選択肢が広がっている為、何を理想とするかにもよる。
高解像度の意味
私が液晶モニタの話をする時、一番重視している内容はといえば、Windows標準の96dpiの時、デスクトップ画面が広く使えるというところに重点を置いている。
これは、スマホなどの高解像度とは意味が異なり、細かいドットが人間の目では識別できず、滑らかな表示になる事を求めていないという意味である。
私にとって、4K解像度とは3,840×2,160ドットでありながら、同時にドットピッチが96~120dpi(ppi)程度に収まる解像度を言うので、自ずと実サイズで言えば40インチ以上のモニタにならざるを得ない事になる。
確かに、人間の目では識別不能なくらいに細かい表示であれば、画面は滑らかに見えるのだが、それだと広さを実感する事は難しいわりに、画像処理にかかる能力ばかりが要求されるようになる。
今のPCにおけるビデオカード能力で言えば、4K/60fpsを死守できる性能のビデオカードはハイエンドクラスに限定されてしまうため、広大なまでのデスクトップと識別不能なまでの細かさを持つ画面を両立させる事は相当に難しい。それこそ8K解像度を今の40インチクラスの4Kモニタで再現するようなものである。パネルが実在したとしても、ビデオカード性能がそれに追いついていない。
というわけで、現時点で考えた時、私は4Kモニタなら43インチ程度、リフレッシュレートは120Hz程度、HDR10もしくはDisplayHDR400~1000を実現可能なモニタを求めている。
正確に言えば、4Kサイズだと縦幅がウチの環境に入らないので、38インチ程度で3,840×1,600ドット程度の4Kを若干下回る解像度が理想である。
このような液晶モニタは、今後発売される可能性があるのだろうか?
ROG Strix XG49VQ
ASUSから、49型の曲面ウルトラワイド液晶モニタ「ROG Strix XG49VQ」が発売される。
これはリフレッシュレート144Hzに対応した3,840×1,080ドットの解像度を持つモニタで、非光沢VAパネルを採用し、DisplayHDR400、FreeSync2 HDRをサポートするモニタになる。3,840×1,080ドットという事から、このモニタの縦横比は32:9という事がわかるわけだが、正直ここまで横長比率でなくても良いとは思っているし、逆にこれでは縦ドットが足りないので、やはり21:9ぐらいの縦横比で横幅3,840ドットが欲しいところである。
またこの「ROG Strix XG49VQ」で足りないところは、インターフェースとしてHDMI2.0は良いとしても、DisplayPortが1.2止まりだという事である。
現在DisplayPortは1.4が最新バージョンなので、そのレベルに到達していて欲しいというのが本音である。
そうした側面で見ると、この「ROG Strix XG49VQ」は私的に中途半端な製品に見えて仕方が無い。だが、世の中この仕様を求めている層がいる事も事実で、だからこそ製品化されているのである。
私の求める仕様で、どこかのメーカーが発売してくれないか、ずっと待ち続けているのだが、求めるスペックに近しい製品が現時点でLGの「38WK95C-W」しか存在してなく(それもDisplayPortは1.2止まり)、そろそろ新しい選択肢が欲しいところである。
CPUやGPUは新しい要求に応えるような製品が次々と出てきているが、表示という部分のモニタが今一つ行き届いていない。
世間では4Kとかいろいろ言われているが、訴求する方向性が、より緻密な方向に向かう者か、それとも広く使う方向かで変わるモニタは、なかなか理想の形を求めるのが難しい話なのかもしれない。