デジカメは高級路線に入り、販売絶対数は減ってると思うが。
中判ミラーレス
富士フィルムから、レンズ交換式デジタルカメラ「FUJIFILM GFX100」が6月下旬に発売されると発表された。オープン価格と設定されているが、店頭予想価格は税別122万5,000円程度と見られる。本機は、35mm判の約1.7倍の面積を持つ43.8×32.9mmのイメージセンサーを搭載する「GFX」シリーズのフラッグシップモデルになる。2018年2月のCP+に参考出品されていたもので、像面位相差AF、ボディ内手ブレ補正、4K/30p動画撮影に対応するという。
イメージセンサーは民生用ミラーレスデジタルカメラでは最多画素数という1億200万画素になり、裏面照射構造で像面位相差画素を全面に配置している。このため、AF速度は従来比最大約2倍で、高精度なコンティニュアスAFや動体追従AF、顔・瞳検出AFも利用できる。画像処理エンジンは「X-Processor 4」を搭載する。
ボディ内手ブレ補正は、5軸、最大5.5段の補正効果を持つ。ちなみに他の「GFX」シリーズには手ブレ補正はない。
カメラ本体のスタイルとしては縦位置グリップ一体型の面持ちで、ボディ構造はイメージセンサー、手プレ補正機構、レンズマウントを一体化したインナーフレーム方式となっている。素材もマグネシウム合金を採用し高剛性を持たせつつ、耐低温構造、防塵防滴性能をも持たせている。
バーチャルダイヤルモード
本体上面に1.8型のサブ液晶モニターを装備し「バーチャルダイヤルモード」を選択すると、その液晶に物理ダイヤルのようなデザインを表示する事ができる。このダイヤルを操作する事で、既存のGFXシリーズのダイヤル操作と似たような操作にする事ができ、それでいてデザインとしてはフラットな面を作り出している。
背面左手上部には「ドライブモードダイヤル」を装備し、静止画、動画、マルチショットの3モードを素早く切替える事ができるという。これらはワンアクションで各モードに最適な設定を呼び出せるようになっていて、従来機種よりも大きなメリットになっているという。
背面モニター下部には、プロ用一眼レフカメラを思わせる横長形状の2.05型サブモニターを搭載し、露出設定などの各種情報をモノクロ表示するようになっている。
高級機らしく、各役割毎に液晶モニタを装備するという凝ったデザインである。
また、EVFは0.5型約576万ドットの有機EL仕様で、倍率は0.86倍になる。このEVFは着脱式で、別売りのEVFチルトアダプター「EVF-TL1」と組み合わせる事で取り付け位置や角度の調整範囲が拡大する。EVFの駆動モードは用途により「フレームレート優先」「解像力優先」「AF優先」の3通りを選択できるようになっている。
これだけのスペックを見れば、プロからすれば122万円超という価格は案外安いのかも知れない。
その他のスペック
撮影記録は16bitのRAWおよびTIFF記録に対応する。PCモニタなどでは未だに8bitや10bitという機種もあり、広色域対応でも12bitや14bit記録がほとんどだが、カメラはその上の16bitの世界へと突入している。…これ、デスクトップで色味の確認ができないような気がする…。
また、電源として他のGFXシリーズと共通のバッテリー「NP-T125」を2個搭載する事が出来、背面モニター利用時の撮影可能枚数は約800枚となる。
USB端子からの充電、給電にも対応していて、USB PD対応の外部バッテリーと組み合わせれば、ボディ内バッテリーの充電も可能かつ長時間の連続撮影も可能になる。
イマドキのカメラらしく通信機能ももちろん装備していて、IEEE802.11acの5GHz通信に対応している。
シャッタースピードはメカニカルシャッターで1/4,000秒、電子シャッターで1/16,000秒という速度になる。電子先幕シャッターも利用する事ができ、フラッシュ同調速度は1/125秒以下になる。
連写性能は最速で約5コマ/秒。電子シャッター使用時は約2.9コマ/秒になる。
記録メディアはこの性能を持つプロ機だがSDXC/SDHC/SDメモリーカードで、UHS-Ⅰ/Ⅱ対応になる。なおスロットは2つ搭載している。
ざっとスペックばかりを並べてみたが、サスガはプロ機である。
圧巻の性能を持つが、もちろん価格も怒濤の122万円超えだから、当然と言えば当然か。
これだけの性能のカメラに取り付けるレンズは、流石にさらに高級路線のレンズでなければマズイだろう。粗悪なレンズだと、そのレンズの素性までもが写ってしまう。
総額いくらのシステムになるのだろうか? とか考えると、もうそれだけで私などは「ごめんなさい」という感じである。
売れない時期に売れるのか?
デジカメ事業は世間的にはかなりニッチな方向に進んでいる。
少なくともコンデジは大型センサーを搭載した高級機しか生き残っていない感じだし、ミラーレスカメラにしてもフルサイズのラインナップが拡充してきた事で高級化してきている。
業界の売上総額は多少上がっているか維持出来ていたとしても、取り扱う人口そのものは減っているように思えるだけに、こんな状況下で完全なプロ機を出して売れるのだろうか? と多少疑問に思えてくる。まぁ…プロ機は売上に関係なく一定数で売れるのかもしれないが。
とりあえず35mmに満足できなくなった人がいたとしたら…この中判ミラーレスを検討してみてはどうだろう?
そんな人、そうそういないとは思うがw