1995年放送から早23年。
再版
私の前々職の頃にも尾を引いていた作品の一つである「新世紀エヴァンゲリオン」だが、そのテレビ版および劇場版をセットにしたBD BOXが7月24日に再版される。価格は18,000円(税別)。BD/DVDの単品版も全8巻で同日より発売されるが、1~7巻が3,800円(税別)で8巻のみ3,600円と、全て単品版で購入するよりBOXで購入する方が約40%ほどお得になる。
BD BOXは10枚組になり、2015年に発売されたBOXと似たような装丁で発売される。製品エディションとしてはスタンダードに分類されるが、高級感はある。
2015年に発売された豪華版は、当時発行されていたエヴァ新聞などの復刻版も含まれていたが、今回のものはスタンダード版なのでそれらは含まれていない。映像のみ欲しい人向けといったところである。
単品版は、2003年に発売されたDVDに使われたイラストのリファイン版がジャケットとして使われる。こちらもコレクター向けのような製品構成だが、再版なので再利用が基本となっている。
世代評価
おそらく、エヴァンゲリオンという作品は、世代評価が大きく分かれる作品ではないかと私は思っている。
1995年10月にテレビ放送が開始されたが、それをリアルタイムで観ていた世代は、おそらく酷評する人よりもある一定のラインで「致し方なし。総合的に見て良評価」という人が多いかも知れないが、平成世代からするとおそらく「途中よくても最後ダメ。納得のいく完結となっていないので否評価」という人が多いのではないかと思う。
社会現象ともなった作品なだけに、リアルタイムで観ていた世代からすると、たしかに本放送はダメだったとしても、それを補完する劇場版などの出来で、最終的には納得という理解が得られたかも知れないが、当時を知らない世代だと、やはり一連の作品として見てしまうため、どうしても評価は悪くなってしまうだろう。
それほどまでに、ラスト25話と26話がスゴイ事になっていた作品なわけだが、当時、限られた予算を使い切った中で構成された作品としては、あれも已む無しといったところだったのかもしれない。
オリジナルの放送から、もうすぐ四半世紀が過ぎる作品なので、当然だが世代によって評価が分かれるのは致し方ないところ。
それを埋める為に新劇場版が作られた可能性もあるが、その新劇場版も長らく4作目が公開されず、既に作品をよく知らない世代が増えた今の段階で収録が始まったという話がちらほら出ている段階である。
社会現象となったあの時を知っている者も、既に待ちすぎて期待もあまりなくなってしまった状況かもしれないが、話を収束させる意味でも、もう少し制作陣には頑張ってもらいたい所である。
久々に観た
で、そんな中、久々にDVDを見てみた。
フィルムは確かに古い感じがするのだが、中身はというと…やはり今観ても面白い。
内容として、人がそこまでして生きる意味を考えさせられる何かを感じる作品と私は思っているのだが、ユダヤ教、キリスト教など、聖書にまつわる神話に興味のある人であれば、かならずどこかでひっかかる。だからこそ、当時、書店などでも一つのコーナーが作られるぐらい話題になり、その難解な謎解きにたくさんの人が翻弄された。
セカンドインパクトとは何か?
使徒とは?
人類補完計画とは?
不明な謎を挙げればキリがない。それは、いくつかは解明されたものの、今以て謎のものも多く、その解明の為に新劇場版が待たれる部分もある。
1996年当時、テレビ放送が終わった後に、エヴァのように神話の謎を含んだ他作品がいくつか作られたが、それら作品のほとんどは、エヴァの25話と26話でおきた不満を感じさせないよう、物語としてちゃんと成立するよう作られてはいたが、評価としてエヴァを超えたものはなかった。
評価が良いからこそ、悪い部分を叩かれる…まさしくそんな作品ではないか、と久々に観て思った。そういう意味では、まさしく名作だったんだなと。
というわけで、現世代になると観た事がない、という人もいるのではないかと思う。
Netflixでも放送されたりしているので、観た事がない人は一度観てみる事をお薦めする。
評価できる部分はおそらく大絶賛になるだろうが、評価できない部分は最低と思うかもしれない。その結果、総合的に見て良作と思えたなら、新劇場版も再評価してもらいたいところである。
詳しくは語られない。この作品はそういう作品である。そこに深みがあるのだと知るべし。