線通信はさらに高速化している事が予想される。
物理的に繋がっている、という意味は、やはり強いのである。
ただ、有線接続には物理限界が来やすいのも事実なので、今後は無線通信が主流になっていく可能性は高い。
あらゆるもののデザイン性が重視されれば、有線は無線には叶わない。
とりあえず、5Gはもう近未来の話というわけではない。
実際に周波数帯が割り当てられ、既にいろんな機器が実験用とは言え存在する。
2020年にはその一端が現実のものとなるので、今はその確立を静かに待つのみである。